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2006.1.24(火)更新
【東京シネマのぞき見隊】(67)
「下妻物語」、「NANA」に続け!
女の子2人の友情物語「かえるのうた」が公開中の
いまおかしんじ監督独占インタビュー&舞台挨拶レポート
【東京シネマのぞき見隊】(67)
「下妻物語」、「NANA」に続け!
女の子2人の友情物語「かえるのうた」が公開中の
いまおかしんじ監督独占インタビュー&舞台挨拶レポート
舞台挨拶でも、本作のきっかけとなった監督の友人である川島さんの話をしていたいまおかしんじ監督。その姿は、川島さんの存在を語る事を、あえて自らに課しているかのようにも見えた。そして、舞台挨拶後に次回作の話を伺うと「今やってます。それは、中年男がやってきてまたどっかに行っちゃう話。『かえるのうた』の撮影を経て、ようやく出来るようになりました」と答えてくれた。川島さんの死を乗り越え、それを真正面に捉えた次回作にも期待したい
【東京シネマのぞき見隊】(67)
「下妻物語」、「NANA」に続け!
女の子2人の友情物語「かえるのうた」が公開中の
いまおかしんじ監督独占インタビュー&舞台挨拶レポート
「脚本の時に想像した役と実際の役者さんと違うのは当たり前。決めた役者さんで脚本のイメージをどれだけ広げられるか」と話すいまおか監督(左)。良男役の吉岡さん(右)については「彼とは何本もやってるんで、ある程度は任せられるんですよね。でも、それで裏切られる事も多々あるんですけどね(笑)」と、常連俳優が相手なだけに手厳しくも温かいエールを送っていた
【東京シネマのぞき見隊】(67)
「下妻物語」、「NANA」に続け!
女の子2人の友情物語「かえるのうた」が公開中の
いまおかしんじ監督独占インタビュー&舞台挨拶レポート
舞台挨拶前のダブル主演の2人を直撃インタビュー!
向夏(左)「この作品は全体的にかわいらしい映画。(主演)2人のかわいらしい表情とか、しぐさを特に観てもらいたいな。是非、女の子に観て欲しいです」
平沢里菜子(右)「この映画はとにかくハッピーになれる映画。多分、観た後に何か残るものがあると思うので是非観て下さい」
打ち合わせもなかったのに2人とも黒のワンピースという気の合いよう。一見するとタイプの違う2人でも、やっぱりどこか通じているんですね
【東京シネマのぞき見隊】(67)
「下妻物語」、「NANA」に続け!
女の子2人の友情物語「かえるのうた」が公開中の
いまおかしんじ監督独占インタビュー&舞台挨拶レポート
写真撮影用に登壇者が各々ポーズを決めてくれました。ピンク映画の舞台挨拶では珍しい司会者の粋な計らいに、笑い上戸の平沢さんは笑いが止まらない様子。普通、ピースとかしないですもんね…
【東京シネマのぞき見隊】(67)
「下妻物語」、「NANA」に続け!
女の子2人の友情物語「かえるのうた」が公開中の
いまおかしんじ監督独占インタビュー&舞台挨拶レポート
浮気症の同棲相手に悩む朱美と、援助交際で生計をたてるマンガ家志望のキョウコ。性格も男に対する価値観も違う2人が、それぞれの夢に向かって友情を育んでいく
■ポレポレ東中野で上映中(〜1月27日(金)まで)
(C)アルゴ・ピクチャーズ
●いまおかしんじ●
1965年大阪府堺市出身。横浜市立大学在学中より朝日カルチャーセンターのシナリオ教室に通い、馬場当に師事。大学を中退し、1990年に獅子プロダクションに入社。深町章、渡辺元嗣、佐藤寿保、瀬々敬久らの作品で助監督を務める。1995年には神代辰巳監督の遺作となった「インモラル 淫らな関係」に助監督として参加。同年「獣たちの性宴 イクときいっしょ」で監督デビュー。以降、ピンク映画を中心に、オリジナルビデオ、ドキュメンタリー等幅広く活動。第17回ピンク映画大賞を受賞した2004年「たまもの」は一般映画館での公開がヒットを記録し、ピンク映画界以外からも注目を集める映画監督のひとりである。

【STAFF&CAST】
監督・脚本:いまおかしんじ 企画:朝倉大介 撮影:前井一作 出演:向夏(こなつ) 平沢里菜子 吉岡睦雄 七瀬くるみ 佐藤宏 伊藤猛 川瀬陽太(2005/インターフィルム=アルゴ・ピクチャーズ)65分・R-18

【「かえるのうた」イベント情報】
日程:1月27日(金)
場所:ポレポレ東中野 <漫画道v.s.映画道>
ゲスト:カネコアツシ(映画監督・マンガ家)
     いまおかしんじ(監督)
「乱歩地獄」の監督(カネコアツシ)と監督補(いまおかしんじ)として知り合い、今や合コンにも一緒に行く2人の最終日打ち上げトーク

【「かえるのうた」今後の上映情報】
■浜松東映 4月6日(木)〜7日(金)
■第七芸術劇場、名古屋シネマテーク、他(予定)
※詳細は公式サイトをご覧下さい

★ポレポレ東中野でのピンク映画上映速報!
本作上映後もポレポレ東中野ではピンク映画を特集上映する企画が進行中。今後もいまおかしんじ監督らピンク映画の新時代を担う旗手たちの動向から目が離せそうにない!

【ガンダーラ映画祭】
世のため人のため、公序良俗を守るべく、この世のカンダーラ(理想郷)とは何かを徹底的に調査追求する娯楽映画祭。この映画祭では、いまおかしんじ監督の「南の島にダイオウイカを釣りにいく」(2006年/DV/20分)が上映される。いまおかファンは要チェック!
日程:1月27日(金)〜29日(日)
場所:LA CAMERA
問合せ:IMAGE RINGS


>> 公式サイト
>> 「かえるのうた」公式ブログ
>> 「ポレポレ東中野」公式サイト
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「たまもの」のいまおか監督が放つ
待望の新作「かえるのうた」


 2005年11月26日(土)公開の「花井さちこの華麗な生涯」を皮切りにポレポレ東中野で連続公開されているピンク映画。その第3弾が「たまもの」(’04)のヒットも記憶に新しい、ピンク映画界の異才・いまおかしんじ監督の新作「かえるのうた」である。「たまもの」の主人公がボーリング好きならば、今度の主人公・朱美(向夏)は大の“カエル”好き。彼女の部屋はカエル・グッズで溢れ返り、ウサギ飛びならぬカエル飛びまで見せてくれる。いつもその独特なディテールで観客を“いまおかワールド”へ引き込み虜にしてしまう監督だけに、“カエル”というキーワードに加え歌も踊りもあるという本作に注目が集っている。そんないまおか監督にインタビューすべく、早速、初日1月14日(土)のポレポレ東中野に向かった。
「かえるのうた」制作の意外なきっかけ

 舞台挨拶前にポレポレ東中野の一室で行なったいまおか監督インタビュー。しかし、現れたのはいまおか監督と若い男性がもうひとり…?! なんと、いまおか監督作品では常連俳優であり、本作でも朱美と同棲する浮気症の彼氏・良男役を好演していた吉岡睦雄さんではないか! 実は、この日のインタビュー前にいまおか監督と共に本作のビラまきを行なっていたのだ。

 浮気症の彼氏に悩む朱美と、援助交際をしながら漫画家を目指すキョウコ(平沢里菜子)の2人が、それぞれの夢に向かいながら友情を育んでいくという本作。いつも脚本からその個性を強く反映させる監督に、「かえるのうた」の製作経緯を伺うと思わぬ話を語ってくれた。
「川島さんっていう大学からの友達がいて、『かえるのうた』を撮影する半年前に彼が自殺したんですね。40歳くらいまで一度も女の人と付き合ったことがないまま。で、なんかね…彼が死んだことに俺『理由をつけたい』と思って。それで、『女の人がいなかったから死んだんだ。女なんて嫌いだ』っていう風に考えて、女に絶望してる中年男2人の話を撮ろうとしたんです」
 お話を伺いながら、川島さんの死が監督や彼の周りの人達に大きく横たわっているであろう事が私にも容易に想像ができた。多くのピンク映画を手がけてきたいまおか監督にとって、本作を撮ることが悲しい現実を乗り越える方法だったのかもしれない。
「でも結局、生々し過ぎて出来なかった。だから、最終的に俺と川島さんじゃなくて、女性2人の話にしたんですよね」
 と続け、中年男が若い女の子になっても朱美やキョウコの抱えてる“さみしさ”は自分も根底で持っている。だから、彼女たちにも感情移入できたとも語っていた監督。そう、本作の2人が抱える“さみしさ”には、性別も年齢も関係ない。誰もが心のどこかで抱えている共通の感情なのだ。
いまおかしんじ監督×吉岡睦雄が語る
“いまおか映画”の作り方


 今回せっかく吉岡睦雄さんにも同席頂いているので、いまおか作品について俳優側からのお話を伺うことに。何の質問にも彼独特の“例え”で答えてくれた吉岡さんは、監督の演出について“公園”を例えにこう語ってくれた。
「役を演じるとき、いまおか監督は『公園は広くてボールもあるけど、どうする?』みたいな聞き方をするんですよ。それに対して俺が『ドッジボールしたい』って答えると『ここはドッジボールは禁止』と監督が言う。『じゃぁ鬼ごっこがしたい』と俺が返すと、『じゃあ、鬼ごっこでいってみようか』っていう感じのことを言われる。でもそれは役者にとってはすごくしんどいんです。だって『滑り台で遊べよ』って言われる方が演じる側もラクじゃないですか」
この吉岡さんの“公園”の例え話に、黙ってられないとばかりに監督はこう切り替えした。
「すごい例えだな(笑)。でもね、そうやってる間にこっちも色々と考えてるんだよ。要は時間が必要なわけ。カメラマンはアングルを探ったり、助監督は変な小道具をみつけてきて『これ使えないですか? この植物!』みたいにアイデア出してきたり(笑)。そうやって試行錯誤しているうちに、全員の焦点が絞れていくんだよ。全員のタイミングがパッと合った時に本番いけたら、(きっと)天才監督なんだな。でもこれが俺の場合は、ズレちゃうんだ。難しいよな(笑)」
 天才肌というか、天然肌(失礼!)の吉岡さんが語った“公園”例え話のお陰で(!?)で、いまおか監督の現場の風景が浮かんでくるような気がした。いまおか作品に漂う独特の世界観は、こういう現場でのスタッフ、キャストとの試行錯誤を経て生みだされているのだ。
初日は主演・向夏(こなつ)さんのバースデー!
ダブル・ハッピーに沸いた舞台挨拶


 ほぼ1時間に及んだインタビューを終え、監督と吉岡さんは舞台挨拶へ。劇場内に入ると、雨の降りしきる初日にも関わらずもう満席。登壇者たちを待ちわびる観客を前に早速、監督を筆頭にダブル主演の向夏(こなつ)さん、平沢里菜子さん、そして吉岡睦雄さんらが登壇すると、観客の温度は一気に上がる。吉岡さんの「自分がバイトしている東中野の街で出演作が上映されて嬉しい」とコメントして観客の笑いを誘うと場内は一気に和んだムードに。いまおか作品初出演となった主演の向夏さんが「監督のことがなかなか理解できなかった」と初出演らしいコメントをすると、ここで本日のサプライズ! 初日の1月14日(土)は向夏さんの誕生日という事で、スタッフからバースデーケーキがプレゼントされる。登壇者たちがバースデー・ソングを大合唱する中「24歳になりました」と話す向夏さん。場内からは“おめでとう!”の声が飛び、本作の初日と向夏さんの誕生日というダブル・ハッピーに沸いた舞台挨拶は無事に幕を閉じた。

 取材に際して本作を観て、何より印象的だったのが驚きのエンディングだ。インタビュー中にこのことに関し「別にサスペンスでも何でもないからネタばれしてもいいんじゃないか」と洩らしていた監督。それでも、今回、私はラストシーンについてはあえて触れずにこのレポートを結びたい。何故なら、私自身が本作のエンディングに小さなものかもしれないけど大切な幸せをもらったからだ。「よっぽど幸せじゃないってことですね、それは」と監督に同情されたが…(涙)。「未来なんて明るいわけがないと思う。だけど、一日もいい日がないのかというとそうでもないでしょ」と言う監督の用意した物語の結末には、女の子ならずとも“元気”と“勇気”を貰えるはずだから!

取材・文/藤森綾子(ワークス・エム・ブロス)

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