【とびだせ!! ハマの一番星】vol.10 筒香嘉智選手

横浜ウォーカー

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横浜発、ニッポンの主砲(C)KADOKAWA 撮影=福岡諒祠


キャプテン・筒香が1年を振り返る「ポジティブな雰囲気の中で1年間戦うことができた」


横浜ベイスターズ時代の2006年から実に10年間、チームはBクラスに甘んじてきた。上位3チームが日本シリーズ進出をかけて戦うクライマックスシリーズ(CS)の制度が初めて導入されたのが2007年。日本プロ野球界で唯一、CSを経験していなかったチームが、今季ついにAクラス入りを果たし、汚名を返上した。そんなチームを、プレーにおいても、精神的にも引っ張っていったのが、キャプテンを務める筒香選手だ。

「チーム全体が若くて元気があるというのもあるんですが、ラミレス監督の存在が大きかったですね。監督はものすごく雰囲気を大事にされる方で、今シーズンのミーティングでは、一度もネガティブな発言をしていない。監督のポジティブな言葉のおかげで、みんないい雰囲気でプレーできたと思います」

今シーズン、規定打席に達したのは、昨年もクリアしている筒香選手、梶谷(隆幸)選手、ロペス選手に加え、倉本(寿彦)選手、桑原(将志)選手ら5人。規定打席未満でも11本塁打の宮﨑(敏郎)選手、新人の戸柱(恭孝)選手が100試合以上に出場。ロペス選手以外は20代で、若い世代の台頭が目立った。

「今季は、すべてのポジションにおいてレギュラー争いのレベルが上がったと実感できた一年でした。チーム全体のレベルは2014年、2015年に比べて格段に高くなっていると思います。でも3位なんですよね。それぞれがもっとレベルアップしないと広島、巨人は倒せない。巨人とのファーストステージは突破できたけれども、ファイナルステージで広島に負けてしまった。広島が強過ぎたと言う人もいますが、自分たちの実力が足りないだけ。まだまだ野球を覚えなきゃいけないということです」

初めてCSを戦った印象は?

「幸い自分は日本代表に選ばれて、プレッシャーのかかる試合を経験させてもらいましたが、チームのほとんどの選手は、ああいった特別な雰囲気の中での試合は初めて。いつもどおりのプレーができている選手もいれば、本来のパフォーマンスを発揮できなかった人もいる。あの舞台で戦うことの楽しさや難しさを、全員が実感できたと思います。個人的にもCSすべての試合が、今シーズンで一番印象深いんです。それを来年以降にどう生かせるのかが大事ですよね。特に今年の日本シリーズは、広島にも日本ハムにも、いいプレーがたくさん出ました。チームみんなが、あの場所で戦いたいと感じたはずです」

打撃3部門で過去最高進化はまだ止まらない


笑顔でバットを振ってみせてくれた筒香選手(C)KADOKAWA 撮影=福岡諒祠


話を筒香選手個人に移そう。44本塁打、110打点で、セ・リーグの打撃部門で2冠を獲得。打率もリーグ3位だったものの、3割2分2厘と高打率を残した。打点はパ・リーグの打点王、中田 翔選手(北海道日本ハム)と同数、40本塁打以上は今季のプロ野球界で、ただ1人だった。

「本塁打王もうれしいんですけれど、やはり打点はチームの勝ちにも直結するので、よりうれしいですね。それに打点王は一人では獲れないタイトルなんです。周囲の選手が、チャンスで僕にまで回してくれたからこそ獲得できた。チームメイトには本当に感謝しています」

今年は打撃3部門すべてでキャリハイ。明らかな進化を、本人も感じているようだ。

「1月ごろに、まず体の強さが出てきたなって感じました。技術的にも今までできなかったことができるようになっていたり、これまで積み重ねてきたものが鋭くなってきた感覚があります。具体的に言うと、昨年まではレフトにヒットを打つ感覚はあったんですが、今年はそれをホームランにするコツというか、感覚を持つことができた」

強さということでは、確かにバッターボックスでの構えは、まるで足に根が生えたかのように安定していて、今季はフォームを崩されたという印象は少ない。そしてレフトスタンドへのホームラン。実は昨年は0本だったが、それが今年は12本と飛躍的に増えている。若き主砲は、まだまだ進化の途中なのだ。

2016年、横浜DeNAベイスターズは、主催した72試合で約194万人を動員。これは球団史上、最高の動員数で、チーム創設以来5年連続で伸ばし続けている。15年までチームは下位に低迷し続けたが、それでも応援し続けてくれるファンに対して、筒香選手は言い尽くせない感謝の気持ちがあるという。

「僕たちは、どんなにいい試合をしても、どんなにいい成績を残したとしても、見ていてくれるファンの人たちがいなければ何の価値もありません。来年は必ず横浜スタジアムでクライマックスシリーズを迎えますので、応援よろしくお願いします」

筒香選手に聞きました


このカットは高城選手が撮影したもの(C)KADOKAWA


Q.休みの日の過ごし方は?

A.だいたい体の治療というか、メンナンスにあてています。外に出かけることは、ほとんどないですね。

Q.チームで仲の良い選手は?

A.髙城(俊人)選手。よく一緒に食事に行きますが、すごく食べる。僕も食べる方ですが、彼は規格外です。

Q.好きな女性のタイプは?

A.頭がよくて気が利く人。有名人に例えるとですか…。髙城が女性だったら、よかったんですけれど(笑)。

高城選手も取材に参加!?


取材中の筒香選手の様子をうかがう高城選手(C)KADOKAWA 撮影=福岡諒祠


横須賀の青星寮で筒香選手の取材をしていると、高城俊人選手が乱入! カメラマンのカメラを奪って撮影開始!

取材カメラマンのカメラを借りて、筒香選手を激写!(C)KADOKAWA


床に這いつくばって、下方からあおるように、パシャパシャと筒香選手を狙い打ち! 普段から仲がいい2人でした。

ただ今ハマってます!


筒香選手のお気に入りの本(C)KADOKAWA


読書にハマり中! 今読んでいるのは「野球崩壊」。

「本屋さんでおもしろそうな本があったらまとめて買っておいて、時間があれば読んでいます。好きな作家は桜井章一さんで、ほとんど読んでいます。今読んでいるのは、広尾 晃さんの『野球崩壊』。衝撃的なタイトルですよね」

プロ野球の観客動員数アップの裏で競技人口が減少傾向にある野球に警鐘を鳴らす内容だ。

筒香嘉智/外野手/#25/1991年、和歌山県生まれ。横浜高校から2009年ドラフト1位で入団。今季は打率.322、44本塁打、110打点と、打撃3部門すべてでキャリアハイ。本塁打、打点の2冠王に輝く。2017年3月開催のWBCでは侍ジャパンの4番が期待される。

(取材・文=小貫正貴、撮影=福岡諒祠)

※「横浜ウォーカー」2016年12月・2017年1月合併号に掲載

横浜ウォーカー2016年12・1月合併号に掲載(C)KADOKAWA


横浜ウォーカー編集部

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