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2005.4.27(水)更新
【東京シネマのぞき見隊】(40)
真夜中の新文芸坐で開かれた
「村の写真集」公開記念の三原光尋監督ワンマンショーに潜入!
【東京シネマのぞき見隊】(40)真夜中の新文芸坐で開かれた「村の写真集」公開記念の三原光尋監督ワンマンショーに潜入!
後に上映される「燃えよピンポン」と「ヒロイン!なにわボンバーズ」について「スポ根ものですので脳みそを完全に入れ替えて観てください。ひょっとしたらガックリする方もいるかもしれません(笑)」と語った
【東京シネマのぞき見隊】(40)真夜中の新文芸坐で開かれた「村の写真集」公開記念の三原光尋監督ワンマンショーに潜入!
トークショーの前に上映された小野真弓初主演作「モリノキオク」('03/ビデオプロジェクタ上映)。アコムのCMを見た三原監督が彼女の映画を撮りたいとの要望から製作したもので、小野真弓(手前)の演技がとても初々しい
【東京シネマのぞき見隊】(40)真夜中の新文芸坐で開かれた「村の写真集」公開記念の三原光尋監督ワンマンショーに潜入!
今回のトークショーに参加する予定だった小野真弓は残念ながら仕事の都合で来場できなくなったが、代わりにビデオレターが上映され、「モリノキオク」の屋久島での撮影エピソードなどを語ってくれた
【東京シネマのぞき見隊】(40)真夜中の新文芸坐で開かれた「村の写真集」公開記念の三原光尋監督ワンマンショーに潜入!
大自然が今なお残る、徳島県山間部。池田町、山城町、西祖谷村を舞台に完成した「村の写真集」。家族という三原監督のこだわりのテーマを描いた渾身の1作は自然と家族の温もりを見事に調和させている。美しい徳島の風景にも注目!
(C)2004「村の写真集」製作委員会
【東京シネマのぞき見隊】(40)真夜中の新文芸坐で開かれた「村の写真集」公開記念の三原光尋監督ワンマンショーに潜入!
主演の藤竜也を思い浮かべて脚本を書いたという三原監督。「ハードボイルドなイメージだけど、逆に言えば田舎的で、ガンコ親父な感じがするんです」と語っていた
(C)2004「村の写真集」製作委員会
【三原光尋プロフィール】
1964年京都府生まれ。大阪芸術大学在学中に8mm・16mmの映像制作をはじめる。関西を舞台に少年少女たちの青春劇を描き続け、'94年に大阪市主催による若手への文化賞“咲くやこの花賞”を受賞。スポ根映画と家族映画の2つの路線を確立。人気テレビドラマ「ケータイ刑事 銭形舞」('03)の監督も務めた
>> 公式サイト
>> 「東京都写真美術館」上映スケジュール
>> 【動画・独占インタビュー】美しい徳島の山間を舞台にした人間ドラマ「村の写真集」で若手スター、海東健が親子の絆と愛を力強く体現!
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「『村の写真集』は徳島の村人との
共同作業なんです」


 4月23日(土)から東京都写真美術館ほかで公開された三原光尋監督の「村の写真集」。三原光尋監督と言えば「燃えよピンポン」('97)や「ヒロイン!なにわボンバーズ」('98)など、ナニワのノリで賑やかなスポ根ものと、「あしたはきっと・・・」('01)や、ネットムービー「モリノキオク」('03)など、“田舎”を舞台にした家族ものといった全く異なる2つの作風を持つ監督として知られている。
 そして約2年ぶりの新作となる「村の写真集」は後者の方で、美しい自然が今なお豊かに残る四国を舞台にした家族ドラマだ。その公開を記念したオールナイト・イベントとして4月16日(土)に新文芸坐で彼の監督した上記4作品の特別上映&トークショーが行われた。
 「村の写真集」は、ある写真屋の店主と彼の息子であるカメラマンがダム建設により沈んでしまう村の最後の姿を写真に納めていく過程でこじれていた親子の関係を修復していくというストーリー。「あしたはきっと・・・」の曳野市駒ヶ谷、「モリノキオク」での屋久島と続き、今回「村の写真集」での舞台は徳島を選んだ。
 「やはり“田舎”ならではの温かい空気が好きですね。東京にはない人との結びつきだったり、風土感だったり。徳島の美しい風景にも目を奪われました」
 都会には消えてしまった大自然。人同士の温かな関係性。そんな“田舎”らしさを求める監督が、そこに住む人々の“生”の姿をとらえたくなったのもごく自然のことだろう。
 「『村の写真集』はキャストの70%は現地の村人に出演してもらい、プロと素人による共同作業で作り上げた映画になりました。現地の人が非常に親切に接してくれて、山菜を使った食べ物などの差し入れをしてくれた。とてもうれしかったですね」
 まさに地元の村人とのコラボレーションによって製作された映画といえよう。
「日本の“田舎”とアジアの国々には
東京では見られない家族の絆がある」


 「気合入れて喋ります」
 トークショー終了後、取材を申し込んだ我々にこう言ってロビーの席に座ってくれた三原監督。間近で見ると、穏やかなオーラをかもし出す人物で自然と家族ドラマを撮る監督のイメージにぴったり。裏を返せば、「燃えよピンポン」('97)や「ヒロイン!なにわボンバーズ」('98)のようなパワフルな快作を撮っている人には見えないなぁ。
 まず、今回のテーマである“田舎”についてより深く突っ込んでみた。なぜ、監督はそれほど“田舎”の家族にこだわるのだろう。
 「僕はタイとかベトナムとか、日本以外のアジアの国を旅行するのが好きなんです。向こうの国って経済的には貧しいけど、その分、家族の絆がある。食卓には大勢の家族が集まり、みんなで一緒にご飯を食べている。今の東京ではまず見られないんじゃないかな。みんな携帯電話の液晶を見ることに必死になって、周りに目を向けていない。携帯電話から得る情報も必要だけど、直に人間と話さなければ得られない情報もいっぱいある。僕は作品でそれを伝えていきたい。それは僕にとって変わらないテーマだし、これからも描き続けていきたい部分ですね」
 アジアへの想い。そこに三原監督が描きたい家族の姿があった。監督の作品に“田舎”を舞台にしたものが多いのはそういったアジアの小国に通じる部分があったからなのだろう。'04年、西田尚美主演により朝日放送で放送された「恋するベトナム」('04)ではオール・ベトナムロケを敢行し、ベトナムに生きる家族の姿も撮らえ、(DVDが8月26日(金)に発売)徐々に活動の拠点をアジアへと移していく構えのようだ。
 「東京の人は余裕が感じられない。向こうの国の人は電車が2分遅れたぐらいでいちいち腹は立てないですから(笑)」
 心のゆとり。そういう精神的豊かさを持つことが家族の絆をつくる第一歩なのかもしれない。
なんといきなり脱スポ根宣言(!?)
「次は広大な中国を舞台にした
ロード・ムービーを撮りたい」


 そんな三原監督だが、それでも家族ものばかり撮っていると息が煮詰まってしまうこともあるとか。
 「これまで、家族ものとスポ根ものとを交互に作ってきました。どちらか一方だけになってしまうとどうしても疲れてしまうんです。だから『村の写真集』の次は順番的にはスポ根を作るということになりますが・・・実はもうスポ根はそろそろやめようと思っているんですよ。卓球、水泳、空手、バレーボール、ドッジボール、ラグビー、野球・・・と、もうけっこうやりつくしましたから(笑)」
 なんとこんな場所でいきなり脱スポ根宣言(!?)をしてしまった監督(残念!)。しかし、汗をかいて頑張っているヒロイン像は常の念頭にあるという。それは別にスポーツという枠組みに入れる必要はないのかも。
 では気になる次回作の方は?
 「日本を舞台にするより、今は他のアジアの国がいい。次は中国の広大な土地を舞台にした都市から都市へと巡っていくロード・ムービーを作ってみたい。まだ日本人がカメラを回したことがないような場所まで行ってみたいですね」
 やはり今はアジアから目が離せないような三原監督。アジアの各地を旅しながら、その場所を舞台にした映画を撮りたい。それが今の彼の正直な気持ちだろうか。

 トークショーと同等の時間をインタビューに割いてくれた三原監督。終始腰が低く、とても親切に対応していただき、改めて家族ドラマのイメージにマッチ。おとなしい印象の監督ではあるが、自分の作風のこだわりである“田舎”と“家族”への強い想いはひしひしと伝わってきた。「村の写真集」で徳島の村人が撮影に協力してくれたのは、こうした彼の本気度に共感したからではないだろうか。
 「『村の写真集』は僕の日本を舞台にした家族ものでは集大成的な作品です。次はアジアを舞台にした作品づくりに専念したい。アジアン・ジャパニーズのような監督になりたいですね」
 舞台は変わっても描く家族の姿は変わらない。次はアジアの各国で三原監督のこだわりを見せてほしい。

取材・文/田中克則(ワークス・エム・ブロス)


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