生誕200年　ミレー展－愛しきものたちへのまなざし－

それまで絵画の主題とはなりえなかった厳しい農民の労働を見つめ、荘厳な農民画の世界を生み出した画家として知られているミレー(1814-75)の生誕200年を記念する展覧会。ミレーは家族や近しい人たち、大地と自然、そこに根ざして生きる人々や動物たちなど、自らが愛情と共感を寄せたものたちをモチーフとし、温かさと尊厳を備えた作品を描いた。その背景には、フランス初の風景画派の誕生の地となった、バルビゾン村の自然豊かな制作環境や、幼い頃から育まれた自然に対する畏敬、身近な者への慈愛が存在していた。本展は画風を模索する初期の作品から、バルビゾン村移住後の名品まで、国内外の作品約80点によりその制作の跡を追う。