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●10/22更新
日本映画で闘うときは、男はサムライに描くべき!
出演者たちがノースタントで挑んだ肉弾ガチンコ勝負映画!
下山天監督&橘実里
(「マッスルヒート」10/26(土)公開)
インタビュー

予告編

特別プロモーション映像

記者会見

撮影現場取材

ケイン・コスギが長年の夢だったアクション映画で初主演した話題作「マッスルヒート」。アクション映画といえば、CGやワイヤーワークや大量の火薬を使用した過激で大掛かりなアクションシーンが見どころという作品が全盛の中、あえて今作ではノー・スタントによる生身のアクションにこだわった。撮影には、ケインが敬愛するジャッキー・チェン映画のアクション監督サム・ウォン(「酔拳2」('92)、「シティハンター」('93)他)をはじめ、香港スタッフやキャストを多数招き、リアルで熱い男たちの闘いが繰り広げられる。その映画へのこだわりを、「イノセントワールド」('98)、「弟切草」('01)をはじめ、数々のミュージッククリップやTVドラマなど多岐にわたるエンタテインメント・ジャンルを手がけてきた下山天監督と、映画では紅一点となる橘実里のおふたりに語ってもらった。

―おふたりは以前、TVドラマ「金田一探偵の事件簿」で組まれたコトありましたよね。

下山:ええ。あの時は最終回のヒロインというか、犯人役を演じてもらったんです。彼女は眼にとても力があり、不安定だけども、どこかに逞しさを秘めている。普段のイメージにはないキャラクターでも予想以上に応えてくれるので、今回もお願いしました。

:お話をいただいて、まさか自分が刑事役でアクションをやるなんて考えてもいなかったのでまず驚いてしまって。でも面白そうだなっと思って参加させていただきました。

―撮影に入る前に、下山監督から薦められた映画なんてなかったですか?

:あ、ありました! 「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスターを観ておくようにって。

下山:それは彼女の役が新米刑事ってこともあったんですね。あの映画でジョディ・フォスターはFBIのマニュアル通り、基本に忠実な銃の持ち方をしている。そしてちゃんと両手で撃つ。そういうリアリティはやっぱり大事だと思いますからね。

―リアリティといえば、主演のケイン・コスギさんはじめ、出演者の方々はノースタントだそうで。アクション監督のサム・ウォンはジャッキー映画で有名な人ですよね。

下山:サムとは今回は絶対リアルでいこう、と。映画の中のまやかしの見栄えのいいアクションは、少なくとも日本のマーケットでは受け入れられないって、僕、言ったんですよ。皆さん、K-1ほかいろんな格闘技で目が肥えてますからね。サムはワイヤーとかいっぱい持ってきてたんですけど、理解してくれて、極力使わないでやりました。サムのアクション指導で“なるほど”と思ったのは、キャラクターの感情をどうアクションに反映させていくかということ。それは映画にとってすごく重要で、大変勉強になりました。

:私、この映画をやる前と後では、K-1の見方もアクション映画の見方も変わってしまいました。影響力大です。何しろスポーツジムに通い始めちゃったんですから(笑)

ケイン・コスギさんとは、仕事をされてみて、いかがでしたか?

下山:ケインは今回初主演なので、彼がいま持っている魅力をそのままフィルムに収めてみたかった。劇中、扮しているジョー・ジンノは、ハガネのような肉体に、やさしい心を持ったがゆえのギャップで悩む男。それはそのままケインの素顔でもあるんですよ。

:ケインさん、撮影以外のときはとってもシャイで。でも話すとすご〜く丁寧で、こっちが戸惑ってしまうくらいに、まっすぐ、人を見つめてくるんですよね。

下山:そうだね。まっすぐな人だね。曖昧さがない。彼は現場で、自分がわからなければハッキリと質問してくるし。日本に来て10数年、アクション映画に主演する夢を捨てずに、あの肉体をずっと維持してきたんだ。僕には到底マネできません(笑)。

―映画の舞台は2009年という近未来ですが、いまの日本へのメッセージを感じました。

下山:そこは意識しました。たとえば閉塞感……ケインはアメリカから来た男で、敵役の加藤雅也さんは中国のマフィアに属している。外圧というか、海外からの勢力がきて、日本で彼らがぶつかることになる。では日本人は何をやってるかというと、欲にまみれているばかり。橘クンの演じた“桂木亜加音”が唯一日本人として決着をつけにいく。そうした中で、やられる側の痛みをリアルに撮ってみようと。殴られたら痛いんです。それでもなぜ人は闘わなければいけないのか、ってトコに最終的に着地したかったんですね。それと今回、特に子供たちに見てもらいたいのが、このまま道を間違っていくと、ひょっとしたらこんな悪い方向に日本が行っちゃうぞってこと。映画って、あってはいけない未来像も描けるわけで、僕なりに警鐘を鳴らしたつもりです。

:私の役はどんどん正義が揺らいでいき、自分の中で結論を出さざる得なくなっていくんですけど、そういうことが本当にリアルに考えられて、お芝居をしていても感情で動けてよかったですね。単純に正義が勝つ話ではないあの終わり方は、個人的に好きです。

下山:僕が大好きな黒澤明さんの映画も、勝つことが正しい答えではなく、勝った人間ほど業(ごう)を背負っていく。「椿三十郎」の最後のシーンで“お見事”ってはしゃいだ若造たちが怒られるじゃないですか。ああいう世界観って海外では案外わからないみたいですね。サムも今回“何で最後に決闘するんだ?”って不思議がっていた。最後はどうしてもプライド同士の闘いになる。やっぱり日本映画だったら闘う以上、男はサムライに描くべきでしょ。そう、僕らは堂々と“日本映画”を作るべきだと思うんです。

(取材・文/轟 夕起夫)


下山天●1966年青森県出身。高校時代から自主制作映画を撮りはじめ、在学中に上京。TVや映画の助監督や撮影助手を経て、ミュージック・ビデオの世界へ。久保田利伸の「BE WANABEE」をはじめ、B'z、桑田佳祐、Kinki Kidsらのビデオクリップを手掛ける。映画監督としては、'97年に「CUTE」でデビュー。他に「イノセントワールド」('98)、「弟切草」('01)など。その他演出を手がけたTVドラマに「世にも奇妙な物語」、「アナザヘブン」、「金田一少年の事件簿」などがある。
橘実里●1981年群馬県出身。映画デビューは日韓合作映画の「純愛譜」('00)。その他TVドラマ「shin Dおしおきシスターズ」('00)、「イケメンVOL.2」('00)、「熱血恋愛道−獅子座A型BOY」('00)、「あぶない放課後」('00)、「青い鳥症候群」('00)、「伝説の教師」('00)、「それぞれの断崖」('00)、OVA「首吊り気球」('00)などに出演。グラビアアイドルとしても活躍する将来が楽しみな若手女優である。
インタビュー当日、「マッスルヒート」の完成披露記者会見も行われ、こちらには監督や橘実里はもちろん、主演のケイン・コスギや哀川翔、加藤雅也、そしてインタビューで何度も名前が登場したアクション監督のサム・ウォンも出席した。この日は、特別メイキング映像もはじめてお披露目され、公開を間近に控えた映画について、出演者たちがそれぞれの熱い思いを語った。監督や橘さんが話したとおり、メイキング映像や質疑応答などから、ケインのシャイで真面目な素顔を垣間見ることのできた会見となった(動画でも紹介)。


SPECIAL PRESENT

直筆サイン入り
特製クリアファイルを
3名様にプレゼント!

プレゼント
下山天監督&橘実里の直筆サイン入り「マッスルヒート」特製クリアファイルを3名様にプレゼントいたします。


囚われた主人公は、闘技場“マッスル・ドーム”で死闘を強いられる
(C)2002「マッスルヒート」製作委員会
マッスルヒート

ケイン・コスギ初主演のアクション。武器は己の肉体のみ!
さわやかな笑顔と、TV「筋肉番付」で万人を驚嘆させた高い身体能力で人気絶頂のケイン・コスギが、長年の夢であったアクション映画の主演を実現させた作品。ケインをはじめ出演者のほとんどがノー・スタントで激しいアクション・シーンに挑んでいる。長期の不景気と政治的荒廃のせいで無政府状態に陥った2009年東京。街には外国人マフィアが跋扈し、絶望した人々は刹那的な享楽を求め、“ブラッド・ヒート”と呼ばれる麻薬に溺れていた。そんな中、公安局の特殊任務に就く桂木(哀川翔)と、相棒で暗い過去を持つ、元米海軍特殊部隊兵ジョー・ジンノ(ケイン・コスギ)、が犯罪シンジケートを追って“ブラッド・ヒート”の取引現場に潜入する。しかし、桂木は捕らわれ、ジョーは単身で敵のアジトに乗り込む。
オフィシャルサイト>>>
http://www.muscleheat.com/

[監]下山天 [出]ケイン・コスギ 橘実里 哀川翔 加藤雅也 渡辺いっけい 竹中直人 (2002年/東宝 92分)
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