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2006.7.29(土)更新
【取材レポート】
全国に先駆け東海地区から花開く!?
主演の浅丘ルリ子も大絶賛の「早咲きの花」が公開
【取材レポート】全国に先駆け東海地区から花開く!?主演の浅丘ルリ子も大絶賛の「早咲きの花」が公開
「現代の子どもたちは、モノが溢れすぎて、子ども同士の心のふれあいだったり、人とのふれあいが希薄な気がしています。ぜひ、この映画をそういう子どもたちや若いお母さんに観てもらいたいですね」と映画をアピールする浅丘ルリ子
【取材レポート】全国に先駆け東海地区から花開く!?主演の浅丘ルリ子も大絶賛の「早咲きの花」が公開
ピンホール・カメラを壊したことをきっかけに、三奈子(浅丘ルリ子)から幼少期の思い出話を聞くことになる高校生を演じたのは、北条隆博(行彦役)&加藤未央(小枝子役)。劇中の役柄同様、浅丘ルリ子から大いに刺激を受けたと明かす。「腹から声を出す指導を実際にしてもらいました」(北条)。「浅丘さんは、役としてのお芝居だけでなく、カメラ映りや映像になった時のことまで考えてお芝居をされているのでとても勉強になりました」(加藤)
【取材レポート】全国に先駆け東海地区から花開く!?主演の浅丘ルリ子も大絶賛の「早咲きの花」が公開
初日舞台挨拶に登壇した5人。写真左から菅原浩志監督、鈴木駿、加藤未央、宗田理(原作者)、北条隆博。5人が手にしている来場者プレゼントの鉢植えの花は、本作で描かれる豊川海軍工厰の犠牲者と同じ3000個を用意。平和への願いを込め菅原監督らが種から大切に育てたんだそう
【取材レポート】全国に先駆け東海地区から花開く!?主演の浅丘ルリ子も大絶賛の「早咲きの花」が公開
三奈子のお兄ちゃん・真次役を好演した鈴木駿は、「国民学校の生徒の集合写真から、生徒がひとりずつ消えて行くシーンがあるのですが、自分の中ではそこが一番印象に残っています」と話していた
【取材レポート】全国に先駆け東海地区から花開く!?主演の浅丘ルリ子も大絶賛の「早咲きの花」が公開
「お兄ちゃんが通っていた小学校のシーンも、実際の小学校(現在は資料館)で撮影したのですが、木造ですから全部木で出来ていて、長い廊下があって、土の校庭なんですよね。あの時代はみんな裸足ですから、健康的だったと思うわ」とは浅丘談
【STAFF&CAST】
監督・脚本:菅原浩志 原作:宗田理 製作総指揮:黒井和男 出演:浅丘ルリ子 笠菜月 鈴木駿 北条隆博 加藤未央 徳山秀典 喜多郎 いしのようこ(2006/シネボイス)105分
■7月29日(土)より、シルバー劇場ほかにて東海地区先行公開
>> 公式サイト
>> 「早咲きの花」公式サイト
>> 「早咲きの花」作品紹介
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「子どもたちの表情がとても素敵で
抱きしめたい気持ちになりました」
(浅丘ルリ子)


 「ぼくらの七日間戦争」(’88)、「ほたるの星」(2004)の菅原浩志監督が、原作者である宗田理と再びコンビを組んで撮りあげた「早咲きの花」が、7月29日より東海地区で先行公開され好スタートを切っている。豊橋市とその近郊でオールロケ撮影された本作は、現在と戦時中の過去を交錯させながら、失明を宣告された写真家の心の旅を描いた感動作。そこで本作で主演した浅丘ルリ子と、初日舞台挨拶に駆けつけた菅原浩志監督宗田理鈴木駿北条隆博加藤未央に、撮影中のエピソードや見どころなどを語ってもらった。

 医師から失明を宣告されたピンホール・カメラマンの三奈子(浅丘ルリ子)。その目に思い出の地の風景を焼きつけるため帰郷した彼女は、ひょんなことからふたりの高校生(北条隆博&加藤未央)と出会い、語り始める。それは、貧しいながらもキラキラと輝いていた兄(鈴木駿)との思い出。そして空襲によってたくさんの幼い命が失われたあの日のことを。

「昭和18年、19年という時代を生きていた子どもたちの姿を、ぜひ観たいと思い、出演させていただきました。完成した映画は2回観たのですが、感激しました。炎天下で、子どもたちがスイカ盗りのシーンや、いろんなことに挑戦して、大変だったということは監督から聞いていましたので、観ている最中から、愛しく思えて。早く子どもたちを抱きしめてあげたい気持ちになりました。逆立ちしたって、素人の子どもたちにはかないません!」
と主演した浅丘ルリ子は、本作への思いを熱く語ってくれた。

 浅丘自身、直接戦争を体験したわけではないが、自分も似た経験があるんだとか。
「終戦後に、それまで暮らしていたタイのバンコクから日本に引き上げてきたのですが、月とスッポンのようなどん底の生活を味わいました。『どこに白米があるの?』というような麦だらけの真っ黒なご飯を、お弁当のフタで隠しながら食べてましたから、劇中に登場する子どもたちの気持ちは痛いほど分かりました。当時は、お弁当を持っていけるだけでも良くて、持っていない子もずいぶんいましたから。本当に、食べ物も、着る物もない時代で、雨が降ると、傘が1本しかないから、肩を寄せ合いながら順番に駅まで行くという生活を送っていました。
 私が住んでいた祖母の家の前には小さな小川が流れていて、綺麗な川もあって、あぜ道を行くと山があって、グミを取りにいったり、畑でとれた大きなカボチャを近所の方からいただいたりして、自然とふれあいながら生きていました。だから、現代の子どもたちよりもたくましかったし、心の交流が綺麗でしたね」
「撮影中に受けた衝撃は忘れられません」
(加藤未央)


 宗田理の3冊の原作小説をもとに映画化した菅原浩志監督は、映画に込めた思いをこう語る。
「映画の原点になっているのは、豊川海軍工厰への空襲で亡くなった学徒動員の子どもたちです。わずか25分の間に3000名の尊い命が失われたのですが、この数は9.11米同時多発テロ事件で亡くなった方と同じなのです。現在、こういうことが起きれば世界中が震撼するんでしょうが、61年前の日本では軍事報道規制があり、ほとんど報道されませんでした。この映画を通して、恵まれた環境であることを知っていただき、未来ある若い人たちに、命を大切にして、立派な花を咲かせて欲しいとの願いを込めました」

 本作で三奈子の回想シーンに登場するのお兄ちゃん・真次役を元気いっぱいに演じたのは鈴木駿
「同じ年代の子たちとの撮影だったので、いっぱい友達ができて楽しかったです。スイカ畑でスイカ泥棒をしたりと、普段の生活では体験できないことがたくさん体験できたのが楽しかったです」
 無人島の宝探しや、子ども同士の決闘など、スクリーンいっぱいに駆けまわっていた彼。撮影時には丸坊主だった髪も伸び、この映画の撮影を通して、たくましくなったことを感じさせた。

 一方、現代を生きる高校生・行彦役に扮した北条隆博は、その体当たり演技を告白。
「僕の演じた行彦は、最初は全然やる気のない高校生なんですけど。三奈子の話を聞いて刺激を受けるという役どころです。ぜひ若い人に映画を観てもらい、行彦のように刺激を受け、何かにチャレンジしてもらえればなあと思っています。クライマックスの手筒花火をあげるシーンでは、監督にいいシーンを撮って欲しくて3本あげました。手筒花火をあげた男は1人前になるというならわしがあるそうなので、これで3人前の男になれたかなと(笑)。やってる最中は普通の顔して小枝子(加藤未央)を見ていますが、内心は熱くて大変で。鉄の粉で焼き切れた髪の毛が、シャワーを浴びていたらごっそり抜けたのには驚きましたけど、完成した映画を観たらやったかいがあったなあと思いました」

 同じく高校生・小枝子役を好演した加藤未央は、
「豊川海軍工厰を訪れるシーンは、実際に空襲されたのと同じ日に撮影したのですが、涙が止まらなくて。爆弾が当たった痕とか、弾が突き抜けた痕とかも、そのまま残っているんです。それを目の当たりにしたら、亡くなった子どもたちは、どんな思いで亡くなっていったんだろう。『お父さん!』『お母さん!』と叫びながら、友達を探し回って死んでいったのかなと想像すると、胸がいっぱいになってしまって・・・。この時受けた衝撃は忘れられません」
と、その心境を打ち明けてくれた。そういえば、浅丘ルリ子もインタビュー中、「涙が止まらなくて芝居にならなかった」と話していたっけ。
「ものすごく貧しい時代だったけど
元気だった子どもたちの姿を見て欲しい」
(宗田理)


 そうした、役者たちが感じたリアルな感情が見事に焼きつけられた人間ドラマは、見ごたえたっぷり。最後は、原作者の宗田理の言葉で締めくくりたい。
「当時の子どもたちは、ものすごく貧しい暮らしをしながらも、なぜか、みんな元気だった。それをこの映画で感じてもらえたら、嬉しいですね」

(取材・文/ライター 大西愛)
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