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| 沖縄・北谷での舞台挨拶。会場は若い女性ファンの声援が響き渡る。客席には実際にエキストラとして出演・協力した人も多いようで、この後の試写会を楽しみにしている様子だった。少し緊張気味?の松山ケンイチをひょうきんな前田哲監督が解きほぐす。「撮影中はアグーとか美味しいものを食べさせてもらいました」というと、監督が「僕らそんな余裕なかったなぁ」と悔しそう |
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| 記者からの質問に、慎重に考えながら丁寧に一つひとつ答える姿勢に大好感! 撮影の合間、糸満のひめゆりの塔に行ったことで、“まず事実を知らせること”という、戦争への思いを自分の言葉で語ってくれたのも印象的だった。真剣な表情の中にも、監督には冗談を言う茶目っ気もあり、彼の魅力の奥深さを感じさせる会見だった |
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| 7月7日(土)から本作が上映される北谷のシネコン「MIHAMA7PLEX」では、映画で実際に使われた、美ら海水族館のイルカ、フジのための人工尾びれが展示されている |
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| 獣医としてイルカの尾びれを人工のものにすること自体、イルカが本当に望んでいることなのかどうか、そこから飼育員たちは悩む。「データに頼るのではなく、イルカのことを本当に知らなければ治療はできない」という内田館長の哲学が、水族館のスタッフにつらぬかれている。それがもうひとつの映画のテーマでもあるのだ |
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【松山ケンイチ プロフィール】 1985年青森県生まれ。2001年、ホリプロ×Boon×PARCOの共同企画「New Style Audition」でグランプリ受賞、モデルとしてデビュー。黒沢清監督作「アカルイミライ」(2002)で映画デビューし、数々の映画に出演。「男たちの大和 YAMATO」(2005)で第30回日本アカデミー賞新人賞を、2006年、「DEATH NOTE 前・後編」で同優秀助演男優賞を受賞。2007年は本作のほか、「蒼き狼 地果て海尽きるまで」、「神童」に相次いで出演。また、テレビ・ドラマでも「セクシーボイスアンドロボ」(日本テレビ)で連続ドラマ初主演を飾る。映画では、この後、森田芳光監督作「椿三十郎」、井口奈己監督作「人のセックスを笑うな」、中田秀夫監督作「スピンオフL」 などが待機中
【STAFF&CAST】 監督・脚本:前田哲 原案:岩貞るみこ 歌:みつき 出演:松山ケンイチ 高畑充希 西山茉希 山崎努 永作博美 池内博之 坂井真紀 利重剛 田中哲司 上間宗男(2007松竹)103分

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予告編[ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ]
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松山ケンイチ インタビュー(3分08秒) [ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ]
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舞台挨拶(3分26秒) [ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ]
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「心を閉ざしていた自分… それを笑顔にしてくれたのがフジなんです」 (松山ケンイチ)

沖縄を訪れた観光客のほとんどが足を運ぶ、世界最大級の「美ら海水族館」。しかし、この水族館の魅力が、ただ巨大な水槽で魚を見せるだけではないことを、実話である人間とイルカの交流を描いた「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ」を観るとひしひしと伝わってくるのだ。海の生き物たちに対して誠実であろうという姿勢。自然というものへの人間の接し方…。スタッフ全員のそういった哲学がこの水族館にはある。そして、世界初、イルカ、フジの人工尾びれの開発にかかわった人たちの試行錯誤を映画は感動的に描いている。人工尾びれという、突拍子もないアイデアを考える、ユニークな実在の獣医の役を人気俳優、松山ケンイチが好演。7月7日(土)の公開直前に舞台挨拶のために来沖。ときおり掛け合い漫才のようになる、息もピッタリの松山ケンイチと、前田哲監督に話を聞いた。
「動物にも触ったことがなく、もちろんイルカに対して特に興味があるわけではなかった」という松山ケンイチは、イルカの獣医という難しい役を演じることに不安はなかったのだろうか?
「最初は怖かったんですよ。でも、当然のことで、それは自分が心を閉ざしてたからだと思うんです。興味がなかったというのもあるし。でも、これだけは役を演じていくうちに自分の心の中で受け止めて行くしかないと思うんです。例えば、現地で、今、自分にとって演じるうえで考えなきゃならない存在はあのフジだと思ったり。でも、今回の映画は、撮影中にストレスがたまってくるとそれをイルカたちが癒してくれたんですね。ただいっしょにいられるだけなんですが、そういうイルカたちがいなかったらこの作品はうまくいかなかったかもしれないですね」
イルカたちの癒しがなかったら、自分の心を開けなかったと語る松山。しかし、具体的に何かをしてもらった、という事ではないという。
「何かを、というんじゃないんです。イルカがそばに寄って来てくれたら嬉しいですが、ただ餌が欲しいだけかもしれない。イルカを見た人間が、どう判断するか、じゃないですか。ところが、いつの間にかイルカたちを見てて、ただ笑顔になってしまう自分がいたんですよね。それだけなんですよ。一番必要だったのはこの瞬間だったんだってわかった…。フジもただそこにいてくれたというだけなんです」 撮影が進んでも、自分自身が役にシンクロできているかどうかはよくわからなかったという。しかし、美ら海水族館の館長役を迫力ある存在感で演じた、山崎努の「だんだん一也(獣医、植村一也の役名)らしくなってきたな」というそのひと言で、自分がイルカの獣医という役に近づいているな、と気付いたそうだ。
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「俳優は何もしないことが一番難しい 松山ケンイチは“やなわらばぁ”!」(前田監督)

前田監督は、松山ケンイチという役者に以前からとてもほれ込んでいたという。役を演じる事に対してこれほど真面目な役者はなかなかいない。この映画ではそんな松山ケンイチ自身の素顔の部分を出したかったそうだ。役を無理矢理引き寄せるのではなく、彼の持っている素質を出したくて台本を作っていった。
松山「自分自身の素顔をって言われると、逆に難しいと思うんですけどね。僕は世の中で一番わからないのは自分だと思ってますし“何もしない”ことが役作りだっていうことは、あるとは思うんですが、僕には今はできないし…」
前田「何もしない、ということが俳優さんにとっては一番難しいことなんです。みんな何かしたがってごまかそうとする。でもケンイチくんには、ある時点からそれがなくなってました。イルカとの接し方も変わって行った。これはうまくいくって思いましたね。ケンイチくんって、とにかく“ピュア”! “やなわらばぁ”(沖縄言葉で無邪気な子ども)なんですよ(笑)」
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「全身全霊で打ち込むケンイチくんは 抱きしめたくなりますよ(笑)」(前田監督)

前田監督とは「映画監督を哲ちゃんっていう愛称で呼んでるんです。こんなのは初めてですよ」というほど仲良くなった松山ケンイチ。ふたりの信頼関係もすっかり深まっている。 「リハーサルからセーブすることなど一切なく、全身全霊で役に入り込む。役そのものに入っちゃうんですよ。その姿勢はホントに素敵ですね。そんなケンイチくんを見ると、もうね、抱きしめたくなってね(笑)」と、みんなを笑わせる前田監督に、「僕はそこまで好きじゃないですけどね(笑)」と冷静に突っ込む松山ケンイチに場内は爆笑だった。
盛況といわれる日本映画界に、若手と言われる俳優が次々と登場するなか、アタマひとつ先を行く実力派俳優が松山ケンイチではないだろうか。彼独特の“ピュア”な表情と、イルカたちの、これまた“ピュア”な名演技にぜひ注目して欲しい映画だ。
(取材・文/ライター&イラストレーター 温泉太郎) |
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