06年6月、自身の21歳の誕生日に「汚れた下着」でデビュー、9月の2ndシングル「友達の詩」がオリコンチャート9位となって一躍シーンの注目株となった中村 中。その1stアルバムが「天までとどけ」だ。初めて「友達の詩」を聴いた時、この人はなにかを求めているのか拒絶しているのかわからない、とその歌詞に心がザワついた。幾重にも複雑に絡まった思いがアルバムからも見えてくる。
「テーマは若さでした。思春期に人はなにが正しくてなにが間違っているかに常に迷い、痛いものに手を出しては傷ついたりする。それってなにかを学んでる真っ最中の姿だと思うんです。フラフラしてるとか中途半端だとか言われがちだけど、迷っている気持ちまで間違いだとは言わないでくれと思う。私自身もそうでした。もがいてる姿を1stアルバムに刻みたかった。じゃないと、あとに出すものがすべてうそになる気がして」
タイトル「天までとどけ」にあるのは突き抜けたニュアンスだけじゃない。「天」とは体裁を取り繕う社会の目をも表している。その目のせいで若者たちが未来をあきらめてしまわないよう、「人の優しさに触れて生きられるようになったいま、自らの吐露を残そうと思った」という。叫ぶような地声ロック、伸びやかに歌うベルカント唱法のような美声、場末感漂う短編映画のごとき楽曲など、そのバラエティさにも興味は尽きない。
「昭和歌謡が好きでした。最初に買ったcd00は研ナオコさん。情緒のあるものに自然と惹かれますね。だから私の曲はすべて詞が先なんです。伝えたい言葉ありきでメロディが生まれてくる。歌い方は曲ができた瞬間、自然と決まりますね。レコーディングではそれを素直に出しているだけなんですよ」
独特の凜とした魂を持つ人だ。07年2/15(木)からはミュージカルにも挑戦。「静か〜に貪欲にやっていきます」と浮かべた、不敵でチャーミングな笑顔が印象的だった。
