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2004.2.6(金)更新
【合同インタビュー】役所広司、柄本明の競演が話題の「油断大敵」で
監督デビューを果たした成島出監督
【合同インタビュー】役所広司、柄本明の競演が話題の「油断大敵」で監督デビューを果たした成島出監督
「僕は、わがままなんで、脚本家と監督と、両方バランス良くやっていきたい」と語る成島監督。
【合同インタビュー】役所広司、柄本明の競演が話題の「油断大敵」で監督デビューを果たした成島出監督
「野球選手で例えるなら、演劇界のイチローと松井」と監督が評する、役所広司(左)と柄本明(右)
【合同インタビュー】役所広司、柄本明の競演が話題の「油断大敵」で監督デビューを果たした成島出監督
「自分では絶対考えつかないことが今回は武器になると思いました」と語る監督は、本作の脚本を2人の脚本家と共に仕上げた。このビール瓶をボーボー吹くシーンは自分以外の脚本家のアイデアだとか。
STAFF&CAST
監督:成島出 原作:飯塚訓 脚本:小松與志子 真辺克彦 出演:役所広司 柄本明 夏川結衣 菅野莉央 淡路恵子
(2003/ゼアリズ=ケングルーヴ)128分

【プロフィール】
1961年、山梨県出身。85年監督作「みどり女」(8mm)でぴあフィルムフェスティバル86に入選し、その時審査員をしていた長谷川和彦に師事する。その後「ザ・中学教師」('92/平山秀幸監督)、「お引越し」('93/相米慎二監督)、「空がこんなに青いわけがない」('93/柄本明監督)に助監督として参加。また、役所広司主演の「大阪極道戦争 しのいだれ」('94/細野辰興監督)で脚本家デビューを果たし、「シャブ極道」('96/細野辰興監督)、「恋極道」('97/望月六郎)、「少女 an adolescent」(2001/奥田瑛二監督)、「笑う蛙」(2002/平山秀幸監督)、「T.R.Y.」('03/大森一樹)、「新・仁義なき戦い 謀殺」(2003/橋本一監督)などの脚本家として活躍。本作が念願の劇場用映画監督デビュー作となる。

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「国家権力の側にいる刑事がコソ泥に教えを乞うて名刑事になったって話でしょ?そんな映画はこれまでにないですよ」

日本が誇る二大演技派俳優・役所広司と柄本明。
そのふたりががっぷり四つに組んだ芝居が堪能できる、この上ない贅沢な映画が誕生した。それは、元群馬県警警察官である飯塚訓が書いたノンフィクション短編集「捕まえるヤツ 逃げるヤツ」(文庫版タイトル『油断大敵 刑事部屋事件簿』)に書かれている、実在の刑事たちをモデルにした映画「油断大敵」だ。本作で監督デビューを飾る成島出監督に話を聞いた。

これまでにも、数々の作品で助監督や脚本を手掛けるなど映画づくりに深く関わってきた成島監督が、監督デビュー作としてこの作品を選んだ理由はなんだったのだろうか。
「国家権力の側にいる刑事がコソ泥に教えを乞うて名刑事になったって話でしょ?そんな映画はこれまでにないですよ。人生を変えてしまうような出会いは、10代、20代が圧倒的に多い中、30歳を越えて40歳になろうかというオヤジが、そんな出会いをしてしまうところが映画的でおもしろい」

男手ひとつで娘を育てる新米刑事が、凄腕とささやかれる伝説の泥棒を捕まえるところからこの物語は始まる。刑事らしくない実直な新米刑事に惹かれた泥棒は、「捕まえるヤツがとろいんじゃ、逃げるヤツも面白くねぇ」と、新米刑事に泥棒のノウハウを教え込み、刑事の仕事が好きな新米刑事も、着実に一流の泥棒刑事へと成長していく。
「役所さんと柄本さんはお互いを高め合える関係なんです」

監督デビュー作であるにも関わらず、役所×柄本の共演が実現したのは、監督がこれまでの仕事で培ってきた人間関係の賜物だろう。監督は、役所広司主演の「大阪極道戦争 しのいだれ」(’94)の脚本を手掛け、柄本明の初監督作「空がこんなに青いわけがない」(’93)の助監督も務めている。
ふたりをよく知る監督は、
「芝居って相性があって、どんなに名優同士がぶつかってもダメな場合があるが、役所さんと柄本さんはお互いを高め合える関係なんです」と語った。

そんな彼らの相性の良さを目の当たりにした出来事があったという。
「クライマックスの取調室のシーンで、役所さん扮する刑事が、約10分もの間、柄本さん演じる泥棒を前に独白をするシーンがあるんですが、カメラのないリハーサルの段階で、台本も持たず、一字一句間違えず、方言も完璧で最後まで一気におっしゃって、『俺は泣かねぇぞ』って言っていた柄本さんの顔がキュ〜っと赤くなっていったんです。ふたりの科学反応というか、演出ではなしえないことがおこったんです」

実話をもとにしたストーリーと、名優2人の共演を以ってして監督が作りたかった映画とは、正統派の日本映画だったよう。
「日本映画を撮っている者として、ハリウッド映画に目が向いているお客さんを取り戻したいんです。例えば、海外旅行も良いけれど、たまには和風旅館に来てごらんなさいと。海外旅行のお客さんを取り戻すには、和風の温泉旅館しかないんです」

監督の言葉通り、一見地味な作品ではあるが、刑事と泥棒のコミカルなドタバタ劇、彼らの間に生まれた奇妙な友情、そして父と娘の親子愛を映し出し、笑って泣いて、元気になれる娯楽映画に仕上がっている。本作は、全国で順次公開!

(取材・文/編集部 山川良子)



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