

創業30年になるギンレイだが、’96年から7年かけて内装、シート、音響をリニューアルした。場内はワンスロープ式になっており、どの席からでもスクリーンが見易く設計されている

| 過去の大入り袋ベスト3 |
| ●2004.4.7現在 |
★1位「ウッドストック 愛と平和と音楽の三日間」
1979年4月20日〜5月14日
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★1位「レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ」
1979年4月20日〜5月14日
>> 作品紹介

★2位「エデンの東」
1978年10月31日〜11月13日
>> 作品紹介

★2位「理由なき反抗」
1978年10月31日〜11月13日
>> 作品紹介

★3位「復讐するは我にあり」
1980年4月8日〜4月18日
>> 作品紹介

★3位「太陽を盗んだ男」
1980年4月8日〜4月18日
>> 作品紹介

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ロビーは決して広いとは言えないが、「その分、お客さまの声が聞き易いロビーと考えております」と潮見さん。ロビーの壁には、お客さんからのアイデアで実現した「国境なき医師団」の募金箱が設置してある


事務所には、オープン当初の貴重なポスターや古い映写機が保存されている。「ポスター類は全て保存しているので、1000種類以上になります。いつか、ポスター展などのイベントを企画したいですね」と潮見さん


5月8日〜21日はブラジル映画「私の小さな楽園」を上映。併映は「8人の女たち」のE・ベアール主演「かげろう」。ぜひこの2作の割引クーポンをゲット!
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支配人が語る、飯田橋ギンレイホール

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支配人 潮見洋子さん

埼玉県出身。電通勤務時代はコマーシャルを制作。結婚退職し、しばらくは専業主婦をしていたが、1974年1月3日ギンレイホールの開業にともない入社。79年1月より支配人に就任。96年には業界初となるフリーパス券「ギンレイ・シネパスポート」を発案・実施。会員は5000人を超え、現在会員を対象にしたイベントを検討中
●好きな映画 フォロー・ミー
●好きな監督 ティム・バートン、クリント・イーストウッド
●好きな俳優 ♂イーサン・ホーク ♀ニコール・キッドマン |

「みなさんにおススメできる作品を選りすぐって、2週間ごとに2本立てで上映しています。話題作に加えて、いい作品だけれども地味な印象のために埋もれてしまった作品を添えるなど広がりのある組み合わせを考えています。きっと意外な作品との出会いがあると思いますよ。駅からすぐ近くなので、ぜひ一度ギンレイホールまで足を運んでくださいませ」

バラエティ豊かな2本立て上映は 支配人の目にかなった秀作ばかり

JR&地下鉄飯田橋駅のすぐ近く。雨の日は地下通路を使えば、ほとんど濡れずに済む。時間に余裕があるときは、地下鉄神楽坂駅から石畳の坂道をのんびり散策しながら向かいたい。ペコちゃん焼きで有名な不二家など味な店が並んでいる。天気のいい日は、JR市ヶ谷駅からそよ風を浴びながら外堀通りを歩いていくのも気持ちがいい。飯田橋ギンレイホールは交通のアクセスに恵まれていることもあって、学生、OL、サラリーマンに主婦、オールドファン…と幅広い層から愛されている老舗の名画座だ。 メジャーな作品からミニシアター系まで、ロードショー公開を見逃した秀作が2本1500円(一般)で観賞できるのもウレシイが、ギンレイホールが映画ファンから敬われているのは、2本立て上映の組み合わせの妙が大きい。 日米の新感覚アクション・ムービーをカップリングした「座頭市」(2003)と「キル・ビル」(2003)(2月28日〜3月12日)、辛口ホームドラマ「阿修羅のごとく」(2003)に、底抜けに明るいハートフルな家族劇「ホテル・ハイビスカス」(2002)(3月13日〜26日)を組ませるなど、今年のプログラムを見ただけでも心憎〜い番組を提供しているのだ。 「バラエティに富み、またマニアックに走り過ぎず、私たちと同じ等身大の方たちを相手にした作品を上映するようにしています。これは先代社長の教えなんですが、今も守っていることなんです」。そう語るのは支配人の潮見洋子さん。4階の事務所でおいしい日本茶を淹れながら、上品で優しい口調でギンレイホールの番組編成について語っていただいた。
「上映作品を決めるにあたって、試写で年間200〜250本観るようにしています。ロードショー上映中に映画館に足を運んで、どんな客層が見に来ているのか確認することもありますね。でも興行成績がよかったからという理由だけで作品を決めるようなことは絶対しません。ギンレイに来ていただいたお客さまに、これはちょっと…というような作品を見せるわけにはいきませんから」 試写を観る際も潮見さんは、とっても真摯な態度で臨む。コンディションを整え、上映の30分前には試写室に到着し、人の頭でスクリーンが隠れることのない最前列の席を確保。午後イチの上映は眠くならないよう昼食を摂らないという律儀さである。
では、2本立てのカップリングはどのようにして決めているのだろう? 「言葉で説明するのは難しいわねぇ。ファッション業界の方と同じで、時代性をつかむ勘みたいなものは常に磨くようにしています。基本的にはメーンになる作品に、テイストの似た作品、客層が同じ作品を添えるようにしています。『座頭市』と『キル・ビル』は邦画と洋画ですが、金髪のたけしさんが主演の時代劇に、現代の日本を舞台にしたハリウッド製のチャンバラものを合わせたら、きっと楽しいわねぇと考えたんです。配給会社の方からも『思い付かなかった』と言われました(笑)。 『阿修羅のごとく』と『ホテル・ハイビスカス』は、それぞれ塩とお砂糖みたいな作品。2本見ることで丁度バランスがとれるじゃないと思ったんです」
ちなみに「阿修羅のごとく」で2003年度の日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した森田芳光監督は、監督デビュー前はギンレイホールでアルバイトをしていたそうだ。森田監督は神楽坂の情緒ある雰囲気が好きで、「たまには僕の特集も組んでくださいよ」と今もギンレイに愛着を持ってくれているとのこと。 じゃあ、森田監督作は全て上映している?と思いきや、「意外とやってないんですよ。『阿修羅〜』は久々でした。自信を持って、お客さまにススメられる作品じゃないとね」。穏やかな口ぶりながらも、作品選びにはとってもキビシ〜イ潮見支配人なのだ。
「せっかく上手い組み合わせが出来たと喜んでいたのに、ロードショーで大当りしたために泣く泣く変更しなくちゃいけない場合もあるんです。5月に上映するシリアスな『アドルフの画集』(2003)は、コミカルな『グッバイ、レーニン!』(2004)を相棒にしたかったのですが、『グッバイ〜』がロングラン・ヒットしたため、急遽違う作品を用意しました。いつも仕事に追われていて、組み合わせが決まらないと、胃が痛くなるんですよぉ」
ギンレイでの上映が決まった作品でも、まだロードショー上映中の場合は告知を控える。他の映画館の足を引っぱるような上映も慎む等など、映画業界全体が共存共栄できるよう、色々と気を配っている潮見さんだった。また、自分の予想した観客動員数と客層が、きちんと合っていたかどうか確認することも怠らないそうだ。
 リニューアルの目玉はフリーパス券、 場内のこまめな清掃もモットーです

常に3〜4か月先のプログラムを考えているため、過去を振り返る暇がないという潮見支配人。頼み倒して、ギンレイホールでの30年の歴史をプレイバックしていただきました。 「専業主婦をしていたんですが、子育てがひと段落して映画を見て回っていたところ、先代の社長(鈴木幸長氏)に声を掛けられたんです。清掃とチケットを切ればいいのね、くらいの軽い気持ちでギンレイに勤め始めたんです」
しかし、オープン当初の社員スタッフは鈴木前社長と潮見さんの2人きり。必然的に鈴木氏が外回りを、潮見さんが劇場内の仕事を担当するようになったそうだ。 「5年目くらいでしょうか。『そろそろ、お前も組んでみろ』と言われました。そこで自分なりに考えた2本立てのプログラムを告げると、『お、いい組み合わせだね』と誉めてくださった。でも、いいかどうかはお客さんが入ってこそ。『2本ともチャップリンだと、客層が狭くなるだろう』なんて、上映が始まって空いた客席を差しながら指摘するんです。先代は厳しい方でしたが、本当にいろいろ教わりました」
96年にその鈴木社長が急逝。一時は閉鎖も考えた支配人だが、映画をこよなく愛する加藤忠氏が社長業を引き受けることになり、ギンレイの続行を決意。加藤氏と話し合い、もう一度お客さんに集まってもらうための改革を進める。 そのひとつが、年間フリーパス券である「ギンレイ・シネパスポート」の発行(下記参照)。 「もうひとつは、お客さまに快適に映画を鑑賞してもらうために劇場内を改装すること。古いビルなのでレトロっぽい雰囲気はそのままに、ゆったりしたシート、最新のドルビー式音響に変えました。それから、真っ先に変えたのはトイレなんです。今でも休憩の度に場内とトイレは必ず清掃しているんですよ」
「名画座なんて儲からないわよぉ」と苦笑する潮見支配人だが、組み合わせが上手くハマり劇場を出ていくお客さんの顔が満足げだと堪らなくウレシイと語る。 「人の人生は一度きりですが、映画を見ることでまるっきり違う人の人生を経験することが出来るわけです。映画って素晴しいもの。ぜひ一度、劇場に足を運んでみてください」
 今後のおすすめ作品

映画LOVEに満ちた潮見支配人による今後の厳選ラインナップは、ほのぼの系ドキュメンタリー「ぼくの好きな先生」(2002)とNYに移住したアイルランド人家族のドラマ「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」(2003)が4月24日〜5月7日。フランスの人気女優エマニュエル・ベアール主演「かげろう」(2003)とカンヌほか世界の映画祭で各賞をかっさらった「私の小さな楽園」(2000)が5月8日〜21日。 「『私の小さな楽園』は日本では珍しいブラジル映画。1人の女性と3人の男性が同じ屋根の下で暮らすという、ちょっと変わったドラマです。日本じゃ考えられないけど、これって実話なんですよ。ブラジル特有の美しい映像と音楽も注目です」(潮見支配人) その後も、せつない邦画ラブ・ストーリー2本立て「ジョゼと虎と魚たち」(2003)と「解夏」(2003)が5月22日〜6月4日。若き日のヒトラーを描いた「アドルフの画集」(2002)とジム・ジャームッシュら世界の名監督7人が競作した「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」(2002)が6月5日〜18日。国際色豊かなプログラムが用意されているのだ。
(取材・文/長野辰次)
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