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2005.9.2(金)更新
【完成披露舞台挨拶】
藤沢周平原作、市川染五郎×木村佳乃主演の「蝉しぐれ」が、
15年の歳月をかけてついに完成!
【完成披露舞台挨拶】
藤沢周平原作、市川染五郎×木村佳乃主演の「蝉しぐれ」が、
15年の歳月をかけてついに完成!
主人公・文四郎とふくを演じた市川染五郎と木村佳乃。ふたりとも、佇まいが美しい!
【完成披露舞台挨拶】
藤沢周平原作、市川染五郎×木村佳乃主演の「蝉しぐれ」が、
15年の歳月をかけてついに完成!
(左から)佐津川愛美、原田美枝子、緒形拳。緊張する佐津川をふたりが優しく見守り、本当の親子のようだった
【完成披露舞台挨拶】
藤沢周平原作、市川染五郎×木村佳乃主演の「蝉しぐれ」が、
15年の歳月をかけてついに完成!
(左から)演技に目覚めたというふかわりょうと、苦笑いする石田卓也、黒土三男監督
【完成披露舞台挨拶】
藤沢周平原作、市川染五郎×木村佳乃主演の「蝉しぐれ」が、
15年の歳月をかけてついに完成!
(上段左から)音楽担当の岩代太郎、佐津川愛美、ふかわりょう、石田卓也、黒土三男監督、(下段左から)原田美枝子、市川染五郎、木村佳乃、緒形拳
【完成披露舞台挨拶】
藤沢周平原作、市川染五郎×木村佳乃主演の「蝉しぐれ」が、
15年の歳月をかけてついに完成!
(C)2005「蝉しぐれ」製作委員会
■「蝉しぐれ」は10月1日(土)より、全国東宝系にてロードショー
STAFF&CAST
原作:藤沢周平 監督:黒土三男 音楽:岩代太郎 出演:市川染五郎 木村佳乃 今田耕司 ふかわりょう 石田卓也 佐津川愛美 原田美枝子 緒形拳 加藤武 大滝秀治(2005/東宝)131分
>> 公式サイト

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「人間としての気高さ、男と女の気高さ、日本人
としての気高さが描かれています」
(黒土三男監督)


 藤沢周平といえば、「たそがれ清兵衛」(2002)や「隠し剣 鬼の爪」(2004)などが映像化され、故人になって8年経った今でも、ますます評価が高まる時代劇小説の第一人者である。その藤沢作品のなかでも、最高傑作として名高い「蝉しぐれ」が、市川染五郎、木村佳乃、緒形拳、原田美枝子ら日本を代表する豪華役者陣によって映画化された。
 監督は、原作に惚れ込み、藤沢周平のもとに足しげく通い、藤沢氏から唯一本作の映像化が許された黒土三男。2003年には同作のテレビ・ドラマの脚本も手掛け、「モンテカルロ国際テレビ祭」にてグランプリを受賞している。その黒土監督が、15年という歳月をかけて映画化した「蝉しぐれ」がついに完成した。その完成披露記者会見が、蝉の声が美しい庭園に響く八芳園にて行われ、主演の市川染五郎はじめ、木村佳乃、緒形拳、原田美枝子、ふかわりょう、石田卓也、佐津川愛美、音楽を担当した岩代太郎、黒土監督が登壇した。

 15年という歳月にわたって黒土監督を魅了し続けた「蝉しぐれ」の魅力とは一体何なのだろうか。
 「『蝉しぐれ』という作品には、人間としての気高さ、男と女の気高さ、日本人としての気高さが描かれています。そこに一番の魅力を感じました。テレビ・ドラマとして脚本も書かせていただきましたが、テレビではその“気高さ”を表現し切れないところがあったので、今回映画を撮る際は、とにかくそれだけを表現しようと思いました」

 尊敬する父親を冤罪で亡くしながらも懸命に生き、ひとりの女性を20年以上も想い続ける主人公、牧文四郎を演じた市川染五郎。この役を演じるにあたって、すごく集中力を要したと言う。
 「“丹田”という下腹にあたる部分があるのですが、そこに意識を集中させて演じました。この『蝉しぐれ』の世界を“丹田”で感じ、それが滲み出る芝居をしようと思いました」
 ひとりの女性をひたすら想い続けるという純愛については、
 「想い続けるという“想う”というのは、『好きだ好きだ』というだけではなく、人として尊敬したり、人として運命を感じたり、そういうものを含めた“想う”ではないかと思います」と、さらりと言った。その凛とした表情、佇まいは、まさに文四郎のようである。

 その文四郎に想われる女性、ふくには日本で最も美しい女性を、という監督の希望によりキャスティングされた木村佳乃。
 「今の時代、携帯やメールのおかげで連絡を取り合うのがすごく簡単なんですが、この時代は、今日会えなかったら一生会えないかもしれないという時代なんですね。だからこそ一生懸命なんです。便利になると失うものがあるということがわかっていないと怖いと、今回すごく感じました」
 文四郎とふくが再会するラストシーンでは、監督が撮影中、彼女のあまりの美しさに見とれ、カットの声がかけられなかったという。会見でも、外見的な美しさだけでなく、内面から強さ、聡明さが滲み出て、会場の記者たちもすっかり彼女に魅了されていた。

 文四郎の父親を演じた緒形拳は、完成した作品を観て、
 「市川染五郎という舞台人が大好きだったんですが、この作品を観て、『映画人としてもすごいじゃん』と思いました。今隣に座れているのが光栄です(笑)。また、若き文四郎を演じた石田卓也くんは素晴らしい!」と、共演者を大絶賛。

  文四郎の少年時代を演じた石田卓也は、2003年にTBSドラマ「青春の門 筑豊編」で注目を集め、本作がスクリーン・デビューとなる期待の若手俳優。
 「こういう場が初めてなので何をしゃべっていいのかわかりませんが、一生懸命演じたので観てください」と、まっすぐ前を見据えて挨拶をし、役柄同様に実直な印象を与えた。
 ふくの少女時代を演じたのは、放送中のテレビ・ドラマ「がんばっていきまっしょい」にも出演中で、2006年には「笑う大天使(ミカエル)」の公開が控えている佐津川愛美。
 「初めての映画、初めての演技ですごく緊張したのですが、黒土監督から心の大切さを教えていただきながら、精一杯演じました。私くらいの世代の方でもわかりやすい映画だと思うので、いろんな方に観てほしいです」と、緊張した面持ちながらも、しっかりとコメントした。
 今回、文四郎とふくの子役には、透明感を重視し、オーディションで選んだというだけあり、彼らの演技は瑞々しく、今後の活躍がとても楽しみである。

 そして、文四郎の友人である小和田逸平を演じたのが、お笑い芸人のふかわりょう。本作がスクリーン・デビューとなるが、初めての映画出演にかなりの手ごたえを感じたらしい。
 「正直、ものすごく輝いてます! バラエティよりもこっちの人なのかな、と思いました!」と意気揚々と語り、これには場内も爆笑。記者からの「これを機にバラエティ引退もありえますか」という質問には「両立という言葉がありますよね」とツッこむ場面も。しかし、その演技は緒形拳もお墨付きというからたいしたものである。

 最後に監督が、この作品の魅力でもある山形のオープン・セットについて、
 「ロケハンで全国を何年もかけてまわったのですが、もう古いものが残っていないんです。例えば京都のように残っていたとしても、カメラを向けると電信柱があったり、現代のものがどうしても見える。だから巨大なセットを作りました。皆さんは、冒頭から江戸時代にタイムスリップできると思いますので、期待してください」と語り、会見は終了した。

 豪華なキャストや、巨大なセットと聞くと、ド派手な印象を受けるが、本作は己の信念に従い、ひとつの愛を貫き通した男女を描いた珠玉の作品である。現代の日本人が忘れがちな謙虚さや、監督が会見中何度も口にした“気高さ”が見事に息づいた名作をぜひ、劇場で観てほしい。

(取材・文/MovieWalker編集部・石崎美智)



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