気づいてた? 旭山動物園ではこんな動物たちも共生しています

2017年9月27日 20:00更新

北海道ウォーカー

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円柱型の水槽「マリンウェイ」で、アザラシが上から下からすいーっと泳いでいく姿が見られることで人気の「あざらし館」。自由自在に泳ぎ回るアザラシを見て、「満足したー。次行こう!」という気分になりますが、ちょっと待ってください! ここには、アザラシ以外の動物も暮らしているんです。

その動物がいるのは、屋外放飼場。北海道の漁港をイメージしていて、小さな漁船や波消しブロックが設置されています。これは、ゴマフアザラシが北海道にとって、とても身近な動物だというのを伝えるためなんです。

たまにアザラシがぽこっと顔を出したり、岩場でくつろいでいる姿が見られるこの放飼場、よくよく見ると、2種類の鳥がいるんです。

それは、オオセグロカモメとオジロワシ(オジロワシのみ柵の中で展示)。どちらも北海道の海岸でよく見られる鳥で、海の魚を食べて暮らしています。生息地が近い、という共生展示ではあるんですが、彼らの展示にはもう一つ意味があります。

オジロワシは35年以上も前に保護された個体で、事故により左の翼を失っています。また、オオセグロカモメも左の翼を骨折していて、治る見込みがなく、保護されました。どちらも人間の生活が原因でケガをし、もう飛ぶことはできません。「あざらし館」では、人間の生活が彼らに及ぼす影響、現状を知ってもらうため、こういった展示をしているんですね。人間と動物、どうやったらうまく共存していけるか、考えさせられます……。

さて、「あざらし館」のように、メインとなる動物に目が行きがちで、あまり目立たない共生展示というのは他にもあります。それは「てながざる館」。シロテテナガザルが高い運動能力を生かし、高さ14メートルもある鉄塔や施設内に設けられたロープ、鉄棒をひょいひょい渡っていく姿が見られる屋外施設です(シロテテナガザルは寒さに弱いため、冬期は屋内展示となります)。

この屋外施設に夏期開園期間の間だけ共生展示されているのが、「キョン」。台湾や中国南東部に暮らす小さなシカで、体長は70cm~100cmほど。本来日本にはいない特定外来種ですが、とても繁殖能力が高い動物で、最近千葉県内で急激に数を増やしているという動物でもあります。もともとシロテテナガザルはタイやマレー半島などで暮らす動物なので、比較的生息地が近いですね。ただ、シロテテナガザルは樹上、キョンは地上で暮らすので、生活環境は違います。「くもざる・かぴばら館」同様、棲み分けができているんですね。

テナガザルは高い位置をひょいひょい移動するので、どうしても上ばかりを見上げがちな「てながざる館」。なので地上で、しかも物影に隠れていることが多いというキョンに気づかず、移動してしまう人も多いかも。テナガザルを見たあとは、地上にいるキョンも探してみてはいかが?

生息地や生活環境を考えた共生展示も旭山動物園の魅力。野生下のようにお互いを意識しつつ暮らす姿を観察しながら、そこにあるメッセージにも触れてみてくださいね!

※写真提供:旭川市旭山動物園(一部)

【北海道ウォーカー/出村聖子】

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