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| 太い眉毛とそばかすを書き、“メイクダウン”した地味な姿で沙織に扮した柴咲コウ。わかってはいたけれど、実物はものすごく綺麗! この日は、髪に大きな黒い花のコサージュを付け、カラフルなシフォンのワンピースで一層輝いていた |
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| 背が高く、華奢な身体から色気を発するオダギリジョー。彼に見とれ、会場の観客、記者ともにシーンとなっていると、「この空気大丈夫ですかね(笑)。僕、変なこと言ってませんよね」と不安げに言うひとコマも |
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| 右が、卑弥呼に扮した田中泯。監督、キャスト一同「泯さんは卑弥呼そのもの」と言うように、言葉は少なくとも、その場にいるだけで圧倒的な存在感があった |
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| 左から、犬童一心監督、柴咲コウ、オダギリジョー、田中泯、脚本の渡辺あや |
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■「メゾン・ド・ヒミコ」は、初秋、シネマライズ、新宿武蔵野館、池袋シネマサンシャインほかロードショー (C)2005「メゾン・ド・ヒミコ」製作委員会 |
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監督:犬童一心 脚本:渡辺あや 出演:オダギリジョー 柴咲コウ 田中泯 西島秀俊 歌澤寅右衛門 青山吉良 柳澤愼一 井上博一 森山潤久 新宿 洋ちゃん 村上大樹 高橋昌也(2005/アスミック・エース)131分

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「こういう映画は作っちゃいけないんだけど、 すごく作りたかったので作ってしまいました」 (犬童一心監督)

今最も旬な役者と言っても過言ではない、「アカルイミライ」(2002)、「オペレッタ狸御殿」(2005)のオダギリジョー、「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004)の柴咲コウのふたりと、映画初出演作「たそがれ清兵衛」(2003)で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞と新人賞をダブル受賞した田中泯という3人を主演に迎えた「メゾン・ド・ヒミコ」は、「ジョゼと虎と魚たち」(2003)の犬童一心監督×渡辺あや脚本コンビが贈る愛の物語第2弾である。
「ジョゼと虎と魚たち」のヒットが記憶に新しいが、本作品はそれよりも前から構想されていたオリジナル・ストーリーである。
“ゲイのための老人ホーム”を営む自身もゲイである父親・卑弥呼と、その父の存在をも否定している娘の沙織、卑弥呼の恋人であるゲイの春彦との不思議な関係と、男と女、生と死、欲望と希望といった越えられない壁を描いた、狂おしくも温かい愛のドラマとなっている。
その完成披露舞台挨拶が、6月7日渋谷シネマライズにて、犬童一心監督、渡辺あや、キャストのオダギリジョー、柴咲コウ、田中泯らによって行われた。
構想から5年もの歳月をかけて完成させた犬童監督は、
「2000年からシナリオを作っていたので、完成して不思議な感じがします。『こうなったんだなぁ』という結果を見届けているような。一番出演してほしい人たちに出てもらえてとても幸せです」と、これまでを振り返って感慨深そうに語った。
犬童監督に「この役をできるのはオダギリ君しかいない」と言わしめ、田中泯演じる恋人の卑弥呼が、癌に冒され衰えゆく姿を見守り続ける春彦を演じたオダギリジョー。
「試写を観たマネージャーに『アカルイミライ』以来の良い出来だったと言われて、妙に納得してしまいました。『いいぜ、オレ!』みたいな(笑)。柴咲さんは、とんがっている部分があってすごく刺激を受け、泯さんには、『表現とはこういうことなんだなあ』と再確認させてもらいました」
ゲイの父親を拒絶しながらも、その恋人であるゲイの春彦に惹かれていくという難しい役どころを、太い眉毛、そばかすを書き“メイクダウン”して挑んだ柴咲コウは、
「沙織という役は、地味なところが仕事をしていない時の自分と似ていますね。泯さんとは初めてお会いしたのですが、卑弥呼そのものでした。背負っている重さや深さが圧力となって、沙織はそれに立ち向かうように、ひっぱっていってもらいました。この作品を皆さんの心のどこかに置いていただければと思います」と、笑顔で語った。
重要な役柄である卑弥呼を演じた田中泯は、これまで世界各国で舞踊やオペラ、演劇などの活動をしているが、映画出演は今作でまだ3本目だ。癌に冒されている役という設定上、セリフも少なく、ほとんどがベッドの上での動きの少ない演技にも関わらず、圧倒的な存在感を放っていた彼。
「脚本を読んで、卑弥呼を演じてみたいと思いました。卑弥呼は私の地なんですよね。オダギリさん、柴咲さんは、立ったり座ったりしているその身体の中で、ぐつぐつ、ぶるぶるとしているものが見えるんです。それを演技と呼んでいいのかはわかりませんが、素晴らしいダンサーを見るような刺激を受けました」と、静かに語る姿は、劇中の卑弥呼を彷彿とさせた。
最後に犬童監督はこの作品についてこう語った。
「3行でこの映画を説明しようとするとできるのだけれど、こぼれるものがすごく多いし、観終わった後の感想を人に伝えようとするとすごく難しいと思います。本当はこういう映画は作っちゃいけないんだけど、すごく作りたかったので作ってしまいました。この作品を観て何か思ったら、面倒でも人に伝えてほしいです」
監督の言うとおり、この作品を一言で伝えるのは難しい。そこには、人と人との間に存在する様々な形の壁と、それを乗り越えようする人々の葛藤、情熱、愛が描かれ、観ている者に、切なかったり、狂おしかったり、愛しかったりというあらゆる感情の渦を抱かせる。この作品を観て、自分の中に湧き出てくる感情をぜひ確かめて欲しい。
(取材・文/MovieWalker編集部・石崎美智) |
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