【第35回】昭和初期に開業した「レストサカエ」で、元祖・みそかつを

2017年10月6日 12:00更新

東海ウォーカー 小玉みさき(エディマート)

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名鉄瀬戸線・尾張瀬戸駅から歩いて5分、銀座通商店街のほど近くに「レストサカエ」はある。現在は2代目店主と3代目が肩を並べて料理をふるまう。元祖みそかつをはじめ、エビフライやポークチャップなど、食べ応え十分のメニューで常連客や観光客を満足させている。

2代目と3代目でボリューム満点の料理を提供

「レストサカエ」が誕生したのは1940(昭和15)年。元は「サカエ食堂」という名前だったが、約30年前に「レストサカエ」に改名した。

現在の店主は2代目で、店には3代目もおり、共に厨房に立ち料理を提供している。メニューは定食中心で、ごはんや味噌汁、季節のフルーツなどを盆に盛り付けるのは、2代目の奥様の担当。約20種類あるメインのおかずを、2代目と3代目が手際よく、ささっと作り上げていき、効率よく客の前に提供していく。

看板メニューはみそかつ。時代にあわせて味も変化

看板メニューはみそかつ。創業時から、とんかつに辛味噌をつけて“みそかつ”として提供していた。地方によって馴染みのある味噌は異なるため、多くの人が食べやすくなるように辛味噌を少し甘く仕上げて提供するように。メニュー名に「元祖」と付くのは提供し始めた60年前にそのような“みそかつ”がなかったからだそう。今の味噌は、少し甘さ控えめになっている。「最近はあんまり甘すぎるとだめでしょ。時代に合わせて変えているのよ」と2代目の奥様が教えてくれた。

みそかつの肉は三河豚を使用している。ロースであるが、脂が付いておらず、しっとりとした食感はまるでヒレ肉のよう。「そういう部位を使っているんだよ」と2代目。「元祖みそかつ定食」は1350円、これにネギがたっぷり乗った「ねぎみそかつ定食」(1400円)も同じくらい人気があるという。

続けて人気なのが「エビフライ定食」(1650円)。1本だけでもおなかいっぱいになりそうな大ぶりのエビが3本も出てくる。季節ごとに、その時一番いいサイズのエビを使うという。衣が薄付きのため、食べた瞬間すぐにエビの身にありつける。満足度の高いエビフライと言えるだろう。

そして次におすすめなのが「ポークチャップ定食」(1680円)。豚肉を焼いてから、オリジナルの和風ダレを絡めて、強めの火力で仕上げる。タレがしっかり肉に絡みついているから、食べるほどにごはんが進む一品に。+100円でごはんを大盛りにしておくといいだろう。タレの調合を尋ねると「それはやっぱり企業秘密よ♪」と奥様が笑う。少し時間が経っても、肉が柔らかく、家族連れでゆっくり食べ進めても、ずっとおいしく味わうことができそうだ。

家族代々訪れる店の中には、店主が愛情込めて作ったオブジェたち

客は常連客と観光客が半々。「せともの祭」などのイベントの時は、観光客が次から次に入るため常に満席状態に。通常の平日はランチ時は混み合うが、夜は比較的ゆっくり食事ができるという。店内は木の温もりを感じるテーブルが並ぶ。大きめのサイズで、大家族で来てもゆったり食事ができそうだ。

常連客の中には、3世代、4世代続けて通っている家族もいる。「どこかで見たことある顔だわと思ったら、昔小さいころ、来ていた子どもさんだったことがあるの。お盆や正月には、上京した娘さんが馴染みのある味が食べたいと言って、家族みんなで来てくれることもあったり。それはやっぱり長くやっているからなのかなと思いますね」と奥様が優しい笑顔で教えてくれた。

店先のショーケースや、店内の窓辺、レジ台、そして駐車場のブロック塀の上には、さまざまな陶器のオブジェが並んでいる。焼き物の町・瀬戸らしく作家さんの作品を置いているのかと思えば、オブジェはすべて2代目店主の作品だという。瀬戸焼を作る体験をしたところ、楽しいと感じて作り続けているのだとか。人の顔や動物、最近では顔モチーフが並んだアーティスティックな作品を完成させた。瀬戸の町を訪れたなら、長く愛されてきたみそかつの味を、手作りのオブジェを鑑賞しながら心ゆくまで堪能したい。【東海ウォーカー/小玉みさき(エディマート)】

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