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2006.2.23(木)更新
【動画・完成披露記者会見レポート】
三池崇史監督が「マスターズ・オブ・ホラー」に認定されたぞ
伝説の男トビー・フーパー監督と“師弟”の絆を固め合ったのだ
【動画・完成披露記者会見レポート】三池崇史監督が「マスターズ・オブ・ホラー」に認定されたぞ伝説の男トビー・フーパー監督と“師弟”の絆を固め合ったのだ
「インプリント」に主演した工藤夕貴を挟んで、日米マスターズ・オブ・ホラーのトビー・フーパー監督(『ダンス・オブ・ザ・デッド』)と三池崇史監督(『インプリント』)が初顔合わせ
【動画・完成披露記者会見レポート】三池崇史監督が「マスターズ・オブ・ホラー」に認定されたぞ伝説の男トビー・フーパー監督と“師弟”の絆を固め合ったのだ
問題作「インプリント」を手掛けた三池監督。「岩井志麻子さんの原作がすごすぎる。イメージがどんどん膨らむけど、それをどう止めるかという作業だった。迷路に迷い込み、正気に戻ったら作品ができていた」
【動画・完成披露記者会見レポート】三池崇史監督が「マスターズ・オブ・ホラー」に認定されたぞ伝説の男トビー・フーパー監督と“師弟”の絆を固め合ったのだ
トビー・フーパー監督の「ダンス・オブ・ザ・デッド」は核戦争後の近未来が舞台。「この原作は現代、とくにアメリカ社会を投影していると思う。映像化することで大切なものを訴えかけることができると考えたんだ」
【動画・完成披露記者会見レポート】三池崇史監督が「マスターズ・オブ・ホラー」に認定されたぞ伝説の男トビー・フーパー監督と“師弟”の絆を固め合ったのだ
「インプリント」で今までの映画にはない“恐くて美しい”ヒロインを演じた国際派女優の工藤夕貴。「ホラー映画は初めての体験。トイレの鏡で自分の顔を見て本当に怖くなりました(笑)」
【動画・完成披露記者会見レポート】三池崇史監督が「マスターズ・オブ・ホラー」に認定されたぞ伝説の男トビー・フーパー監督と“師弟”の絆を固め合ったのだ
岩井志麻子の短編小説「ぼっけえ、きょうてえ」を映像化した「インプリント」。ハリウッドで活躍する撮影監督・栗田豊通、衣装は「メゾン・ド・ヒミコ」の北村道子など豪華スタッフが参加しているのも話題
【動画・完成披露記者会見レポート】三池崇史監督が「マスターズ・オブ・ホラー」に認定されたぞ伝説の男トビー・フーパー監督と“師弟”の絆を固め合ったのだ
トビー・フーパー監督は「子供の頃からのファン」というSF作家リチャード・マシスンの短編小説を「ダンス・オブ・ザ・デッド」として映像化。フレディ役で知られるロバート・イングランドが出演している
STAFF&CAST
『マスターズ・オブ・ホラー』

「インプリント ぼっけえ、きょうてえ」
監督:三池崇史 原作:岩井志麻子 脚本:天願大介 撮影:栗田豊通 衣装:北村道子 特殊メイク:松井祐一 出演:工藤夕貴 美知枝 根岸季枝 ビリー・ドラゴ(2005米/角川ヘラルド・ピクチャーズ)63分

「ダンス・オブ・ザ・デッド」
監督:トビー・フーパー 原作:リチャード・マシスン 音楽:ビリー・コーガン 視覚効果:リー・ウィルソン 出演:ジョナサン・タッカー ジェシカ・ロウンデス ライアン・マクドナルド マリリン・ノーリー ルーシー・ゲスト ロバート・イングランド(2005米/角川ヘラルド・ピクチャーズ)59分

■「マスターズ・オブ・ホラー」は今夏、劇場公開の予定。「インプリント ぼっけえ、きょうてえ」は現在は未定だが劇場公開の可能性はあり

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映像表現の限界に挑んだ三池監督作
「インプリント」は劇場公開可能か?


 これは、もう事件だ! チョモランマ登頂、いや極北走破とでも言うべきか。“キング・オブ・バイオレンス”三池崇史監督がついに映像表現の到達点を極めた。世界の名だたるホラー監督13人が集結した恐怖アンソロジー「マスターズ・オブ・ホラー」の一編として創られたアジア代表・三池監督の「インプリント ぼっけえ、きょうてえ」はホラー映画というジャンルを凌駕し、映倫はおろか映像表現のボーダーライン、人間としての道徳観、倫理観にまで刃物を突き付けている。

 限定試写で「インプリント」を観たが、三池監督の代表作「オーディション」(’99)、「殺し屋1」(2001)、「極道恐怖劇場 牛頭」(2003)を掛け合わせた、まさに正視できない怖さだ。舞台は明治時代と思われる日本。かつて愛した女性の面影を求めてアメリカ人記者のクリス(ビリー・ドラゴ)は、放浪の末に貧しい女郎街に辿り着く。謎めいた娼婦(工藤夕貴)に心惹かれたクリスだが、その晩、彼女から身の毛のよだつ寝物語を聞かされることに…。
 原作である岩井志麻子の短編小説「ぼっけえ、きょうてえ」は岡山弁で「とっても怖い」の意味。原作の岡山弁が映画では全編英語の台詞になっているが、恐怖のありとあらゆる要素が詰め込められている。まさに恐怖のロイヤル・ストレート・フラッシュ状態。
 放送コードのゆるい米国のケーブルテレビ向けコンテンツとして創られ、すでに放送された「マスターズ・オブ・ホラー」だが、なんと三池監督の「インプリント」はあまりにもタブーに挑み過ぎたために13作品中唯一放送中止になった問題作なのだ。

 三池作品だけでも怖過ぎなのに、「マスターズ・オブ・ホラー」には「ハロウィン」(’78)、「ザ・フォッグ」(’79)のジョン・カーペンター監督、「サスペリア」(’77)、「フェノミナ」(’84)のダリオ・アルジェント監督、テレビ版「シャイニング」(’97)のミック・ギャリス監督(当シリーズのプロデュースも)と世界中のホラー映画界の名士13人がそろった。ホラー界のドリーム・チーム(ホラーだからナイトメア・チームか)が誕生したのだ。
 実際の事件をノンフィクション・タッチで描いた「悪魔のいけにえ」(’74)での衝撃的デビューによって伝説化されていたトビー・フーパー監督もゾンビものに少年少女のラブ・ロマンスをからめた「ダンス・オブ・ザ・デッド」で参加。今回、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で審査員を務めることもあって、「悪魔のいけにえ2」(’86)以来となる来日を果たした。
 日米“マスターズ・オブ・ホラー”が顔をそろえての会見が2月21日、ホテル西洋銀座で行なわれた。会見場にはホラー大好きな映画ライター、編集者が誘蛾灯に群がる羽虫のごとく続々と押し寄せた。
 それでは、映像表現の限界に挑んだ2人の巨匠の奥深〜いコメントを紹介しよう。
トビー・フーパー監督、熱くホラーを語る
「完全なる自由が与えられた画期的な企画」


 20年ぶりの来日となったトビー・フーパー監督。「マスターズ・オブ・ホラー」に参加するにあたって次のようなオファーがあったことを語った。
フーパー「プロデューサーからは『とにかく怖いものをつくってくれ』と言われた。作品についての注文はそれだけだった。今回は映像作家として完全なる自由が与えられたんだ。ファイナルカット(編集権)もキャスティングも全て任されたんだ。アメリカの映像作家にとって、これは大変な名誉。プロデューサーが内容に関して干渉してくることはなかった。そのことで映像作家として、より成長することができたように思うよ」

 ハリウッドではプロデューサーが監督よりも発言力を持っており、最終的な編集権も握っている。監督自身に編集権が与えられているのは、スピルバーグなどコンスタントに興業成績を残した極々一部の監督だけ。16mmで撮ったデビュー作「悪魔のいけにえ」、興業的に成功した「ポルターガイスト」(’82)以降は不遇状態の続くフーパー監督のコメントだけに、やけに実感がこもっていた。続いて三池監督にマイクが回った。
三池「プロデューサーからは『アメリカは自由の国だ。何をやっても構わない』と言われた(笑)。『オーディション』の針より痛くしていいのか?と聞くと『OKだ』と言われた。『殺し屋1』よりヤバいものを出していいのか?と聞くと『OKだ』と言われた。ただ予算だけは守ってくれと言われましたけど」

 「オーディション」「殺し屋1」の題名が出ただけでマニア系記者から歓声が上がる。欧米で三池監督の名を知らしめた「オーディション」が日本では黙殺状態だったと聞き、フーパー監督はご立腹の様子。
フーパー「最近の日本のホラー映画は、どれも凄い。『リング』はオリジナル版(中田秀夫監督)が好きだな。三池監督の『オーディション』は凄い作品だよ。台詞に頼らずに映像表現によって創り上げられている。あれこそがシネマだ。何? 『オーディション』を観ていないヤツがいるだと? 恥じを知れ!」

 ホラーで結ばれた絆は、かくも深いようだ。そして三池監督は大阪で過ごした少年時代のエピソードも明かしてくれた。
 三池「15歳のとき、カンフー映画ばっかり観てました。これじゃマズイと自分で思い、チャップリンの『街の灯』のリバイバル上映を観に行ったんだけれど、劇場がいっぱいで入れなかった。そこでふらふらと入った劇場で上映されていたのがフーパー監督の『悪魔のいけにえ』ですよ(笑)。それまでホラーなんて観たこともなかったのに」
 おぉ、バイオレンス映画の巨匠の誕生には、伝説の男トビー・フーパーが関与していたのか。もし、その日、三池監督が「街の灯」(’31)を観ていたら、今とは全然違った作風の監督になっていたのかも知れない。ホラー界の絆は鮮血よりも濃いようだ。
ハリウッドの人気女優も大絶賛!!
「三池監督は米国人には刺激的過ぎ」


 世間の常識、タブーに挑戦し続ける2人の男を激励するため、「インプリント」に主演したハリウッド女優の工藤夕貴が花束を持って来場した。
工藤「子供の頃からかなり漫画を読んでいて、特にホラーは大好きなジャンルでした。ホラー映画は初めての体験でしたが、三池監督と出会ったことで自分の中にこんな一面もあったんだと新しい発見をすることができました。『インプリント』はアメリカ人には刺激が強過ぎて見てもらえなかった(放送されなかった)と裏話を聞いて口をあんぐりしてしまいました(笑)。でも、そのくらいの意気込みがないと、これからの日本はダメだと思います。いい意味で、世界に殴り込みをかけられるような作品に出れたことを幸せに思います」

 さすが国際派女優、スピーチもしっかりしているではないか。
工藤「フーパー監督の『ダンス・オブ・ザ・デッド』も拝見しました。もしかしたら、こんな時代が来るのかも知れないという怖さがありますね。独特の世界観がとても面白い作品だと思います」
 ハリウッド女優からのねぎらいの言葉と花束に、コワモテの三池監督、来日直後でお疲れ気味だったフーパー監督もにっこりスマイル。

 会見は円満に終了したが、刮目すべきはこれからだ。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭でのワールドプレミア(2月25日)、CS放送、DVD発売は決まっているが、果たして劇場での一般公開はどうなるのか? アメリカのケーブル・テレビで放送中止になった三池監督の「インプリント」に対して、日本の映倫はどういう反応を見せるのか。年齢制限や部分的なカットで済むようなやわな作品ではない。フーパー監督の「ダンス・オブ・ザ・デッド」も薬物注射など、かなりヤバい内容である。
 自由を手に入れた者は、その代わり責任も負わなくてはいけない。もちろん三池監督もフーパー監督も肝を据えた上での「マスターズ・オブ・ホラー」への参加だ。2人の今後の動向、そして劇場公開の行方に要注目である。

(取材・文/ライター長野辰次)


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