「ブラックジャックによろしく」で人気を博した 佐藤秀峰の同名コミックを 羽住英一郎監督が映画化

人命救助のエキスパートである潜水士を目指す、若き海上保安官たちの友情と恋愛を活写した青春ドラマ「海猿 ウミザル」。本作の記者会見のため、主演の伊藤英明、ヒロインを演じた加藤あい、羽住英一郎監督、臼井裕詞プロデューサーの4人が名古屋を訪れた。 |
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「生け簀の中で仲間と競い合うシーンが 一番辛かったです」(伊藤)

もともと原作のファンだったという伊藤英明は、実際にマスターダイバーのライセンスを持つ腕を活かし、ハードな訓練もものともしない正義感あふれる海上保安官の役に挑んだ。スタントマンをほとんど使わず、潜水シーンも自分でこなすほどの腕前を見せた伊藤だが、撮影は想像以上に過酷を極めたという。「特に辛かったのは、料亭の大きな生け簀の中に全身つかって、仲間と2人でどちらが長く息がもつかを競い合うシーン。約1ヵ月間のウエイトトレーニングをして、普段より体脂肪率が低い頃だったので、魚を保護するために氷水くらいの温度で設定された生け簀の中での撮影は冷たさが身にしみて本当にきつかった。さらに、生け簀の中にいる海老が僕のトランクスの隙間から入ってくる場面は、僕の大事な部分が海老のウロコで傷つけられそうだったので、本当に怖かったです(笑)」。
また、伊藤は本作に出演したことによって、「安心して海に潜れたりするのは海上保安官の方たちのおかげだなっていうことを凄く感じた。大げさかもしれないけど、この映画を通じて人生観が変わりましたね」と話した。 |
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「出演者の人が頑張ってる姿を見て、 カッコイイなと思いました」(加藤)

「自分が出演した作品を観る時はいつも反省点ばっかり見つけちゃうんですけど、今回は作品を観て、『私、頑張って良かったな』って素直に思いました」と話す加藤あい。彼女は、「新宿少年探偵団」(‘98)から6年ぶりの映画出演となるが、仕事に悩みを抱え、主人公に惹かれていくヒロインを見事に演じきった。 「自分が落ち込んでいる時に、目標に向かって頑張ってる人に惹かれていくという気持ちは凄く理解しやすかったです」。共演者の印象を尋ねると、「出演者の人たちが撮影のために訓練している姿を見て本当にカッコイイと思いました」と愛くるしい笑顔で話してくれた。 |
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「撮影前から、現場の雰囲気作りに 力を入れました」(羽住監督)

「踊る大捜査線 THE MOVIE」(‘98)や「スペーストラベラーズ」(2000)で助監督を務め、テレビドラマでも演出を手掛けてきた羽住英一郎監督が、本作で映画の初メガホンをとった。それだけに、こだわりもひとしお。 「映画ってドラマと違ってもの凄く現場の雰囲気が伝わると思うんです。だから、撮影前の現場の雰囲気作りのために、出演者たちに合宿生活をしてもらったり、役名で呼び合ってもらったりしました。過酷な訓練のシーンも、それを演じてもらうというよりは、実際にその訓練と同じメニューをこなしてもらい、苦しくなった頃にやっとフィルムをまわすなど、リアルさを追求しました」。
さらに監督は、キャスティングにもこだわった。 「体を鍛えるのは出演が決まってからしてもらえばいいと思っていたので、泳ぎの得意不得意関係なく、その人が持ってるキャラクターを活かす事を考えてキャスティングをしていきました。だから、伊藤さんがマスターダイバーのライセンスを持っていた事も、伊藤淳史君がカナヅチだっていうことも後で知ったんです。彼は全く泳げなかったので、みんなとスタートラインが違い、息つぎから練習してましたから、そういう意味ではかなり頑張りましたね」。
圧巻は、海底のシーン。深海独特の水面の微妙な薄暗さが、海で起こる事故の恐怖を伝えているかのようにも見える。「実際に出演者たちが海底に潜って撮影をすることは困難なため、深さ5メートル、長さ25メートルのプールの底にビニールを引いたセットで撮影行いました。カメラマンは出演者よりも長時間潜ってなくちゃいけないし、ちょっとしたビニールのめくれぐあいで光の射し具合が変わっちゃうので、大変でしたよ」と監督。海上のシーンも、海上保安庁の全面バックアップが実現し、巡視船やヘリコプターの出動などの協力もあって、映像はさらにリアルさを増していた。 |
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「現代の若者へ向けたメッセージが 集約されているのが『海猿 ウミザル』だと思う」 (臼井裕詞プロデューサー)

「9.11の米国同時多発テロ事件が凄く衝撃的で、命をかけた消防士さんたちの活躍を見て凄く感動しました」と話す臼井裕詞プロデューサー。作品からも、そんな臼井のメッセージを感じずにはいられない。「現代の若者について、『何かに一生懸命になってその時間を生きている実感ってあるのかな?』っていう作り手としての疑問があった。そんな思いから、現代の若者の成長過程や、命の尊さも描かれている『海猿 ウミザル』なら、『今を生きるっていう事はこういう事で、熱くなるっていうことはこういう事なんだ』っていう事を、作品を通して伝えることができると思ったんです」。
パート2の製作も決まっている「海猿 ウミザル」は、目標に向かってさまざまな試練を乗り越えていく若者たちの姿と、海の青さがマッチしていて、観た人を爽快な気分にさせてくれる作品だ。
(取材・文/編集部 平山聡美) |