各ホテルで大人気スイーツブッフェの裏側＆大注目の“夏”スイーツブッフェを徹底解剖

もはやホテルにとってなくてはならないイベント、「スイーツブッフェ」。イチゴ、抹茶に続くテーマを模索中！初夏のスイーツブッフェの主役は「ピーチ」!?趣向をこらし個性的な展開を図るホテルのスイーツブッフェの裏側に迫る！最後に、注目の“夏”スイーツブッフェも紹介。＜※情報は関西ウォーカー(2018年6月19日発売号)より＞

ヒット仕かけ人はこの人！

2015年インターコンチネンタルホテル大阪へ。「ノカ ロースト＆グリル」だけでなく、ホテル内で提供するお菓子やウエディングケーキも担当する若きエース。

＜数字で見るヒットのポイント＞

【3年目】「ピーチスイーツブッフェ」の開催年数。桃メニュー数も初年度は20種以上、2年目は約30種、今年は約37種と着実にパワーアップ。

【約37種】「ピーチスイーツブッフェ」のメニュー数。昨年好評だったピーチオペラや、抹茶のクレープとピーチコンポート、ピーチサワードゥピッツァなどが登場。

【約7か月】「ノカ ロースト＆グリル」の「ベリー！ストロベリー2018 スイーツブッフェ『ストロベリーイズム』」の開催期間。好評のため6月末までに延長された。

もはやホテルにとってなくてはならないイベントに

昨年末から今年のGWにかけて開催された、京阪神のホテルでのイチゴスイーツブッフェはざっと数えただけで13か所。約5年前にホテルニューオータニ大阪で始まった『スイーツ＆サンドウィッチビュッフェ ～ホテルでいちご狩り～』をきっかけに、イチゴブッフェが定番化した。インターコンチネンタルホテル大阪では、昨年12月からこの6月24日(日)まで、金曜、週末が中心とはいえ、約7か月間も開催。それが毎回のように満席というのが驚かされる。

関西のホテルイチゴブッフェの先駆け、ホテルニューオータニ大阪パティシエ・ブーランジェ料理長の鹿児島裕之さんは「ホテルニューオータニ幕張でやっていたのを参考にし、開催にこぎ着けた」という。大阪も連日満席で、今年のイチゴブッフェも「1日に100件以上お断りしたことも」とも。

ホテルニューオータニ大阪のヒットの大きな理由はテーマの強さもあるが、1ピース(カット)1674円～のスーパーケーキシリーズやブームの火付け役の一つとなったスフレタイプのパンケーキなど、“スイーツに強いホテル”という印象が強いのも大きかった。料理長も「ホテルのスイーツショップに並んでいるケーキを、サイズを変えて出しているようなもの。素材も技術もそのまま」と語る。

インターコンチネンタルホテル大阪の白石卓実シェフ・ド・パルティエも「全アイテムを食べてもらえるように、どれも甘さは控えめにしています」と、ホテルメイドならではの繊細さを大切にしている。“ホテル＝品質の高いスイーツ”の信頼感と、それが食べ放題ということがファンをひき付けているようだ。

リピーターが支えてホテルがそれに応える

ホテルスイーツブッフェ界にとってリピーターは非常に大切な存在。「たくさんいるリピーターさんたちの声を聞いて、今年からブッフェ台形式ではなく、各テーブルにデザートプレートを持って行くオン・ザ・テーブルスタイルに変えました」とは神戸北野ホテルで企画と広報を担当する岸本暢子さん。

「最近は、得意のパリブレストやエクレアなど、テーマは変わってもあえて同じアイテムを用意することで、リピーターさんに食材による違いを楽しんでもらえるよう工夫をしています」と、メニュー作りで常連を意識するハイアットリージェンシー 大阪の大内浩司ペストリーシェフのような例も。

「メニューのなかのスイーツにテーマを持たせることで、アクセントになります」というのは、ホテル阪急インターナショナルの企画と広報を担当する筒井愛美さん。フレンチコースのように好きな料理を選んで組み立てるランチ＆ディナーブッフェのデザートに、昨年秋からテーマを持たせた。6月から用意している“グリーン”がテーマの抹茶やピスタチオのスイーツもリピーターから好評だそうだ。

イチゴや抹茶に続くテーマを模索する各ホテル

どのホテルも課題として挙げるのが、イチゴ以外のテーマ。「今年で3年目の『抹茶マニア』は、昨年に続き好調で、前年比を超えている」とハイアット リージェンシー 大阪の広報担当・向井山委子さん。抹茶は今シーズンも7か所以上のホテルが開催していて、今や注目食材の一つとなった。そして今、各ホテルはそれに続くものを模索している。編集部でリサーチをしてみると、昨年までいくつかあったマンゴーやメロンは、今シーズンは少し減少傾向にあり、今年の本命は「桃」という答えが見えてきた。

今回、話を聞いたホテルニューオータニ大阪は“マンゴー、メロン、桃”、神戸北野ホテルが“マンゴー＆ピーチ”、ハイアット リージェンシー 大阪は“カラフルフルーツ”で桃を、今夏のスイーツブッフェで主食材として扱う。この桃で一歩先を進むのがインターコンチネンタルホテル大阪。実は、夏に桃をテーマにするのは3年目。過去の実績は好調で、申し分ないらしく、「桃に関しては、ほかのホテルであまり扱われていないことが強みで、昨年以上に人気が高まるのではないか、と期待しています」と白石シェフ・ド・パルティエ。

だが、今年は桃に注目しているホテルもあるようで、リッツカールトン大阪やホテル・アゴーラ大阪守口などは、桃に絞ったスイーツブッフェを開催する。迎え撃つ立場の白石シェフ・ド・パルティエは、「タルトのように桃のフレッシュ感が味わえるスイーツなど、昨年人気だったアイテムは把握していますし、それらはよりクオリティアップも。さらに、今年もアイテム数を増やし、シェフがライブで用意するクレープとピーチシャーベットかき氷など、約37種の桃メニューをそろえます」と胸を張る。

今年、桃スイーツブッフェがブレイクするのか？ブッフェファンならずとも自身の舌で確かめたい。

今回話を聞いたホテルの夏ブッフェが待ちきれない！

インターコンチネンタルホテル大阪の「ピーチタルト」はフレッシュピーチの味わいが特徴。“できたて”にこだわり、厳選素材をオープンキッチンでダイナミックに調理することで人気の、ホテル20階にあるブッフェレストラン「ノカ ロースト＆グリル」で実施。金曜、週末を中心に開催されているスイーツブッフェは質の高さから人気で、予約が取りづらい。

■ブッフェDATA/「ピーチスイーツ ブッフェ」料金：4750円 ※税込、サービス代別 期間：6月29日(金)～9月2日(日)の金土日祝。 ※8月4日(土)は除く、8月13日(月)～16日(木)は毎日開催 時間：15:00、15:15、15:30スタートの90分制 ※コーヒー・紅茶セレクションまたはドリンク各種

■インターコンチネンタルホテル大阪「ノカ ロースト＆グリル」＜住所：大阪市北区大深町3-60 グランフロント大阪北館タワーC 20F 電話：06-6374-5700 時間：6:30～22:00 休み：なし 座席：132席 タバコ：禁煙 交通：JR大阪駅より徒歩5分＞

この春のイチゴでも、3万4000人以上を集客した注目のスイーツブッフェ「ホテルニューオータニ大阪」。今夏は、“マンゴー・メロン・桃”をテーマに、関西を代表するホテルらしい華やかなスイーツでブッフェ台を彩る。産地とのパイプも太いメロンを中心に夏らしいメニューで勝負する。

■ブッフェDATA/「スイーツ＆サンドウィッチビュッフェ～マンゴー・メロン・ピーチ～」料金：5000円、土日祝5500円 ※税・サービス代込 期間：7月1日(日)～8月31日(金) 時間：11:30～、90分制 ※日程により開催時間が異なる

■ホテルニューオータニ大阪「SATSUKI LOUNGE」＜住所：大阪市中央区城見1-4-1 1F 電話：06-6949-3276 時間：11:00～20:00 休み：なし 座席：110席 タバコ：禁煙 交通：JR大阪城公園駅より徒歩3分＞

週末を中心に開催されるスイーツブッフェが好評の「ハイアット リージェンシー大阪」。今回も多彩なスイーツを用意するが、タルトやパリブレストなどのフランスの伝統菓子に桃やレモンを組み合わせたスイーツに注目したい。ピーチ、マンゴー、メロン、レモン、さらにマスカットなども登場する。

■ブッフェDATA/「カラフル・サマーフルーツ」料金：4900円 ※税・サービス代別 期間：7月7日(土)～8月26日(日)の土日祝 時間：12:00～16:00 ※時間制限なし

■ハイアット リージェンシー大阪 ロビーラウンジ＜住所：大阪市住之江区南港北1-13-11 1F 電話：06-6612-1234 時間：11:00～17:00、日祝9:00～17:00 休み：なし 座席：120席 タバコ：禁煙 交通：ニュートラル中ふ頭駅より徒歩3分＞

「神戸北野ホテル」は周辺の会社員を中心に人気の夜のスイーツブッフェを開催。マンゴー＆ピーチを使ったスイーツ約20種を用意。ディナータイムに実施されることからローストポークなどフードも充実。「マカロンベリーニ」や「エクレア・トロピコ」などフランス菓子も用意。

■ブッフェDATA/「ナイトデザートブッフェ～マンゴー＆ピーチ～」料金：3980円 ※税・サービス代込 期間：7月17日(火)～8月31日(金)の平日 時間：17:30～21:00(LO20:30) ※時間制限なし

■神戸北野ホテル ダイニング「イグレック」＜住所：神戸市中央区山本通3-3-20 1F 電話：050-3177-4658 時間：7:00～10:00(LO)、11:30～16:00、17:30～21:00 休み：なし 座席：60席 タバコ：禁煙 交通：JR三ノ宮駅より徒歩16分、阪急神戸三宮駅より徒歩14分＞

「ホテル阪急インターナショナル」では夏ならではの鱧のポシェや夜限定のローストビーフなどのほか、贅沢な料理が味わえる。グリーンをテーマにしたスイーツコーナーも充実。

■ブッフェDATA/「2018 SUMMER FAIR(GREEN SWEETS)」料金：3500円～ 期間：8月31日(金)まで 時間：11:00～14:30、17:30～21:00 (土日祝17:00～～21:00) ※時間制限なし(土日祝の昼は120分、土曜の夜は100分)

■ホテル阪急インターナショナル ビュッフェ＆カフェレストラン「ナイト＆デイ」＜住所：大阪市北区茶屋町19-19 1F 電話：06-6377-3618 電話：11:00～21:00 休み：なし 座席：250席 タバコ：禁煙 交通：阪急梅田駅より徒歩3分＞【関西ウォーカー編集部】

編集部