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2005.4.28(木)更新
【愛・地球博 体験レポート第2弾】
押井守監督が総合演出する人気パビリオン『めざめの方舟』を体験
【愛・地球博 体験レポート第2弾】押井守監督が総合演出する人気パビリオン『めざめの方舟』を体験
取材当日はあいにくの雨だったが、平日だったこの日も1日を通して行列ができていた。海、空、大地、全てのテーマ映像が詰まった押井守監督監修のDVD「めざめの方舟 SPECIAL EDITION」をこの会場でのみ販売中。
【愛・地球博 体験レポート第2弾】押井守監督が総合演出する人気パビリオン『めざめの方舟』を体験
会場中の白い幕がすべてスクリーンとなる。不安定なこのベールにさえ、はっきりと映像を映し出すのは、最新のディジタルライティングによる照明システムだ。全48種類の映像が用意されているという。
【愛・地球博 体験レポート第2弾】押井守監督が総合演出する人気パビリオン『めざめの方舟』を体験
床面プラズママルチディスプレイを取り囲む139体の巨大擬人像。魚の頭を持つ青鰉(しょうほう)、鳥の頭をもつ百禽(ひゃっきん)、犬の頭を持つ狗奴(くぬ)と、2ヶ月ごとのテーマ変更にあわせて変わっていく。百禽は5月25日(水)〜7月24日(日)、狗奴は7月25日(月)〜9月25日(日)。愛犬をこよなく愛する押井監督だけに、最後の狗奴が気になるところ。
【愛・地球博 体験レポート第2弾】押井守監督が総合演出する人気パビリオン『めざめの方舟』を体験
天上に埋め込まれた長径5メートルの卵形アクリルスクリーンから、魚の目がギョロリと覗く。
【愛・地球博 体験レポート第2弾】押井守監督が総合演出する人気パビリオン『めざめの方舟』を体験
1回の上映で250人を収容する「めざめの方舟」は、この床面映像の上から鑑賞する『アリーナ』と、壁に沿って取り付けられたスロープから鑑賞する『スロープ』の、2つの観覧場所がある。床面に乗ってみたいという人は『アリーナ』、ショー全体を見渡したいという人は『スロープ』がお勧めだ。
【愛・地球博 体験レポート第2弾】押井守監督が総合演出する人気パビリオン『めざめの方舟』を体験
3つの顔と6つの手を持つ“汎(ぱん)”。その名は、汎神論(辞書によると、万物は神の現れであり、万物のうちに神が宿っていて、万物が神であるとする考え方)から来ている。
押井守【PROFILE】
1951年東京都生まれ。東京学芸大学教育学部美術教育科卒業後、タツノコプロダクションに入社。テレビアニメ「一発貫太くん」、「タイムボカンシリーズ・ゼンダマン」などを演出し、所属を変えて「ニルスの不思議な旅」や、「うる星やつら」も制作。その後フリーとなって、アニメ映画「機動警察 パトレイバー」(’89-’93)シリーズを監督し、日本のアニメーション・ブームに火を付けた。その押井守の名を一躍世界に知らしめたのは、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」(’95)。その作品は、96年にアメリカビルボード誌でセルビデオチャート第1位を獲得し、世界中のクリエーターたちに大きな影響を与えた。2004年公開の「イノセンス」も、日本アニメ界初となる、カンヌ映画祭コンペ部門にノミネートを果たした。映像監督のほかに、テレビゲームやコミックの原作、小説や雑誌の連載と執筆活動も行う。
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「めざめの方舟」で
押井守監督作品の映像美を“体感”する


 『サツキとメイの家』に続く愛・地球博体験レポート第2弾は、押井守が総合演出を手掛けた『めざめの方舟』だ。「機動警察 パトレイバー」(’89〜’93)シリーズから、最新作「イノセンス」(2004)まで、日本のみならず世界中のクリエーターまでもうならせた押井監督が放つ最新映像作品を体験レポート!

 人間と自然の共生をテーマとする愛・地球博で、“人間が壊しかけている地球環境をいかに取り戻すか”というメッセージを発信する『めざめの方舟』。2ヶ月ごとに、海、空、大地とテーマを変え、5月24日(火)までは海がテーマとなっている。「イノセンス」で驚くほどの映像美を見せた押井監督が、地球環境への思いを胸にどんな映像世界を作り上げたのか興味深々だ。

 会場に一歩足を踏み入れると、まずは、まるでアニメから抜け出てきたかのような大きな人形が天井から吊り下げられ、下には、2.3〜3.5メートルにもなる、魚の頭をした巨大擬人像が139体も連列する姿に圧倒される。すでに会場を押井ワールドに満たしているその造形物は、これから始まるショーへの期待をどんどん大きくしていくのだ。さらに、話題となっている世界初の床面プラズママルチディスプレイに恐る恐る立ってみると、体ごと吸い込まれそうになる鮮明な映像にビックリ。そんな世界初のしかけと、最新のディジタルライティングシステムによって、どれだけの映像世界が広がるのか。いよいよショーのスタートだ。

 スタートしてすぐ、押井監督作品には欠かすことが出来ない川井憲次の音楽が会場を包み込んだ。全面に映し出された、海に暮らす生き物たちの姿、川井憲次の音楽、巨大な造形物のコラボレーションを目の当たりにすると、映画の中で観たあの映像美が、現実の世界に表現されているようでとても荘厳。常に雷鳴がきっかけとなって映像が切り替わったり、天井に埋め込まれた長径5メートルの世界初卵形アクリルスクリーンに亀や魚の目がギョロリと映ったりと、効果的な演出が次から次に展開されていくのも魅力的。約10分間のショーが終わりにさしかかると、天井から吊り下げられた、自然と人間をつなぐ森羅万象の象徴である精霊の“汎(ぱん)”が全貌を現す。多様な価値観や、複雑な人間の感情・考え方を表現しているというだけに、表情が、照明の当たり具合、照明の色によって、無表情にも、怒っているようにも見えるのが印象的だった。

 地球上で共に生きている自然と動物たちに目を向けさせようとする作り手側の思いがストレートに伝わってくる『めざめの方舟』。押井監督と日本のトップクリエーターが集結して作り上げただけに、押井作品の映像美にすっぽりと包み込まれる、前代未聞の映像空間だ。海から大地まで、全工程を通してどんなメッセージを発信していくのか。この続きは、あなたの目と耳と、体で確かめてほしい。

(取材・文/MovieWalker編集部 山川良子)




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