 |
|
井口昇監督(写真左)。1969年生まれ。10代に撮った「わびしゃび」でIFFに入賞し注目を集める。普段はAV監督として活躍しつつ、自主映画「クルシメさん」('97)や「恋する幼虫」('03)なども監督し好評を得る 夏目ナナ(右)。1982年生まれ。グラビアやテレビなどでも活躍する、人気ナンバーワンAV女優。井口昇監督とは「禁断の関係」('04)で初仕事 丁寧に標準語を話す井口監督とこってこての関西弁の夏目ナナさんの掛け合いがおもしろかったです |
|
 |
|
| お互いにコンプレックスを言い合う、「地獄甲子園」('02)の山口雄大監督(写真左)と井口昇監督。山口監督は、猿顔と言われ引きこもり気味になったそうだが、「某ファーストフード店で5年間バイトして克服しました」とのこと。井口監督は、食事をしているとぼろぼろこぼすことと脂性が悩みだとか |
|
 |
|
| 休憩時間には、昇メニューを注文した人だけがもらえるチケットで、浴衣姿のスタッフから投げキッスが受けられる。わたしも一応受けてみました |
|
 |
|
| 「2時間も待ってたよ」と愚痴りつつも、フィナーレに「愛の唄」を熱唱する“アトピー刑事”こと原達也さん(見えにくいですが、写真左)。みんなで一緒に歌って、少し感動的に今回イベントの幕が閉じたのだった。原さんはAV業界関係者で結成した“蛆虫”というバンドで活動中 |
|
 |
|
| イベントを終えた直後の井口昇監督。<昇祭〜後夜祭>とだけあって、ハチマキにハッピ姿。下はもちろん(写真には写ってませんが)白フンドシ1枚です |
|
 |
|

|
|
|
|
| MovieWalkerレポート TOPへ |
| |
|
井口昇監督のDVD発売記念イベント後夜祭に 人気AV女優・夏目ナナが初MCとして登場

8月19日(木)更新の東京シネマのぞき見隊レポートで紹介したDVD「クルシメさん、アトピー刑事 愛の井口昇劇場1988−2003」。この発売記念オールナイトイベント<井口昇オールナイト 奇才の奇祭『昇祭』>が、8月21日(土)にテアトル新宿で行なわれた。井口昇監督には既に2度インタビューしているわたしは、もちろんこのお祭りに参加。白ふんどし姿のりりしい井口監督の姿や、休憩時間には祭り囃子が流れ、輪投げや的あてができるなど、本当にお祭りのような雰囲気で楽しい一晩だったが、今回レポートするのはこの<昇祭>ではない。このあと9月7日(火)に行なわれた<昇祭〜後夜祭>だ。 なぜなら、昇祭の後夜祭が新宿のサブカルスポット、ロフトプラスワンで行なわれると知ったときから、きっとディープな井口ワールドがのぞけるに違いないと思って楽しみにしていたからだ。そして当日、ワクワクしながらイベントに行ってきた。 今回の<昇祭〜後夜祭>で井口昇監督とともに司会進行を務めるのは、今回が初MCだという人気AV女優の夏目ナナさん。彼女は、Gカップのナイスバディと関西出身の歯切れのいい喋りでテレビやグラビアなどでも活躍している、とても華やかな人。なぜ井口監督と一緒にMCを?(失礼)と思ったわたしだが、実は7月に発売された、夏目ナナさん初の本格ドラマAV「禁断の関係」('04)を井口監督が演出していたのだった。 イベントに先駆けて行なわれたマスコミ向けの質疑応答に、わたしもちゃっかり参加。「お互いの印象は?」の質問に、井口監督がナナさんのことを「お芝居の素質があって、昔の日本映画の女優さんの雰囲気を感じますね。平成のチャーミング娘です」。ナナさんはチャーミングという言葉に喜びながら、「一番最初の撮影のときから監督の世界観が大好き。普通の会話のときも井口ワールドがチラリズムしていておもしろいんです」とコメント。また、2人で新しい企画のことを話すと止まらなくなるそうで、井口監督はナナさんを「クリエイティブな気分にさせてくれる人」とも言っていた。今後は、夏目ナナさん主演で10月末からアクション系のAVを撮る予定で、「売り上げを無視して、70年代の東映テイストな作品に仕上げたいです!」という井口監督の抱負(?)も発表された。男性諸君、楽しみですね! |
|
続々登場するゲストと一緒に あやしいトラウマ映画で大爆笑

この日のロフトプラスワンには、夏目ナナファンと思われる男性たちが多数集まっていて、女性のわたしは少し場違いな気分に・・・。でもまあ気をとりなおして、イベント開始までの時間に、今日のためにスタッフが考案したという食事メニューの昇汁(ほかにも昇カレーや昇丼があり)とカクテルを試してみることにした。スタッフに昇汁のオススメを聞いてみたところ、「豚汁に酒粕を入れ色を白っぽくしているところ」だそう。カクテルも色にこだわっていて、茶色になるようにブレンド。両方ともなかなかおいしかったのだが、色に込められた意図を想像すると食欲が失せるので注意が必要だった(井口監督は人気スカトロAV監督でもあるのです)。 そうこうしているうちにいよいよイベントが始まり、井口監督と夏目ナナさんが祭り囃子に乗ってさっそうとステージに登場。井口監督は<昇祭>に引き続き、白フンドシにハッピ姿、夏目さんもハッピを羽織り、まさに祭りっぽい雰囲気だ。 まずはゲストに「地獄甲子園」('02)の山口雄大監督を迎えた企画<トラウマ特撮もの7連発>が始まった。子ども向けのヒーローのはずなのに、かっこよくない、顔が怖いなど、幼心にトラウマを残してしまいそうな特撮ヒーローを井口監督が映像を流しつつ解説していく。「この対決のシーンはただひたすら走っているだけ」とか、「これは打ち切りになってしまった作品」とか、トラウマの理由を話すというよりツッコミばかりで、わたしも思わず笑ってしまった。 続いて漫画家の天久聖一氏が登場し、初監督作「悲しみジョニー」を上映(渋谷シネ・ラ・セットで10月16日(土)からレイトショー公開)。これは、外国人のジョニーが安来節(どじょうすくい)を習いに島根県まで行って帰ってくる様子をただ淡々と追っただけのドキュメンタリー。安来節の先生とジョニーのぎこちない交流などはあるものの、盛り上がるシーンはまったくない。にもかかわらずなぜか惹きつけられる奇妙な作品なのだ。「あ、これは家にあったものを撮ってみただけです」、「先生、緊張してますね〜」など、天久監督自らの気の抜けたコメントを聞きつつ観たため、普通に観るよりも一層脱力感に襲われた。でも考えてみれば、監督の解説付きなんてものすごく贅沢な鑑賞会だ。 |
|
衝撃作登場の<トラウマ100本ノック> 井口監督オススメの映画はこれだ!

いよいよ最後は、「アトピー刑事」('03)主演のデモ田中さん、「ラッパー慕情」('03)の藤原章監督、井口昇監督の3人で、<トラウマ100本ノック>を実施。それぞれがこれは衝撃的だと思う作品を持ち寄り上映するのだが、デモ田中さんは「スッチャデス物語」というタイトルからして怪しい作品をチョイス。地方のケーブルテレビで1回だけ放送されたらしいミニドラマを、おもしろいものがあると知人から譲り受けたそうで、デモさんは最初AVかと期待して観ていたという。しかし中身は、素人(多分リハビリ)の老人たちがスチュワーデスやパイロットに紛し、仕事や恋を競い合うというストーリーで、出演者全員の一本調子なセリフやダンスシーンなどはある意味衝撃的。確かにおもしろいのだが、どう評していいのかわたしには分かりません。 藤原監督は自ら作成した映像を流したのだが、ひたすらある俳優の出演シーンのみを繋ぎ合わせた力技。その俳優が出演した2時間ドラマ2本分の彼のすべての表情が堪能できる作品だった。これには来場者も大爆笑だったが、デモ田中さんからは藤原監督へ、「本当に暇だったんですね〜」という厳しいツッコミが入っていた。 井口監督は、オススメのトラウマ映画を紹介。UFOを目撃した人の血が青色に変わっていくSF映画「ブルークリスマス」('78)や核ミサイルの爆発で世界が崩壊する「世界大戦争」('61)など、怖いような、ちょっと笑ってしまうような絶妙な映画をセレクトして、見どころを説明してくれた。 今回のイベントでは、マニアックな日本映画や、どこから入手したのか分からないレアなヒーローものに一生懸命コメントをする井口監督の姿が見られ、これらの作品への深い愛情を感じることができた。そしてわたしは、トラウマやコンプレックスにこだわって映画をつくっている井口監督のルーツが少し分かったような気がした。どんな作品もおもしろがれる井口監督に触れられる、爆笑の3時間でした。 取材・文/木村恵子(ワークス・エム・ブロス) |
|

|
|

|
|