カレー界で話題の“アチャール”。どんな食材も“華麗”に変身!

東京ウォーカー

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東京のカレーシーンで今注目を集めているのが“アチャール”。野菜や魚介、肉などをスパイスやオイル、そして酢で漬け込んだインド版のピクルスで、南インドの一部では“ウールガイ”とも呼ばれている。付け合わせやお酒のつまみとして、自家製アチャールを提供する店も増えている。その人気を広めたと言われているのが、千歳烏山にある「ハバチャル」の店主・飯塚俊太郎さんだ。

店主の飯塚俊太郎さん。夏はトウモロコシやスモモなど、今後も季節の新メニューを随時考案していくそう


「バラッツ!スパイスラボ」で出していたアチャールが評判に


大学生時代、バックパッカーとして各国を旅し、スパイス料理に魅せられたという飯塚さん。卒業後は料理人を志し、都内のインド料理店で約2年間修業を積んだ。その後初めてインドに渡り、3か月かけてほぼ全土を回り、各地方の料理を食べ歩いて研究したそう。そして帰国後は、東南アジアを中心としたエスニック料理店で腕を振るってきた。

【写真を見る】夜は一品料理とお酒が楽しめる“スパイス居酒屋”に。左はインド風フリット「わかさぎパコラ」480円、奥のカレーは「チャナマサラ」Sサイズ380円


そんな中、転機が訪れたのが2014年11月。スパイス輸入会社「アナン」(神奈川・鎌倉市)の三代目、メタ・バラッツさんが表参道にオープンさせた「バラッツ!スパイスラボ」(現在は閉店)の料理長に迎えられたのだ。「自分の店をそろそろ持ちたいと考えていた時期だったんですが、2年間という約束だったので引き受けました」と飯塚さん。

有名スパイス商のスパイスを駆使した本格カレーで、「バラッツ!スパイスラボ」は瞬く間に人気店に。さらにカレー通をうならせたのが飯塚さんの自家製アチャールだ。カレーの付け合わせに「ミックスベジ」を用いたほか、夜はつまみとしてさまざまなアチャールを披露した。するとスパイシーでほんのりと酸味がある独特な味わいが受け、虜(とりこ)になる人が続出。なかにはレシピを探る同業者もいて、いつしか飯塚さんを“所長”とする「TATAアチャール研究所」なる同好会が立ち上がるまでになった。

「アチャールをもっとメジャーにしたい」。その思いが飯塚さんを突き動かす


アチャールは一皿200~400円。手前から右・左の順で「しいたけ」「チェリートマト」/「真ダコ」「ゴーヤ」/「アボカド」「砂肝」。右は自家製パンの「パラタ」(350円)


当初の約束通り、「バラッツ!スパイスラボ」は2年間勤め上げたのち、2016年11月に退職。その後は下北沢にある「カレーの惑星」で曜日限定のシェフを務めながら、独立準備を進め、2017年6月についに自分の店「ハバチャル」をオープンさせた。

千歳烏山駅南口から徒歩2分くらい。商店街から一本外れた道路沿いに立つビルの2階。1階に出ている立て看板を目印に


ハブ(拠点)とアチャールを組み合わせた造語「ハバチャル」を店名にしたことからもわかるように、アチャールへの思い入れは強い。夜はカレーのほか、一品料理やお酒が楽しめる“スパイス居酒屋”として営業。その要となるのがアチャールだ。

その日のメニューが黒板に書かれるが、とにかく種類が豊富。定番の「ミックスベジ」(300円)をはじめ、「新タマネギ」(200円)や「ゴーヤ」(250円)などの旬の野菜、「真ダコ」(300円)や「川えび」(350円)といった魚介、さらには「砂肝」(400円)、「羊肉(ラム)」(400円)までそのレパートリーは30~40種で、その中から常時13種前後を出している。

素材によってスパイスやオイルなどを使い分け、素材の持ち味が生きるよう、それぞれ異なる味付けに。野菜・魚介・肉・フルーツと、飯塚さんの手にかかればどんな素材もアチャールになってしまう。「これまで失敗したものもあります。例えばチーズ。スパイスとなじまず、封印しました(苦笑)」。

最後にアチャールへの思いをこう語り、締めくくってくれた。「まだまだ日本においてアチャールの知名度は低い。少しでも多くの方にその美味しさを知ってもらえればうれしいです」。

もちろんカレーも見逃せない。写真は大山どりの手羽元を使った「チキンカレー」(ランチ・900円)。付け合わせはアチャールの「ミックスベジ」など


インドのタペストリーが目を引く、アジアンチックな店内。テーブルのほか、カウンターも6席あり、夜は“ひとり呑み”の客も多い


取材・文=河合哲治郎/撮影=岩堀和彦

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