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2006.3.4(土)更新
【動画・来日独占インタビュー】
ブレイク間違いなしの若手俳優マイケル・ピットが、
「ラストデイズ」で伝説のロックスター役に挑戦!
【動画・来日独占インタビュー】ブレイク間違いなしの若手俳優マイケル・ピットが、「ラストデイズ」で伝説のロックスター役に挑戦!
「ラストデイズ」でカリスマ的人気を誇るロックミュージシャン、ブレイク役を演じたマイケル・ピット。澄んだ青い瞳が印象的。今回、25件ものインタビューをこなした。日本のマスコミも彼の今後の活躍に注目しているのだ
【動画・来日独占インタビュー】ブレイク間違いなしの若手俳優マイケル・ピットが、「ラストデイズ」で伝説のロックスター役に挑戦!
「ラストデイズ」と同じガス・バン・サント監督の「小説家を見つけたら」にも出演しているマイケル。「2つの作品の違いは、セットの大きさとキャスト、スタッフの人数が『小説家』の方が多かったということぐらいだね」
【動画・来日独占インタビュー】ブレイク間違いなしの若手俳優マイケル・ピットが、「ラストデイズ」で伝説のロックスター役に挑戦!
「どうぞ、『ラストデイズ』をヨロシク!」と最後まで明るく振る舞ってくれたマイケル。映画スターとして今後ますます忙しくなるだろうけど、いつまでも陽気さを失わずにいて欲しいナイスガイなのだ
【動画・来日独占インタビュー】ブレイク間違いなしの若手俳優マイケル・ピットが、「ラストデイズ」で伝説のロックスター役に挑戦!
癒し難い孤独を抱え込んだロックスターのブレイク(マイケル・ピット)。「カウガール・ブルース」(’93)はリバー・フェニックスに捧げられたが、「ラストデイズ」は同時期に亡くなったカート・コバーンに捧げる作品となった
【動画・来日独占インタビュー】ブレイク間違いなしの若手俳優マイケル・ピットが、「ラストデイズ」で伝説のロックスター役に挑戦!
ロックバンド「ソニックユース」のサーストン・ムーアが音楽コンサルタントとして現場に立ち会っている。カート・コバーンの死を忠実に再現した作品ではないが、人気ミュージシャンの空虚な日常生活がリアルに描かれている
【動画・来日独占インタビュー】ブレイク間違いなしの若手俳優マイケル・ピットが、「ラストデイズ」で伝説のロックスター役に挑戦!
アルバム『ネバーマインド』が爆発的なセールスを記録したニルヴァーナだが、ボーカルのカート・コバーンは1994年に27歳の若さで死去。コバーンをモデルにした主人公ブレイクをマイケル・ピットが痛々しいほど熱演
■「ラストデイズ」は3月18日(土)より渋谷シネマライズほか全国順次公開
STAFF&CAST
監督・脚本・編集:ガス・バン・サント 撮影監督:ハリス・サビデス(ASC) 音楽コンサルタント:サーストン・ムーア(ソニックユース) 出演:マイケル・ピット ルーカス・ハース アーシア・アルジェント スコット・グリーン ニコール・ビシャス キム・ゴードン リッキー・ジェイ(2005米/エレファント・ピクチャー)97分

【マイケル・ピット プロフィール】
1981年米国ニュージャージー州出身。99年に舞台「The Trestle at Pope Lick Creek」で俳優デビュー。その後、テレビドラマ「ドーソンズ・クリーク」に出演。ガス・バン・サント監督作「小説家を見つけたら」(2000)、ベルナルド・ベルトルッチ監督作「ドリーマーズ」(2003)、M・ナイト・シャラマン監督作「ヴィレッジ」(2003)、アーシア・アルジェント監督作「サラ いつわりの祈り」(2004)などに出演。中でもジョン・キャメロン・ミッチェル監督の「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(2001)では若きロックスター役を演じ、大いに注目を集めた。スカーレット・ヨハンソンと共演した「Delirious」(2005)が公開待機中のほか、キーラ・ナイトレイ、中谷美紀、役所広司との共演で話題となっているマイケル主演作「SILK/シルク」が現在制作進行中。2007年の公開が予定されている。今後の活躍が期待されている若手スターだ
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「シナリオはわずか12ページだった。
本当に芸術的な作品になったと思うよ」


 現代を生きる若者たちのさまよえる魂を一貫して撮り続けている米国インディペンデント映画の雄、ガス・バン・サント監督。リバー・フェニックス主演の「マイ・プライベート・アイダホ」(’91)をはじめ、ガス・バン・サント監督作品に登場する若者たちはナイーブなハートを抱え、生きる意味、形ある真実に触れようといつももがき苦しんでいる。一時期は「グッド・ウィル・ハンテイング 旅立ち」(’97)、「小説家を見つけたら」(2000)などウェルメイドなハリウッド作品を手掛けていたが、高校生による銃撃事件を題材にした「エレファント」(2003)がカンヌ映画祭パルムドール&監督賞を受賞し、再び彼のインディペンデント的活動が注目を集めている。最新作「ラストデイズ」も観る者の胸をえぐる作品だ。1994年、人気絶頂期にありながら27歳の若さでみずから命を絶ったロックバンド「ニルヴァーナ」のボーカリスト、カート・コバーンが過ごした最後の2日間をモチーフにしている。
 劇中ではブレイクという役名になっているが、ドラッグ&アルコールの過剰摂取から立ち直るために入れられたリハビリ施設を脱走したコバーンがモデルであることに間違いない。冒頭、寒々とした森の中をブレイクがひとりぼっちで歩き続ける。心の闇をさまよっているかのような印象的なシーンだ。自分の山荘に辿り着くも、たむろする仲間たちは彼の心の叫びに気付くことはなく、自分の相談ごとを持ち掛け、お金の無心をする。何人かは彼の変調を察知しているものの、死の淵から救い上げることはできない。ナレーションや説明的な台詞はなく、ブレイクが何に怯え、どんな心の傷を負っていたのかは明示されない。観た者が自分でその答えを導き出さなくてはいけない、ガス・バン・サント監督らしい問題作である。

 今回、主人公ブレイク役に抜擢されたのは、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(2001)で新進のロックスター役の好演が光っていた若手俳優のマイケル・ピット。マイケル自身も「パコダ」というバンドを組んでいるミュージシャンでもある。日本、イタリア、カナダによる合作映画「SILK/シルク」の日本ロケの合間を縫って、インタビューに応えてくれた。
 カート・コバーンというカリスマ的ロックシンガーの最後を演じるという難役。大変なプレッシャーだったのではないだろうか。
「確かにね、コバーンをモデルにしたブレイク役は演じる上でプレッシャーがあったよ。でも撮影現場では、そんな事言ってられないからね。プレッシャーは捨てて、撮影に挑んだんだ。役が役だけになるべく他のキャストやスタッフとは離れて過ごすように努めていた。主人公の心の移り変わりをスクリーンで見せるためにね。撮影は大変な部分もあったけど、でも大変なだけじゃないよ。映画の撮影自体は楽しい作業なんだ。実際、ボクがいない時には、すごく笑えるような出来事も起きてたみたいだしね。ボクから面白エピソードを披露できないのが、残念だよ」

 スクリーン上のブレイクは傷つき易いガラス細工のような存在だが、インタビューに応じているマイケルはとても明るいアメリカ青年だ。澄んだ青い眼を輝かせながら語りかけてくる。こちらも、ほっとひと安心。
 さて、ガス・バン・サント監督の前作「エレファント」の脚本はわずか20ページ。大枠だけ決めて、後は現場で俳優たちに即興で演じさせ、1シーン1カットの長回しで撮っている。「ラストデイズ」での撮影はどのような形で進んだのだろう?
「今回のシナリオは、さらに薄くてわずか12ページだったよ(笑)。シナリオの厚さもわずかだったけど、撮影期間も17日間と短かった。演技はほとんど即興だね。また俳優だけでなく、監督もその状況に応じて即興的な演出を進めていったんだ。撮影現場の様子を言葉で説明するのは、ちょっと難しいな。もちろん緊張感もあったけど、それだけではなかったんだ。みんなの『いい作品をつくりたい』という気持ちが溢れていたんだ。お金のために参加してる人間は誰もいなかったな、あの現場には。本当の意味でのアーティスティックな作品になったと思うよ」
「自分を痛めつけているスターは多い。
でも、それが必然のものかは疑問だよ」


 主人公ブレイク役を演じたマイケル・ピットは、劇中で自分の作詞作曲による曲「Death to Birth」を披露する。“死んでから生まれ変わるまで、それは長く孤独な旅”という歌詞が切ない。ひとりのミュージシャンが死に至るまでを淡々と追ったシリアスな「ラストデイズ」だが、マイケルは「貴重な体験だった」と撮影体験をポジティブに自分のものとして咀嚼している。
「曲を演奏する時は、7テイク、8テイク…と撮り直したんだ。毎回、即興で演奏していたから、ミュージシャンとしては7〜8曲、新曲をつくっているような気分だったよ。ガス・バン・サント監督とは以前『小説家を見つけたら』に小さな役でボクは出演していたんだ。だけど、ガス監督とボクの関係は役の大小に関わらず変わらなかった。まず役者に自由にやらせてくれて、その上で監督が気に入らなかった場合は少しずつ調整していくんだ。ふつうの監督は『こうやってくれればいいから』と指示を出して、その通りに演じておしまい。その点、ガス監督は自由にやらせてくれる。素晴らしいよ」

 そうそう、マイケルはショーン・コネリー主演作「小説家を見つけたら」に先生にイジメられる純真な高校生役で出演していたのだ。それにしてもガス・バン・サント監督は「グッド・ウィル・ハンティング」や「小説家を見つけたら」のような心温まるヒューマンなドラマを発表する一方で、デビュー作「ドラッグ・ストア・カウボーイ」(’89)に「エレファント」、そして今回の「ラストデイズ」のように救いのない、観る者の心を凍り付かせるような作品も多い。はたして、どちらが“人間”ガス・バン・サント監督の素顔に近いのかマイケルに尋ねてみた。
「うん、確かにガス・バン・サントという1人の人間がいて、映画監督という仕事をしているわけだよね。きっと、そういう仕事をやり続けていく上で、自分のアートフォームをつくるためにも、いろんなことをやっていかなきゃいけないんだと思うな。ただ、彼らしい代表作といえば、やっぱりデビュー作の『ドラッグ・ストア・カウボーイ』や『マイ・プライベート・アイダホ』、『誘う女』(’95)、そして『エレファント』『ラストデイズ』になるんじゃないかな。ボクが思うに、それらの作品が彼本来のタイプのものだろうね」

 ニルヴァーナのカート・コバーン、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズ、ドアーズのジム・モリソン、そして将来を嘱望されていた人気俳優のリバー・フェニックス。ファンの熱狂的な支持とは裏腹に、彼らは孤独に蝕まれドラッグに溺れてしまった。ミュージシャンでもあり、今後の活躍が期待されているマイケルも心の中に“孤独”を抱えているのだろうか。
「う〜ん、アーティストはそれぞれ違う過程を経て、表現活動をしているわけだから、一概には言えないと思うな。確かにボクの好きなミュージシャンたちの人生を見ると自分自身を痛めつけたり、心の傷を抱えていたり、孤独に悩まされていた人が多い。でも、はたして必然性があって、悩みや孤独を抱え込んでいたのかどうかは分からないよ。アーティストは孤独でなくてはならないのか? それとも、ただの偶然なのか? 難しい問題だよ。ボク自身? この作品に出演したからといって別に周りからは特別に心配されていないなぁ(笑)。まぁ、以前から心配されているとも言えるわけだけどね。こんな答えでいいかな?」

 今回、2日間で25件ものインタビューに対応したマイケル。さすがに取材終了後は、疲れてベッドにどっと横たわり、気持ちよさげにマッサージを受けていた。でも、別れ際にはこちらに向かって「バ〜イ!」と手を振る陽気なアメリカンである。きっとガス・バン・サント監督も今回の主人公ブレイクは自分を追い込むシリアスな役だけに、マイケルのような明るく健康的な俳優を起用したのだろう。
 劇中で見せたナイーブさもマイケルの一面だし、インタビューに誠実に応えようとする優しさや、ハードな撮影を貴重な体験と捉えることのできる前向きさもマイケルの一面である。人間は“ダメ”とか“イケテル”とかひと言で済ませられるものではない。「ラストデイズ」の主人公ブレイクも最後の最後まで別の選択肢があったのではないだろうか。マイケルの明るい笑顔に触れた後だけに、そんな思いが強く残った。人生という長回しのドラマにエンドマークを打つのは、もっともっとのんびり考えてからでいいではないか。

 (取材・文/ライター長野辰次)



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