1970年大阪万博の迷い子センターはパラダイス? 河内家菊水丸らがトークショー!「私の大阪万博 思い出の品展」万博記念公園で開催

関西ウォーカー

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EXPO'70パビリオンの外観。元は鉄鋼館で、最新の音響技術と光の演出で人々を魅了した


3月9日(土)から、万博記念公園内のEXPO’70パビリオン ホワイエで祝2025大阪・関西万博開催決定「私の大阪万博 思い出の品展」が開催される。これは1970年の大阪万博ゆかりの人たちが約50年間秘蔵してきた思い出の品を展示する企画展。開催に先立ち、3月8日(金)、内覧会とトークショーが行われた。

トークショーで万博の思い出を語り合う登壇者たち。左からMCのミサイルマン西代洋、飼原和子さん、河内家菊水丸、玉置泰紀EP


トークショーの登壇者は、伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸、大阪万博当時ミノルタ迷い子センターに勤務していた飼原和子さん、(株)KADOKAWA2021年室担当部長で元関西ウォーカー編集長、本企画展の監修も務めた玉置泰紀エグゼクティブプロデューサー(以下玉置EP) 。MCはミサイルマンの西代洋が担当した。

西代が「皆さんの思い出の品々を集めました」と話を振ると、「みんな自慢したいねん」と菊水丸。玉置EPは「僕は当時小学校3年生だったんです。万博に3、4回行きました。思い入れがあって当時、竹ひごで模型を作ったりしていた」とエピソードに加え、大人になってからは「太陽の塔ウォーカー」や「EXPO‘70グッズコレクション」といったムックも作ったと披露し、「万博に対する思いがあるので、今回も楽しみにしている」と期待を語る。

迷い子センターの飼原さんが着ていたユニフォーム。ビビッドな色合いとデザインがかっこよかった


飼原さんのユニフォーム。マントの中にはワンピースを着る。当時の新聞記事などのスクラップも


ミノルタ迷い子センターに勤務していた飼原さんは当時の制服を展示。これを受けて、菊水丸は万博で迷子になった同級生のエピソードを語る。5人兄弟の末っ子だった彼は、迷い子センターに保護されて、きれいなお姉さんにずっと頭をなでてもらっていたという。さらにお菓子食べ放題、マンガ読み放題、ジュース飲み放題。「こんな最高なところはない、迷子になってよかった」といっていたとか。

その話を聞いて、迷い子センターに入りたかった菊水丸だが、「僕は母一人、子一人でしたから“おかん”がずっと手を握って離してくれなかったので、迷子になれなかった。同級生の『お菓子の家みたいだった』という話に『そんなええところやったら入りたい』と思っていた」と振り返る。これについて、西代が「本当にそうですか?」と飼原さんに確認すると「いえ、ちょっと盛ってます」との答えに、会場は爆笑に包まれた。

迷子になって泣いている演技をする菊水丸。飼原さんに頭をなでてもらい、49年ぶりの夢がかなった


飼原さんによると、迷い子センターで保護された子供はテレビ電話を通じて親子の対面をしていたそう。今は当たり前のテレビ電話も、このとき初めて使われたものだ。当時はまさしく未来のテクノロジーだったといえよう。ここで飼原さんが持参した当時の「迷子迷人登録用紙」で、万博で迷子になりたかった菊水丸の夢を、約50年の時を経てかなえることとなった。玉置EPは菊水丸の父親役で「うちのキヨシ(菊水丸の本名)がおらんようになったんですわ」と、芸人ばりの芝居をして会場の笑いを誘った。

迷子迷人登録用紙に名前を書いてもらった。これで菊水丸は48140人目の迷子となった。ちなみに大人の迷い人は12万5778人だそう


記念撮影に答える4人。万博の思い出を語りだしたら止まらない


菊水丸は当時の迷子バッジを持参していたが、今回の展覧会のチケットはこの迷子バッジを再現している。当時を知っている「博前(パクゼン)」の人も、当時生まれていなかった「博後(パクゴ))の人も楽しめる、懐かしさと驚きいっぱいの展示なのでぜひ足を運んでほしい。

浦澤直樹の「20世紀少年」で、描かれた万博。少年たちの熱狂は当時のリアルだった


嘉門タツオのバッジコレクション。ウラジーミル・レーニンの肖像のバッジはソ連館のもの。時代を感じさせる


祝2025大阪・関西万博開催決定「私の大阪万博 思い出の品展」第一部は3月9日(土)から4月23日(日)の45日間で「永遠の万博っ子たちの、記憶の数々」と題し、菊水丸や飼原さんをはじめ浦澤直樹や嘉門タツオ、タナカカツキなど多彩な人々の万博の思い出グッズを展示。

5月3日(祝)から6月10日(月)の38日間は「大人になった万博っ子から次の万博っ子へ」をテーマに第2部の展示が開催される。1970年のあの熱量を知る大人が、若い世代にそれを手渡す貴重な機会となる展示だ。

内覧会には万博ミュージアムの白井達郎館長も駆けつけた。万博当時は会場内のレストランでアルバイトしていた


そのほか、トークイベントや太陽の塔時間外特別見学を含む園内特別ツアーなども開催される。

■「私の大阪万博思い出の品展」

第1部:3月9日(土)~4月23日(日)、第2部:5月3日(金)6月10日(月)、時間:10:00~17:00、休み:水、3月14(木)~6月4日(火)は無休、会場:EXPO’70パビリオン・ホワイエ、住所: 吹田市千里万博公園10-10

料金:一般400円、中学生以下無料、常設展入場券を同時に購入した場合、100円引き

■トークイベント(会場はいずれもホワイエ展示会場内、参加無料)

3月16日(土)14:00~「迷子になりたかったボク」、司会:河内家菊水丸、ゲスト:飼原和子さん(元ミノルタ迷い子センター)、渡邊百合さん(元エスコートガイド)

3月30日(土)14:00~「万博っ子たちの本音エキスポ」、司会:玉置泰紀、ゲスト:タナカカツキ(マンガ家)、古屋大貴(奇譚クラブ主宰)

4月6日(土)14:00~「白井少年と菊水丸少年の70年万博のおもいで」、司会:河内家菊水丸、ゲスト:白井達郎(万博ミュージアム館長)

鳴川和代

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