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2005.8.5(金)更新
【動画・独占インタビュー】
竹中直人監督、会心の純愛ストーリー
「サヨナラCOLOR」は、ジーンと胸に染みるのだ
【動画・独占インタビュー】

竹中直人監督、会心の純愛ストーリー
「サヨナラCOLOR」は、ジーンと胸に染みるのだ
「一生懸命つくりました!」と笑顔で答える竹中直人監督。監督みずからキャスト陣に出演交渉しただけでなく、ポスターやパンフレットのディレクションまで手掛けているのだ。映画づくり全部が好きなんですね、竹中監督。7月28日、京橋・映画美学校にて
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竹中直人監督、会心の純愛ストーリー
「サヨナラCOLOR」は、ジーンと胸に染みるのだ
「サヨナラCOLOR」を歌った永積タカシの他、スチャダラパー、田島貴男ら人気ミュージシャンが多数出演しているのも見所。「タカシ、映画を観てよろこんでくれましたね。キャストやスタッフによろこんでもらえるのが、ボクにとっての一番の御褒美なんです」
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竹中直人監督、会心の純愛ストーリー
「サヨナラCOLOR」は、ジーンと胸に染みるのだ
外科医・佐々木正平(竹中直人)の勤める病院に、高校時代の憧れの女性・笈川未知子(原田知世)が入院してきた。佐々木は自分のことを思い出してもらおうとするが、未知子の記憶の中には佐々木に関する思い出はまったくなかった。佐々木、ショック…
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竹中直人監督、会心の純愛ストーリー
「サヨナラCOLOR」は、ジーンと胸に染みるのだ
ガラス細工のランプをつくっている笈川さんは、夜勤明けの佐々木を誘って海辺でランプの材料となるガラス片を拾い集める。「鎌倉の病院っていう設定なんで、鎌倉の海ってことにしといてください。ほんとは千葉の九十九里浜で撮影したんですけど(笑)」と竹中監督
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竹中直人監督、会心の純愛ストーリー
「サヨナラCOLOR」は、ジーンと胸に染みるのだ
中島みゆき演じる巌岳先生は子宮がんの権威。威厳と人間味を持ち合わせたベテラン女医役を好演しています。内村光良は、佐々木の後輩・前田医師役。笈川さんの治療に盲目的になってしまっている佐々木の体調が心配でたまりません
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竹中直人監督、会心の純愛ストーリー
「サヨナラCOLOR」は、ジーンと胸に染みるのだ
青い海に青い車。でもって笈川さんがいつも使っているのは青い色エンピツで、枕カバーも青。ブルーが基調になっている、とってもオシャレな大人向きのラブストーリーなのです。「この色の車を見つけるのに、すごく苦労しました」と竹中監督のこだわりが結実した作品だ
■8月13日(土)より渋谷ユーロスペース、MOVIX本牧ほか全国順次公開
STAFF&CAST
監督・脚本:竹中直人 脚本:馬場当 音楽:ハナレグミ クラムボン ナタリ−・ワイズ 主題歌:永積タカシ&忌野清志郎「サヨナラCOLOR」 出演:竹中直人 原田知世 段田安則 雅子 中島唱子 水田芙美子 内村光良 大谷直子 久世光彦 三浦友和 石川真希 風吹ジュン 三東康太郎 藤沢志帆 片桐はいり 井口昇 伊佐山ひろ子 原ひさ子 廣木隆一 安斉肇 忌野清志郎 中島みゆき(2004/ザジフィルムズ)119分

【竹中直人プロフィール】
1956年3月20日神奈川県横浜市金沢区生まれ。高校時代から美術部で8ミリフィルムで撮影を始める。多摩美術大学グラフィック科に進み、宮沢章夫らと自主映画製作に励む。‘83年「テレビ演芸」(テレビ朝日)で勝ち抜きチャンピオンとなり、コメディアンとして一躍人気者に。石井隆監督「天使のはらわた・赤い眩暈」(‘88)で映画初主演。以後、「ファンシィダンス」(‘89)、「ヒルコ/妖怪ハンター」(’91)、「シコふんじゃった」(‘92)、「ヌードの夜」(’95)、「Shall We ダンス?」(‘96)、「三文役者」(2000)、「ウォーターボーイズ」(2001)、「スウィングガールズ」(2004)など数多くの映画に主演、助演する。監督デビュー作は、「無能の人」(’91)。ヴェネチア映画祭国際批評家連盟賞を受賞するなど、その才能は国際的に評価された。その後も「119」(‘94)、「東京日和」(’97)、「連弾」(2000)と映画への深い愛情を感じさせる秀作を次々と発表している。今作に出演している忌野清志郎とは「妖怪大戦争」(公開中)でも妖怪役で共演


>> 公式サイト
>> 「サヨナラCOLOR 映画のための音楽会」ライブ・レポート
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「脚本を読み終えた瞬間に浮かんだんです。
永積タカシの歌う『サヨナラCOLOR』が」


 やったー! やってくれました! 竹中直人監督が、またまたやってくれました! 5本目となる監督作「サヨナラCOLOR」が極上の出来なのだ。ストーリーよし、キャスティングよし、ロケーションよし、そして音楽もサイコー! もー、一点の曇りのない青空のような作品とでもいいましょうか。

 この映画のタイトルでもあり、そしてエンディングで流れるのはSUPER BUTTER DOGが2001年に発表した隠れた名曲「サヨナラCOLOR」。愛するものとの別れを前向きに捉えた繊細かつ力強い曲だ。この曲を聴いた竹中監督は大いに刺激を受け、すでに進行していた映画の企画をぐいぐいと押し進めたのだ。そのため音楽映画といった趣きもある。中島みゆき、忌野清志郎が名演、妙演を披露し、SUPER BUTTER DOGのボーカルで、現在はハナレグミとして活躍中の永積タカシは、クラムボンの原田郁子、ナタリ−・ワイズのビッケらと入院患者役で出演。にぎやかな顔ぶれを追うだけでも、充分に楽しめる。

 物語は海沿いにある小さな町が舞台。いまだ独身の外科医・佐々木正平(竹中直人)の勤める病院に、偶然にも高校の同級生の笈川未知子(原田知世)が入院してくる。笈川未知子は佐々木にとって20年来の“憧れの女性”。彼女を想う余り、独身を通してきたのだ。ようやく彼女の役に立てるという喜びと彼女は重い病気に冒されているという哀しみの二重奏。それに彼女には長年の恋人で人気スタイリストの雅夫(段田安則)がいる。最初は佐々木のしつこさに閉口していた未知子だが、佐々木の献身的な治療によって病状は回復に向かう。やがて未知子は高校時代に佐々木から一方的に愛の告白をされていたことを思い出す。20数年の時間を経て、佐々木の想いはようやく未知子の胸に届いたのだった---。

 この日の竹中監督は映画のプロモーションを兼ねたトークイベントに出演。その合間を縫って、インタビューに応えてくれた。竹中監督、本当に素晴らしい映画をありがとうございます!
「かたじけない(笑)、一生懸命つくりましたっ!」

 竹中監督、少々照れながらも素敵な笑顔を浮かべています。まるで初めて8ミリフィルムの上映会を開いた映画少年のような初々しさです。
 永積タカシの歌う「サヨナラCOLOR」にインスパイアされた形で映画が完成したそうですが、この曲に出会う前は違う内容だったんですか?
「基本的な人物配置は同じだったんですけどね。最初のタイトルは『ミセス・洋燈へ』というもので、脚本家の馬場当さんが俳優としてのボクをイメージして書いてくれたものだったんです。それで脚本を読み終わったら、永積タカシくんの歌う『サヨナラCOLOR』が浮かんできて。これは、どうしても『サヨナラCOLOR』ってタイトルの映画にしたい、自分が監督もやりたいと思いました。そこでボクが脚本を書き直して、微妙に人物設定を変えたり、職業や名前を変えたり、シーンを増やしたりして『サヨナラCOLOR』って映画になるようにバランスを整えていったんです」

 う〜ん、そうすることで切なくて哀しいけど、前向きな物語になったわけですか?
「どうだろう? 何も考えないで撮ってたんで。自分じゃよく分からないなぁ(苦笑)」

 過剰なリップサービスはない。でも、自分の作品をとつとつと誠実に語る竹中監督なのだった。
「笈川さんは、高校の後輩だったんです。
恥ずかしくて全然話しませんでしたけど」


 「サヨナラCOLOR」のヒロイン・笈川未知子を演じているのは、「落下する夕方」(‘98)以来7年ぶりの映画主演となる原田知世。正直、最初はスクリーンを観て「えっ、竹中直人と原田知世が同級生役なの?」と驚くが、観ているうちにじわじわと自分自身の学生時代が蘇ってくるのだ。卒業して何年も経っているのに全然年齢をとならない美しいままの同窓生っているよね? そうなのだ、原田知世演じる“笈川未知子さん”は、すべての男性にとって“永遠の憧れの女性”なのだ。
「うちの娘からは『パパと知世ちゃん、全然同級生に見えないから、おかしかった』なんて言われたんですけどね(笑)。『サヨナラCOLOR』っていう映画にしようと考えたときに、このタイトルに似合う女優は誰かなと考えました。同世代で見つからなかったので、少し下の世代で考えてみると『あ、原田知世=サヨナラCOLOR、合うなぁ』と思いました。ボクの頭の中では、もう知世ちゃんしかいなかったですね、このタイトルに合う女性は」

 佐々木正平と笈川未知子が参加する同窓会が、なんとも和やか。司会が忌野清志郎で、先生役が演出家の久世光彦氏。でもって、その他の同窓生役は竹中監督の本当の同窓生。これぞ、まさに友情出演! ロケ地も同窓会シーンは竹中監督の母校・関東学院六浦で撮影し、江の電、鎌倉の由比ケ浜、材木座海岸…と神奈川出身の監督が昔から慣れ親しんだ場所のオンパレードなのだ。
「同窓会のシーンは、 せっかく母校で撮影出来るから、同窓生のみんなも呼んじゃいました(笑)。エキストラの方に頼んだら、ちょっとあの雰囲気は出せなかったでしょうね。その他のロケにしても、なんか不思議な気分でした。自分の場所に帰ってきたような。鎌倉なんて、デートコースでしたからね。あ、でも、ボクは高校時代デートなんてしたことはないですよ」

 原田知世演じるヒロインの役名は“笈川未知子”。実は高校時代の美術部に“笈川さん”という女性が実在したそうですね?
「あ、はい。同級生じゃなくて後輩だったんですけどね。ボク、好きだったんです。話とか全然しなかったけど、一度だけ一緒に帰りました。下駄箱に『一緒に帰ってくれませんか』って手紙を入れておいたら、笈川さんが校門のところで待っていてくれたんです。そこで『あ、どうも』って一言だけ。駅まで遠回りして帰ったんです。でも、ものすごく恥ずかしくて話掛けられなかった。最後に『今日はありがとうございました』って挨拶して終わり。たった二言だけです(笑)」

 高校時代の佐々木正平(三東康太郎)のしでかすエピソードの数々は爆笑もの。ヒロインの家の近くの木に登って、夜7時ジャストに「好きだ〜!」と叫ぶシーンは超リアルです。
「高校時代のボクを演じてくれた三東くんは、『無能の人』(‘91)でボクの子供の役を演じてくれた青年です。大きくなったでしょう。今は俳優の仕事はしてなくて、大学生なんですけど、ボクの映画のためにわざわざ来てくれたんです。あ、あのエピソードですか? あれもボクの実体験です。木じゃなくて山に登ったんです。中学のとき、狩野さんって女の子が好きで、その子は学校近くの鷹取山の麓に住んでたんですね。それで山に登り彼女の名前を叫びたいがためにワンダーフォーゲル部に入って、下駄箱に『今晩夜7時、耳を澄ませてください。きっとボクの声が聞こえるでしょう』って手紙を入れたんです。叫びましたよ、夜7時きっかりに山頂から。『狩野さん、大好きだ〜!』って。翌日、『やめてください。竹中さんは何を考えているかよく分からない。気持ち悪いんです』って返事が来ました(笑)」

 竹中監督の青春時代のエピソードが惜しみなく劇中に使われているわけかぁ。大人になった佐々木正平がひとりで暮らしている実家には、モノクロの親子の写真が飾ってありますが…。
「写真はボクが小さい頃で、一緒に写っているのはボクの母です。かつては家族の空間だったことが分かる小物があった方がいいなと思って置いたんです。ボクの母は、絵に描いたように病弱でした。ボクが高3のときに亡くなりました。悲しくて、1年くらいずっーと泣いていました」

 す、すいません、立ち入ったことお聞きして。でも、竹中監督、10代の頃から随分「サヨナラCOLOR」を体験されていたんですね。病院のベッドで休んでいる原田知世はハッとするくらい綺麗だし、佐々木の愛人役の中島唱子、年の離れたガールフレンドの水田芙美子、病院の購買部の片桐はいり、いたずら好きな入院患者役の大谷直子と原ひさ子…1シーンしか映らない女優たちもみんなチャーミングで美しく撮られている。竹中直人監督がこれまでに愛してきた女性たちへの慈しみが、きっと形になったものに違いない。ご本人は「女の娘のことしか考えていない、ただスケベなだけです」と静かに笑っていますが。
「映画製作は、ボクにとって夢の時間。
完成すると、淋しくて泣いちゃうんです」


 試写会場から、永積タカシと忌野清志郎が歌う「サヨナラCOLOR」が流れてきた。上映が終わり、そろそろトークショーが始まる時間だ。竹中監督を会場のファンに渡さねば。では、最後の質問です。“撮影現場は戦場だ”なんて、よく耳にしますけど、竹中組の撮影現場はどうなんでしょう?
「いやぁ、戦場だとは思わないですね。ボクの映画には拳銃も戦車も出てきませんし、ボクはそういう例えは苦手です(笑)。撮休もなく、一気に駆け抜けた感じではありますが、撮影が終わるといつもとてもさみしい気持ちになります。そして編集ダヴィング作業が終わると泣いてしまうんです。映画がボクの手元を離れて…。ほんと、撮影中と仕上げている時は、ボクにとって夢を見ている時間。だから映画が完成すると、なんの達成感もなく、とり残されたような気持ちになる。それで、また次の映画の企画を考え始めるんです」

 トークショーでは映画「サヨナラCOLOR」に満足した観客たちから温かい感想を次々と投げ掛けられ、竹中監督は終始ニコニコ顔。「これが地方の映画祭だったら、これからみんなで飲みに行くのにね」と竹中監督、観客とひとときの夢を共有できたことを心底喜んでいます。
 トークショー終了後も、会場のロビーでお客さんたちが帰っていくのを最後まで見送っている竹中監督の姿があった。その姿は、愛情を込めてつくり上げた映画が自分の元を巣立っていくのを淋しくも優しく見守っているように感じられた。

(取材・文/ライター長野辰次)

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