「おす、俺トマト」商品がしゃべる未来のポップが買い物を変える!?

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商品に触れるとしゃべりだすプロモーションツール


商品に触れるとしゃべりだすプロモーションツール


博報堂アイ・スタジオは2017年3月、触ると商品がしゃべりだす販売促進ツール「TALKINGPOP」をリリースした。トマトなど野菜に触れると「おす、俺トマト、高知県産から届いたおいしいトマトだよ~!大玉で食べごたえも充分!」「リコピンたっぷり、美味しいトマト!」などと商品が語りかけてくれるのだ。このツール、今まで店で目にしていたポップの概念をガラリと変える注目のアイテムだ。

触ると商品がしゃべりだす!五感を刺激する「TALKINGPOP」の正体とは?


旬八青果店大崎店で実証実験を行った「TALKINGPOP」


2017年2月には、株式会社アグリゲートの協力を得て、旬八青果店大崎店で実証実験を行った「TALKINGPOP」。実験では、トマトやブロッコリーなどを「TALKINGPOP」にセット。生産地や栄養素など説明する音声を吹き込み、来店客に良い反応が見られるか、野菜の売り上げが向上するかなどを検証した。

商品に触れると産地などを話す野菜たちAoyama Farmer’s Marketの事例


商品に触れると、「リコピンたっぷり、おいしいトマト!」など野菜がまるで語りかけてくるような仕掛けに来店者が商品に興味を持ち、店員との会話も増え、店舗での滞在時間が伸びたそうだ。また親子連れを中心に、ツールを設置した売り場で立ち止まり、親子間の会話が増加。「TALKINGPOP」を設置することで、来店客と店員との間に商品に関する対話が生まれ、結果として滞在時間が長くなったと共に売上の増加傾向がみられた。このことから、「TALKINGPOP」が話題性、来店の楽しみ、店舗の雰囲気の変化だけでなく売上にも寄与していることがわかる。実施店舗からは、「おすすめ商品の紹介やタイムセール、シーズンを変えて多様な果物の販売にも活用してみたい」「お客様とのコミュニケーションにも寄与していることから、都内で展開している他店舗にも導入してみたい」との意見も挙がっているそうだ。

【写真を見る】五感を刺激するプロモーションツール「TALKINGPOP」の正体


ツールの仕組みとしては、来店客が野菜などの商品に触れた際の静電容量の変化を感知し、音声が聞こえるようになっており、店の棚に“しゃべる商品”をつくり出す。手に取った商品がしゃべりだすことで、来店客の注意喚起と商品理解を促進し、これまでにない売場の仕掛けを実現するというのだ。

「TALKINGPOP」開発チームにインタビュー(写真向かって左より、クリエイティブディレクター 望月重太朗氏、ビジネスプロデューサー 山本武志氏)


今回、「TALKINGPOP」開発チームのクリエイティブディレクター・望月重太朗氏とビジネスプロデューサー・山本武志氏にその特徴と今後の展開について話を伺った。 「『TALKINGPOP』は、一般的な店頭に並ぶ静的なポップと異なり、音声を活用して商品の印象付けを行う、五感に作用する新しい形の販促ツールです。五感の中でも“触覚”と“聴覚”にうったえることで、より一層深い購入体験をお客様に与えられるのが特徴です」と望月氏。

売り場を改善できる、新しいクラウドサービス


「『TALKINGPOP』は専用のアプリを利用して直感的、かつ簡単に操作できる様になっています。売場の商品にあわせてしゃべる声を変えたり、スマートフォンのマイクを使って音声を新規に録音したり、センサーの感度や音量もアプリで簡単に調整できますので、現場のマネージャーからアルバイトまで、売場の状況に応じて臨機応変に対応出来ることが魅力です。今後は、商品の重さや揺れを感知したり、人が近づいたことを検知して音声を出すなど、さまざまな商品や販売シーンで活躍できる様に発展させて行きたい」と山本氏。

また、「TALKINGPOP」は、アメリカのテキサス州オースティンで3月に開催された世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバル「SXSW(サウスバイサウスウエスト)」に出展。この時、音楽関係者から、アーティストとファンを繋げるコンテンツとして活用したいと要望を受けた。ある店舗に行ったときだけ、アーティストの声が聞こえるなど広告やイベントとして「TALKINGPOP」が活用できるというのだ。アーティストとファンを近づけるコンテンツとしても今後の展開に注目したい。

博報堂アイ・スタジオは、クライアント企業の課題に対し、データを活用した統合的なデジタルマーケティングを展開する一方で、R&Dにも力を入れており、プロトタイピングを繰り返し、ビジネスにしていく取り組みも行っている。「TALKINGPOP」もそのツールの一つである。現在、多くの海外観光者に向けての接客には語学が不可欠となっている。「TALKINGPOP」に英語、中国語、韓国語など、あらゆる言語の商品説明をあらかじめそろえておけば、どんな時でも活用できる。そのような強みから、野菜以外にも、コスメ、自動車などさまざまなシーンでの活用が期待でき、一般のユーザーから、会社単位での導入など活用の可能性の幅はかなり広い。このように店の運営を支えてくれる力強い役割が期待できる「TALKINGPOP」。商品に付加価値をつける未来のプロモーションツールとして、今後の展開に期待したい。【ウォーカープラス編集部/しおグル】

しおグル

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