【第5回】料理人歴45年以上の店主が営む中国料理店「上海屋」。自信に満ちた確かな味を堪能する

東海ウォーカー

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静かな住宅街にたたずむ。オレンジ色の看板が目印だ


東京や名古屋の名店で修業を積んだ店主と、上海出身の奥さんの夫婦で営む中国料理店「上海屋」。修業先を含めて料理人歴は45年以上にもなる、長年の熟練技が光る。

自家製調味料で作る本格料理に垂涎


修業先は、戦前から営む日本における中国料理店のルーツとも言えるような有名店ばかり。本場中国の料理人の技術を見て覚え、日々、身体に身に付けていったという。

仲良し夫婦。奥さんは上海でも調理経験がある


その技術を生かし、1996年6月に「上海屋」を創業。「いろんな地域の要素を取り入れながら作っていますよ」と語るのは、店主の山口正(ただし)さん。上海や北京、四川、広東など中国料理全般の味が楽しめる。

豆味噌で作る自家製の豆鼓醤で炒めた一品料理、イカの豆鼓炒め(1350円)


食材は国産にこだわり、鶏肉などは冷凍を使わずに生の状態で調理。山口さんも「一つずつ手間暇かけて、手を抜いてないから!」と話す通り、豆鼓醤や甜麺醤、ラー油などの調味料はすべて自家製で、XO醤は干し貝柱を戻すところから作るこだわりようだ。「既製品とは香りも旨味もぜんぜん違うから!自信あるよ」と山口さん。

ランチのお得なセットメニューが書かれている。ほかの一品料理の注文も可能だ


「創業当時はちゃんと一品料理で勝負したかったから、ラーメンのメニューは少なめだったんです」と話す山口さんだが、こちらの坦々麺のクチコミ人気は非常に高い。それを伝えると、「そうなんだよね。でも自信があったからね」と誇らしげだ。

自家製練りゴマが効いた濃厚な坦々麺


【写真を見る】坦々麺930円(中辛980円、激辛1030円)。初めはノーマルか中辛がオススメだ


炒りゴマ1種類で作られる自家製練りゴマが入るトロリとしたスープに、やや硬めの麺を絡めて味わう。「坦々麺とはもともと汁がないものなので、うちでは汁を少なめにしています。食べている間に麺は伸びてしまうので、少しだけ硬めに。やっぱりコシがあったほうがおいしいので」と山口さん。食べ終わる最後まで、コシのある麺が味わえるというわけだ。

慣れた手つきで手早く調理する山口さん


山口さんが「よそにない坦々麺を作りたかった」と言うように、酢の量や種類にも工夫しており、ゴマの甘味と相まって絶妙。通常はピリ辛程度の辛さだが、使う唐辛子の種類が異なる「中辛」や「激辛」も人気だ。

一品料理にライス、小鉢、スープ、漬物、ドリンクが付く日替ランチ(750円)


ランチタイムには日替わり定食とセットメニューがお得で、ご飯ものとラーメンがセットになっておりボリューム満点。平日は地元の人が多いが、休日には東海3県を中心に名古屋市外や県外からの客も少なくない。

「自信があるから、とりあえず食べてみて」


カウンターのほか、テーブル3卓の座敷がある


味付けや組み合わせなど、客からのリクエストを聞くこともあるという。山口さんは「こぢんまりとした店内でオープンキッチンだから、顔が見えるのがいいでしょ?」と話す。また、客から料理の味を聞かれるときは困ってしまうことも。「うまく説明できんのだよね。黒板に新しいメニューや季節料理が書いてあるけど、よそにない変わったメニューが多いと思ってるから」と山口さん。

本日のオススメ料理が書かれるメニュー黒板


たしかに“魚香墨花(ユイシャンモーファー)”や“ナスのトロトロ旨味ラーメン”など、想像もできない。「文字だけじゃわからないよね。でも、たいがいのものは自信を持って作ってるから、とりあえず食べてみて」と揚々の山口さん。まさに“根拠のある自信”である。

山口さんの言葉を借りるならば、その“よそにない”味と料理が人気の秘密なのだろう。【東海ウォーカー/礒永遼太(エディマート)】

礒永遼太(エディマート)

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