「春節」盛況の秘話、中心を担う「謝甜記」代表取締役社長・謝 成発氏に聞いた!

横浜ウォーカー

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「中華粥」で有名な「謝甜記(しゃてんき)」代表取締役社長で、関帝廟の理事を努める謝 成発(しゃ せいはつ)さん。春節に行われる「獅子舞」でも4世代に渡って中心を担っていることでも有名だ。その謝さんに中華街のイベント、「春節」「関帝廟」についてお話を伺ってきた。

媽祖廟で春節準備中の謝成発さん(C)KADOKAWA 撮影=阿部岳人


荘厳な衣装と高下駄で練り歩くパレードは見もの


「2018年2月24日(土)に“祝舞遊行(しゅくまいゆうこう)”というパレードがあるんですが、京劇のような隈取をして、高下駄を履いて歩くんです。じつはこれは私が中国に行ったときに、たまたま見て面白い!と思って、取り入れたんです」と謝さん。木材を買ってきて自分で作ってみて、練習したという。

「獅子舞は息子が今は中心となって頑張っていますが、高校の頃から世界大会などに出て、自分の代までとはまったく違うものを仕入れて取り組んでいる。それに刺激を受けたことがきっかけで、自分もどんどん外から新しい情報を取り入れなければと思いました。本場の中国はどのように春節を迎えているのだろうか、台湾はどういうところでどんなことをやっているだろうかと。今では横浜中華街の春節も世界中の方が見に来てくれますから、日本の中華街の春節は物足りないなと、その方たちに思われたくなかった」(謝さん)。しかし、旧暦に行われる春節は当然ながら、世界中で同じ日に行われる。自分は横浜で参加しているから、生では見に行けない。後追いにはなってしまうが、ニュースや新聞で必死に情報を集めたと語る。

「こんな風に中華街全体のイベントに一生懸命関われるのは商売が息子の代に任せられているからなんです。家業の方では後継者は安心なんですが、中華街全体では、後をついでくれる人を待ち望んでいます」。隈取は、なんと謝さん自らが出演者に施している。またパレードの飾り物のウリのベジタブルカービング(果物や野菜を美しくカットする)も謝さんの手によるものもある。

「なんでも自分でやってみる。だからこそ人にもやってみようと言える。中国の格言で手に職を持て、ということですね。次のパレードも高下駄乗るよ、といったら、危ないですから、もうやめて下さいと、若いスタッフに慌てて止められましたがね」(謝さん)。

【写真を見る】自ら隈取をした謝 成発さん 提供=謝成発氏提供=謝 成発氏


関帝廟の出し物も本場から導入


三国志で有名な実在の武将・関羽様を祀る今の関帝廟ができたのは1990年。子供の頃からお参りしたり、イベントの手伝いもしていたという謝さんが理事になったのは2001年。それからも謝さんは、次々と新しい試みにチャレンジしていく。

春節の装いの関帝廟(C)KADOKAWA 撮影=阿部岳人


「関羽様は、御存知の通り義理人情に厚い方。人とのつながりを大切にすることから商売の神様であるわけです。商売をやる以上はお客さんと信頼関係がなければならない。儲けばかりでなくて、人の役に立つために商売をする。だから古くからのお付き合いのある方とつながりを大事にしていくんです」と謝さん。春節と同じように、8月5日の「関帝誕」(関羽様の生誕を祝う儀式)も、世界中で同じ日に行われる。生では本場の行事を見に行くことはできなかったが、関連のイベントは日をずらして行うそうだ。

「関帝誕の儀式は同じ日でも、神輿が出る行事は世界各地で別々な日に行われたりする。100ヶ所で別々に1騎ずつ出ている神輿を、日をずらしてどこか1か所に100騎集めてきたらすごいイベントになるじゃないですか。そしてお互いの神輿を比較することで、本場の神輿にはあるのに日本のは無いぞ、と気づいたりする。足りないものはすぐに取り入れ、お互いに切磋琢磨することで行事はより充実し、世界の各地で有名になり、盛り上がっていく。どんどん仲間のネットワークが広がっていくんです」。さらに10人編成、20人編成で吹き歩くラッパにも驚いたという謝さん。さっそく現地で頼み込んで吹かせてもらったが、高校時代に管楽器の経験が謝さんは、初めてでも吹きこなしてしまい、現地の人に驚かれたそうだ。

「そして、安いものを紹介してもらって買って帰ってきたんです」(謝さん)。もちろん日本でもすぐに導入。横浜中華街に中国・台湾の本場から見に来たとき、横浜のは物足りないと思われたくない。やるなら徹底的にやる。それには自分が率先してやる。範を垂れる。そうすると伝統的な中国の行事を海外でも頑張ってやっていると台湾の人は、行事に必要な道具などをプレゼントしてくれたりするという。こうして、謝さんの人と人のつながりはどんどん広がっていく。

謝さんがビジネスと同様に、いやそれ以上に魂を注ぎ込んでいる春節と関帝誕、訪れてみれば絶対に満足できるはず。ぜひ足を運んでみよう。

中華街大通りにある「謝甜記(シャテンキ)」(C)KADOKAWA 撮影=阿部岳人

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