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12.22(木)更新
【取材レポート】三谷幸喜監督最新作「THE 有頂天ホテル」
23人の豪華出演者の1人、戸田恵子と共に爆笑インタビュー
【取材レポート】三谷幸喜監督最新作「THE 有頂天ホテル」23人の豪華出演者の1人、戸田恵子と共に爆笑インタビュー
「時間かけて映画作ったのに、西田敏行さんのアドリブが一番笑いをとってるってどうなんだろう」と、観客が必ず笑うという笑い所を振り返り、ひとり悔しがっていた三谷幸喜監督。
【取材レポート】三谷幸喜監督最新作「THE 有頂天ホテル」23人の豪華出演者の1人、戸田恵子と共に爆笑インタビュー
いつもは変わったキャラクターを演じることが多い戸田恵子だが、本作では一番まともな役、ホテルのアシスタントマネージャーを演じた。「監督から、今回はきちんとして下さいと言われていたけど、時々、『鼻から牛乳出せるようにしてくださいね』ってさらっとおっしゃいますから(笑)。でも私はそういうことでも何でも言われたことはやりたいんですよね(笑)。」
【取材レポート】三谷幸喜監督最新作「THE 有頂天ホテル」23人の豪華出演者の1人、戸田恵子と共に爆笑インタビュー
「実はホテルに泊まるのは好きじゃないんです。でもシャンデリアが下がった宴会場の壁を隔てた向こう側には、コンクリートで固めた従業員通路を走り回っている人がいる。その裏と表、虚と実が同時に存在しているホテルにはドラマを感じますね」と三谷監督。写真は、頼れるホテルの副支配人を演じた役所広司。
【取材レポート】三谷幸喜監督最新作「THE 有頂天ホテル」23人の豪華出演者の1人、戸田恵子と共に爆笑インタビュー
客室係に扮した松たかこ(左)。偶然にこのホテルに滞在している悪徳政治家の元愛人でもあるという役どころ。
【取材レポート】三谷幸喜監督最新作「THE 有頂天ホテル」23人の豪華出演者の1人、戸田恵子と共に爆笑インタビュー
悪徳政治家に扮した佐藤浩市(右)と、ホテルの客を狙うコールガールを演じた篠原涼子(左)。

(C)2006 フジテレビ 東宝
【三谷幸喜 プロフィール】
1961年、東京都生まれ。日本大学芸術学部演劇学科在学中の1983年に劇団「東京サンシャインボーイズ」を結成し、舞台演出家としてスタートを切る。お茶の間では、テレビドラマ「振り返れば奴がいる」、「古畑任三郎」シリーズの脚本家として人気。主な映画作品に、「12人の優しい日本人」('91/原作・脚本)、「ラヂオの時間」('97/原作・脚本・監督)、「みんなのいえ」(2001/脚本・監督)、「竜馬の妻とその夫と愛人」(2002/原作・脚本)、「笑の大学」(2004/原作・脚本)がある。
【戸田恵子 プロフィール】
1957年、愛知県生まれ。1977年に入団した劇団「劇団薔薇座」で看板女優として舞台で活躍。1979年には声優デビューを果たし、「それいけ! アンパンマン」のアンパンマン、「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎の声優を務め人気に。1994年「毎日が夏休み」(金子修介監督)に映画出演後、「ラヂオの時間」('97/三谷幸喜監督)、「みんなのいえ」(2001/三谷幸喜監督)と、三谷作品の常連に。多方面で才能を発揮する演技派女優。


STAFF&CAST
監督・脚本:三谷幸喜 出演:役所広司 松たかこ 佐藤浩市 香取慎吾 篠原涼子 戸田恵子 生瀬勝久 麻生久美子 YUO オダギリジョー 角野卓造 寺島進 浅野和之 近藤芳正 川平慈英 堀内敬子 梶原善 石井正則 原田美枝子 唐沢寿明 津川雅彦 伊藤四郎 西田敏行(2006/東宝)136分
>> 公式サイト
>> 「THE 有頂天ホテル」完成披露会見
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「映画と舞台の作り方の中間点にあるものが
ワンシーンワンカットの長回しだった」(三谷監督)


 脚本家、舞台演出家としても人気の三谷幸喜監督最新作「THE 有頂天ホテル」が、1月14日(土)よりいよいよ公開となる。「ラヂオの時間」(’97)、「みんなのいえ」(2001)と、絶妙なコメディセンスでスクリーンでも才能を見せた三谷監督が、今回舞台に選んだのはホテル。大晦日に行われるカウントダウンパーティーの準備に大忙しの従業員とお客たちが織り成す様々なエピソードが絡み合い、クライマックスのパーティーで感動を呼ぶ極上のエンタテインメントだ。クリスマス間近、名古屋の某ホテルに三谷監督と戸田恵子が姿を見せた。

 「これは奇跡」と三谷監督自身驚いている総勢23人の豪華キャストも話題だ。
「僕はまず、イメージキャストを決め、それをプロデューサーに伝え、とりあえずみなさんの返事待ち。本を読んでから決めたいという返事を聞いてから脚本を書き始めます。役所広司さんがこの役やったらどうだろう。で、役所さんが読んでこれならやってみたいと思う本を書くという作業をしたわけです。佐藤浩市さんが読んで、これちょっと出来ないなって断られるほど悲しいものはないですから(笑)。やっぱり俳優を口説き落とす一番の方法は良い本を書くことだと思うので、本当に頑張って書きました。とはいえ、100パーセント希望が叶うわけではないんですが、今回はラッキーなことに全員OKをして下さった。これは本当に奇跡に近いことだと思うんですよ」

 彼らの他に、松たかこ、香取慎吾、篠原涼子、YOU、オダギリジョー、唐沢寿明、津川雅彦、西田敏行らが出演する。多様な面々を起用し監督が目指したものとは。
「今回はワンシーンワンカットの長回しでほとんどのシーンを撮ったんです。映画を2本撮って分かったのは、僕は映像派の人間ではない。『CASSHERN』とか観ると、とてもこれは僕には作れない(笑)。じゃ、自分が何で勝負すればいいのかって考えると、やっぱり舞台を20年やってますから、そこで培った俳優さんの動かし方とか、立ち位置の整理の仕方みたいなものを映画の世界に持ってくる。そのまま舞台を映画化すると面白くないから、映画の作り方と舞台の作り方の中間点にあるもの、それがワンシーンワンカットの長回しだった。もしかしたら僕の最も得意とするものだし、僕以上に上手く撮れる人はいないんじゃないかって思いがしたもんですから、それを今やってみたいと」
 ワンシーンワンカットの長回し。これは監督の挑戦でもあり、出演する役者にとってもハードルの高い現場だったはず。この顔ぶれを思い出し映画を振り返ってみると、三谷監督と彼らにしか出来なかった偉業ともいえる。
「三谷作品の特徴といえば、
役者全員が生き生きしているということ」(戸田)


 戸田恵子は、前2作とミュージカル「オケピ!」(2000・2003)などにも多数出演する三谷作品の常連。彼の現場を知り尽くす彼女に、作品の魅力、監督の人間的魅力を聞いた。
「私は本を読む読まない以前に、唯一引き受ける役者だと思いますけども(笑)。映画撮るよって言った段階で、私はもう出たいんです。それぐらいに信頼と尊敬の念を抱いております。三谷さんの作品の特徴は、出ている役者全員が生き生きしていること、キャラクターみんなが愛しく描かれていることですね。・・・あと質問は何でしたっけ?」

 「人間的魅力。(三谷監督)」(会場爆笑!)

 「あ、それは凄く難しい質問なんですけど、ご本人は、ご自分でネガティブだっておっしゃいますけど、ネガティブなんです(笑)。 非常にシャイな方で、細かいというよりは細やか。特に今回はたくさんの人たちが出ている現場で、指示の出し方とかアドバイスも、それぞれの方に合った言い方でおっしゃる。細やかに気をお使いになる所が人間的魅力でしょうかね。現場ではみなさんが想像している以上にパワフルで、行動力がある人なんですよ」

 その言葉を受けた三谷監督は、
「人に嫌われたくないという思いがすべてのモチベーション」と、またまた会場を笑わせた。
「僕は冒険をしない人間。
出来ないことは絶対やらない」(三谷監督)


 2時間、3時間押し、さらには翌朝にまで及ぶこともざらという映画の撮影現場。しかし三谷作品の現場は、“5時間巻き”なんてこともあるという。
「映画を作る上で、上手くいった点はたくさんあるけども、苦労はしないんですよ、僕。頭の中にあるものを文字に起こすのは面倒くさいだけであって、苦労ではないし。実際現場に入ってからも、僕は冒険をしない人間ですから、自分に出来ることを100パーセント良い形でやるという風にいつも心がけてますので、出来ないことは絶対やらない」
 そんな三谷監督の柔らかなストイックさも魅力だ。

 最後に監督は、自信たっぷりにこんなメッセージをくれた。
「廊下に灰皿が転がっているシーン以外は、どのシーンにも登場人物がいて台詞があり、ドラマがある。たぶん息つく暇なく観ちゃうと思うんですよ。こういう映画って日本映画にはなかったと思うので、日本映画を観ない方に、こういう邦画もあるんだということをお伝えしたいし、洋画の好きな方もいらっしゃると思うけど、そういう方にこそ観てほしい邦画だと思います」

 観て笑って幸せになる三谷作品。舞台と映画を経験した三谷監督だからこそ誕生した豪華な2時間を堪能してほしい。

(取材・文/MovieWalker編集部:山川良子)