公開まで残り1か月!ボイメン田中俊介が全身全霊で挑んだ「ダブルミンツ」の本質を語る!!

東海ウォーカー

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裏社会や同性愛を描いた中村明日美子原作の「ダブルミンツ」(茜新社)が実写化し、2017年6月3日(土)より全国の映画館で公開される。同作品は、淵上泰史が演じる「壱河光夫(ミツオ)」とBOYS AND MEN(通称:ボイメン)の田中俊介が演じる「市川光央(みつお)」の2人の“いちかわみつお”を主人公に、極限の愛憎劇が繰り広げられるストーリーだ。そんな「ダブルミンツ」の見どころを、主演の田中俊介にインタビューしてきたぞ!

「市川光央(みつお)」の表情を意識したBOYS AND MENの田中俊介


衝撃の問題作と言われる「ダブルミンツ」の作品がもつ魅力とは!?


――「ダブルミンツ」、一足早く拝見させていただきました!今回、この映画が田中さんの映画初主演作となりますが、今回の出演となったきっかけを教えてください?

「『ダブルミンツ』を手がけた内田英治監督に、今回お話をもらいました。内田監督とは、ボイメンが出演した『なぜ東堂院聖也16歳は彼女が出来ないのか?』(メ~テレ)や『キスのカタチ』(TBSサービス 東映)をきっかけに知り合いました。内田監督と話すようになってから、芝居の相談や、芝居がもっとやりたいことを伝えていました。内田監督は本来、ボイメンのようにストレートにガツガツ来るタイプが苦手みたいなんですけど…(笑)。今回主演として呼んでくれたことに、びっくりしました。うれしかったのと同時に、期待に応えたいと思いました」

――熱量が伝わったんですね。この「ダブルミンツ」、同性愛や暴力が描かれる過激な作品ですが、このストーリーを聞いたときはどう思いましたか?

「2015年9月ごろに、『ダブルミンツ』の話をもらって、初めて原作を読みました。その時は衝撃でしたし、見たことがなかった作風でしたし、自分の知ることのなかった世界が表現されていたので。美しいけど、狂喜的な世界観。最初は主人公たちの気持ちを理解することができなかったです。でも、理解はできなかったけど、初めて見たときは作品の虜となるほどの面白さやストーリーの深みを感じました。同時に主人公役の難しさも感じました。自分に『みつお』を演じきれるのか。監督の想いに応えられるのか。不安を感じました。そしてその不安を押しつぶすように、1年かけて「市川光央」に寄り添いました」

「壱河光夫」と「市川光央」の2人の“いちかわみつお”を主人公に物語は進んでいく(C)2017「ダブルミンツ」製作委員会 (C)中村明日美子/茜新社


――どのように「ダブルミンツ」の「みつお」という役に寄り添ったか教えてもらえますか?

「『ダブルミンツ』は同性愛をテーマにした話ではあるものの、2人の関係性が、本当に“愛”なのか、それとも“依存”なのか理解が難しい関係です。この2人を結ぶ“共依存”について勉強しました。同じ同性愛や共依存をテーマにした映画や書物などを見て勉強したりしましたね。この作品は哲学的でもあり、作中に登場するアンドロギュヌスの「人間は男と女は一つになった球体だった。神によって2つに分けられた。だから2人がそれぞれ1つになるよう求め合う」といった言葉についても勉強しました。自分が今まで知らなかった世界を初めて知るきっかけになりました」

――作品を通じて“共依存”についてどう感じましたか?

「“共依存”は、複雑で難しいですね。相手を支配したくなる気持ち、自分でも分からない気持ち。なぜ依存してしまうのか。依存した先に何があるのかもわからない。強迫観念であったり、暴力で相手を傷つけたり、自分自身を傷つけたり。自分の考えを押しつけてしまったり、相手が優しくしてくれることを素直に受け止めれなかったり、二人が旨く結び付かないのが難しい」

――恋愛関係だけでなく、“親が子どもを思うように育てたい”なども共依存と言えますね。ちなみに、田中さんは“共依存度”で言ったら、実際は高い方ですか?

「どうだろう・・・高くはないですね。でもゼロでもない。相手が、自分の思うようになってほしいとかは、誰にでもある感情だと思います。ただ、その感情が表に出るか、出ないか。あと、ボイメンとして活動していく上で“共依存”をむき出しにしたらいろいろ大変そう。絶対7年も活動できない。互いが互いを分かりあって活動しているので、そんなに共依存度は高くないとおもいますよ」

2人が入ったこの“掘られた穴”にも注目!(C)2017「ダブルミンツ」製作委員会 (C)中村明日美子/茜新社


――私も田中さんの共依存度はそんなに高くないと思います。今回の田中さんの役柄は「ミツオ」を支配する「みつお」と言う役を演じましたが、もし自分が支配される「ミツオ」の立場だったら、「みつお」についていけますか?

「ついていけないと思うなぁ、さすがに。本当に、“究極愛”ですからね。高校時代はいじめっ子、いじめられっ子の主従関係で。大人になっても、電話がかかってきたと思えば、「女を殺した。今すぐ来い!」って。しかも共犯者になっちゃう。その考えはなかなか理解できないですね。僕は、恋愛をした時、自分色に染めたいという気持ちより、向こうのカラーに合わせる気持ちの方が強いかも」

―――この映画の答えは、実はこのインタビューの中に答えがあると思います。支配する、そして支配された関係で、自分はどちらなのか。映画を見た後、改めて“共依存”という言葉を調べて、考えて欲しい映画だと思いました。この作品は何度も見返すことでより考えさせられる映画ではないでしょうか。

「確かに1度では、分からない部分もあると思います。僕自身、1年間役作りに専念して、撮影が終わったタイミングの時は、2人の関係は“純愛”であると感じました。でも時間が経って、作品を見返してみると、これは愛じゃなくて、本当に“依存”だったと感じました。ただ2人が破滅の道に進んで行くように。この映画は、公開した時と何年か経った時に見た時に印象も変わるんじゃないかと思います。もちろん見る人の職業や環境によっても受け取り方は変わるでしょうね。」

――暴力やBLという言葉や、インパクトのある予告だけにとらわれるだけでなく、この作品の中にある“奥深さ”にも注目したいですね。一緒に友達同士で観れば、お互いの意見がとことん話せる作品だと感じました。

2か月で14キロ減量!「ボイメン 田中俊介」から「市川光央」に向かった1年間


作中には鬼気迫るシーンも!?(C)2017「ダブルミンツ」製作委員会 (C)中村明日美子/茜新社


――この「市川光央」という役に向けて特に努力したことがあれば、教えてください。

「今回の役作りに向けて、同性愛や共依存への理解にも時間をかけたのと同時に、原作のビジュアルに似せるようめちゃくちゃダイエットしました。ボイメンの活動もあるので、1年ぐらいかけて最初は少しずつ影響が出ない程度に。撮影に入る半年ぐらいからは本腰入れてダイエットしました。毎朝、毎晩走ったり、筋トレをやめて筋肉を落としたり。食事はサラダ。ドレッシングをかけるのも嫌だったので、メカブをかけて食べました。たんぱく質も少量のサラダチキンで摂取して。2か月ぐらいで14キロ体重落とした時も。どんどん“痩せていく姿”に、ボイメンのメンバーもファンの子も心配してくれて。とても辛いダイエット時期が続いたんですけど、衣装合わせで監督に『痩せすぎ!2キロ増やせ!!』と言われてしまいました(笑)。それだけ本気で取り組みました」

――映画のシーンでもあるんですが、坊主頭にもされていましたよね。

「カツラの話も出てたんですが、妥協なく前身全霊を懸けて役作りをしていたので実際に坊主頭にしました。ただ目立ちましたね。ちょうど、昨年末に全国ネットでの番組に出演した時には“学ラン着とるわ!踊るわ!!イカつい坊主おるわ!!”で、覚えてもらうきっかけにもなりました(笑)」

――最後にみんなに一言お願いします。

「この作品は裏社会、同性愛をテーマにしたクライムサスペンスです。2人の男の極限までに愛憎を繊細で、かつ暴力的に描いた作品です。とことん『市川光央』を追い求めて、一生忘れることのない作品だと思います。劇場で見てもらって、この2人を繋ぐものは、愛なのか、それとも依存なのかを確かめてほしいと思います。ぜひご覧ください」

この映画には、グループ活動を経て役者となった元AKB48研究生の冨手麻妙や元男闘呼組の高橋和也、元一世風靡セピア・小木茂光らが出演。自分もグループ活動をしながら、役者の幅を広げたいという田中俊介にとって、貴重な意見を聞く機会になったという。今後の役者・田中俊介としても期待したい。【東海ウォーカー/淺野倫孝】

淺野倫孝

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