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2005.10.4(火)更新
【動画・来日合同インタビュー】
フランスの二枚目俳優ロマン・デュリス、絶好調!
主演の話題作が、なんと4本続けて公開されるぞ
【動画・来日合同インタビュー】フランスの二枚目俳優ロマン・デュリス、絶好調!主演の話題作が、なんと4本続けて公開されるぞ
すましていると二枚目なのだが、笑うととても無邪気な表情になるロマン・デュリス。「映画で演じたトムと共通するのは、音楽を愛しているということだね。レコード店にはよく行くよ。トーキョーでも早速レコード店を覗いてみたんだ。LP盤も置いてあって、いい感じだね」
【動画・来日合同インタビュー】フランスの二枚目俳優ロマン・デュリス、絶好調!主演の話題作が、なんと4本続けて公開されるぞ
カメラマンの撮り易いように自分でポスターを移動させ、自分の手で支えていたデュリス。いい人だ。「美大に通っていたけど、また絵を描きたいと思っているよ。好きな画家は、ベーコン、バスカ、ピカソ、レンブラント、ゴッホ…たくさんいるなぁ」。芸術を愛する男なのだ
【動画・来日合同インタビュー】フランスの二枚目俳優ロマン・デュリス、絶好調!主演の話題作が、なんと4本続けて公開されるぞ
「真夜中のピアニスト」の主人公トムは、唯一の家族である父親を愛しながらも、疎ましく感じている複雑な役。「日本ではどうか分からないけど、ヨーロッパでは親子関係が逆転している家族はそう珍しくはないんだ」とデュリスが欧州の社会状況を解説してくれました
【動画・来日合同インタビュー】フランスの二枚目俳優ロマン・デュリス、絶好調!主演の話題作が、なんと4本続けて公開されるぞ
2004年のカンヌ映画祭で最優秀監督賞を受賞したトニー・ガトリフ監督の音楽ロードムービー「愛より強い旅」。デュリスは自分のルーツを求めて恋人とともに、フランスからスペイン、モロッコ、アルジェリアと旅を続ける主人公ザノ役を演じている。
■2006年新春第一弾公開
【動画・来日合同インタビュー】フランスの二枚目俳優ロマン・デュリス、絶好調!主演の話題作が、なんと4本続けて公開されるぞ
2004年のカンヌ映画祭で最優秀監督賞を受賞したトニー・ガトルフ監督の音楽ロードムービー「愛より強い旅」。デュリスは自分のルーツを求めて恋人とともに、フランスからスペイン、モロッコ、アルジェリアと旅を続ける主人公ザノ役を演じている。
■2006年新春第一弾公開
【ロマン・デュリス プロフィール】
1974年、パリ生まれ。アクリル画を学ぶ美大生時代に路上でスカウトされ、セドリック・クラピッシュ監督の「青春シンドローム」(’94)で主演デビュー。「猫が行方不明」(’96)、「パリの確率」(’99)、「スパニッシュ・アパートメント」(2001)とクラピッシュ監督作の常連となる。「猫が行方不明」では見事なドラム演奏を披露、「ドーベルマン」(’97)ではギャング団、「ガッジョ・ディーロ」(’97)ではジプシーの歌姫に恋する男、「イザベラ・アジャーニの惑い」(2002)ではコスチュームプレイに挑むなど幅広い役に取り組んでいる。アクション大作「ルパン」(2003)ではユーモアと野性味を合わせ持つ怪盗ルパン役を巧みに演じきった。「真夜中のピアニスト」に続いて、カンヌ映画祭最優秀監督賞作「愛より強い旅」(2003)、フランスで大ヒットした「ロシアン・ド−ルズ」(2005)と主演作が目白押し状態。ジャック・オディアール監督は「青春時代に別れを告げる役をやらせれば、今のフランンスでは彼の右に出る男優はいないだろう」と評している。

STAFF&CAST
原作:ジェームズ・トバック(『マッド・フィンガーズ』) 監督・脚本:ジャック・オディアール 脚本:トニーノ・ブナキスタ 音楽:アレクサンドル・デスプラ 出演:ロマン・デュリス ニ−ル・アルストラップ リン・ダン・ファン オーレ・アッティカ エマニュエル・ドゥヴォス ジョナサン・ザッカイ ジル・コ−エン アントン・ヤコフレフ メラニー・ロラン(2005/フランス/108分)※2005年ベルリン映画祭銀熊賞(最優秀音楽賞)受賞、金熊賞ノミネート
>> 公式サイト

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「単なるリメイク作ではなく、実際に
不動産業者に取材して役づくりしたんだ」


 ただ今、日本のミニシアター界は“ロマン・デュリス祭り”状態なのだ。これは大手代理店が仕掛けたキャンペーンではなく、ひとりのフランス人男優の魅力によって自然発生したホットな現象。現在公開中のアクション大作「ルパン」に続いて、フランス本国だけでなくアメリカでも熱狂的に受け入れられた「真夜中のピアニスト」、さらにカンヌ映画祭で高評価を得た「愛より強い旅」、ヒット作「スパニッシュ・アパートメント」(2001)の続編「ロシアン・ドールズ」と、フランスの若手人気俳優ロマン・デュリスの主演作が今秋から新年にかけて続々と公開されるのだ。その“ロマン・デュリス祭り”の張本人が「真夜中のピアニスト」のPRのために来日したぞ。

 ロマン・デュリスというと美大生時代にセドリック・クラピッシュ監督に見い出され、「青春シンドローム」(’94)でいきなり主演デビューしたラッキーガイ。パリのおしゃれさんってイメージがあるけど、この日のデュリスは帽子を脱ぐと、おぉスキンヘッドではないか!
「次回作のための準備なんだけどね。でも、役づくり以外でも、たまにイメチェンすることは俳優にとって大事なんじゃないかな」
 フランス映画界をになう人気スターというより、パリのストリートからそのままやってきた気さくな若者って感じである。いいねぇ、この気取りのなさ。

 「真夜中のピアニスト」は「リード・マイ・リップス」(2001)でフィルムノワール的世界を現代風にアレンジしてスタイリッシュに描いてみせたジャック・オディアール監督の最新作。デュリス演じる主人公トムは、かなり繊細で複雑な役。父親の後を継いで不動産の闇ブローカーとして荒っぽく稼ぎまくっている一方で、ピアニストだった母親の影響で自分もプロのピアニストになるという夢を捨て切れずにいる。仲間といる時は老アパートに居座る住人をドツキ回り、ひとりになると血で汚れた手でピアノの鍵盤に向かう。暴力と芸術の狭間でもがき苦しむ痛々しいキャラクターなのだ。
 実はこの作品、ハーベイ・カイテル主演作「マッド・フィンガーズ」(’78)のリメーク。といってもキャストを変えただけの安易な再映画化ではなく、闇ブローカーとしてのトムの日常をリアルに描くことで、ピアノ演奏シーンとの対比がより鮮明になっている。ラスト・シーンも、「マッド・フィンガーズ」とひと味違う余韻が漂う。カイテルの演技と遜色のないバイオレンスぶり、ナイーブさを見せているデュリスの好演も見逃せない。

「ドウモ、アリガトウ(笑)。確かにこの作品はリメークなんだけど、70年代のNYをどう現代のパリに置き換えられるか考えて作られているんだ。オディアール監督は単なるマフィア映画にしたくなくて、主人公のトムを不動産業に就かせたんだ。トムというキャラクターに具体性があることは、演じる上でやりやすかったね。ボクも不動産の関係者に実際に会って仕事内容について聞いたりしたよ。きれい事では済まない部分もありうる業界だよね。フィクションもあるけど、かなり現実に則した役になっているんだ。それとは別に、カイテルの演じた役の肉体的な部分も大切にしたよ。あの当時のNYを舞台にしたアメリカ映画は、俳優たちが神経質なくらいエネルギッシュで肉体的。自分の夢に向かって一気に突っ走っていくスピード感、エネルギッシュさは大事にしたつもりさ」
 ちょっとでも立ち止まると、自分の追いかけている夢のはかなさを思い知らされてしまうからね、と語るデュリス。自分の言葉でしっかり話す姿は好感が持てるぞ。
「トムは人生を変えようと懸命に闘う男。
女性にもてもてなのは、よく分かるなぁ」


 偶然、舞い込んだチャンスを傍観して見逃すのか、それともしっかり自分の手で握り締めて「幸せ」行きの列車に乗り込むのか? 裏社会からの脱出を願っていたトムに人生の岐路が訪れる。少年時代のピアノの恩師にばったり出くわしたトムは、オーディションを受けることを勧められる。課題曲はバッハの「トッカータ ホ短調」。演奏の正確さが求められる高度な曲だ。

 デュリス、代役なしで素晴らしい指さばきを見せている。プロのピアニストである実姉に付いて、2か月間集中レッスンを積んだそうだ。
「そうなんだ。ピアノは全然弾けなかったので、ピアニストである姉に音符や譜面の読み方から演奏技術までイチから学んだんだ。バッハの「トッカータ」を完璧に演奏することは初心者には不可能なので、監督とも相談してカメラが指と鍵盤を映して絵になるパートを集中して特訓したんだ。実際に映画で流れているのは、録音の関係上、姉が演奏したものが使われているんだけど、その演奏に合わせて指を動かすのは大変だった。でも、劇中のトムと同様、2か月でも心を落ち着かせて集中して努力すれば、ピアノ演奏ができることが分かって、これは自信になったねぇ」

 どん底生活から脱出するため、幼い頃からの夢を実現するため、そして自分の元を去っていった母親の面影を追い求めるように、トムは懸命にピアノのレッスンに取り組む。
 犯罪映画だった「マッド・フィンガーズ」に比べると、ピアノを題材にした青春映画といった趣きが強く感じられる。
「この映画の中では、ピアノはひとつの役みたいなものだよね。ピアノと出会うことでトムは次第に変わっていき、ピアノのことをもっともっと知りたいと思うようになる。また、ピアノはとても女性的であり、母親のイメージでもある。ピアノの世界に触れたことで、トムの中に新しい一面が生じていく。まるで分裂症みたいになるわけだけど、ピアノという秘密を持ったことで、それはトムの新しい力にもなるんだ」

 そしてクライマックス。特訓の成果を見せるべく、オーディションの日がやってくる。ここまで観ると、もう観客も他人事ではなく、ピアノの前で緊張するトムの一挙手一投足にハラハラドキドキしてしまうのだ。
「オーディションの場面は、とても重要なシーン。『マッド・フィンガーズ』の中でも、ボクが一番好きなシーンだよ。カイテルの演技も素晴らしく、彼に近づけるように努力したんだ。オディアール監督も同意見で、このシーンは『マッド・フィンガーズ』とカメラフレームとかも同じように撮っているんだ。でも、ただコピーしただけでは観る人の心を揺さぶることはできない。映画を最後まで観ると分かってもらえると思うんだけど、オーディションはトムにとって重要ではあるけど、結果が全てじゃないんだ。自分で自分の人生を変えていこうとする、その過程こそが大事なのさ。トムはそのことに気付いたから、ラストシーンは『マッド・フィンガーズ』とは違ったものになっているんだ」

 「真夜中のピアニスト」を観る上で、とてもナイスなアドバイスである。しか〜し、残念ながら制限時間に。最後にデュリス、劇中でトムは女性にもてもてだったけど、もてもてになる秘けつは?
「自分でもトムがもてもてなのは、よく分かるよ。トムは自分なりに闘い続けて、新しい世界へ飛び立とうとしてるわけだからね。一生懸命に闘っている男は、周りの女性も放っておけないんじゃないかな。また、芸術に触れることでトムの女性に対する視線も変わっていくしね。ピアノを演奏していくことで、女性への愛情が芽生え、恋をしたいという感情も生まれてくる。ま、それがいろんな女性に対して表われてしまうんだけどさ。ボクが女性でもトムに惹かれていくと思うよ。え? 実生活でも女性にもてもてになる秘けつ? それはボクには分からないよ(笑)」

 フランスを代表する二枚目俳優ながら、ハーベイ・カイテルに敬意を払っているように、ひと癖ふた癖ある役を好んで演じるデュリス。取材記者ひとり一人に「アリガトウ」「ドウイタシマシテ」と覚えたての日本語で陽気に答える。でもって通訳されている間、ふっと遠くを見る瞳が、とってもイノセントなのだ。フランスの映画監督たちがこぞって、ロマン・デュリスに出演をオファーするのも納得である。
 “ロマン・デュリス祭り”絶賛開催中! フランスの“旬”の才能をアナタも体感してみよう。

(取材&文/ライター長野辰次)



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