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2006.6.1(木)更新
【東京シネマのぞき見隊】(79)
アードマン・アニメーションズの創設者に独占インタビューを敢行!
三鷹の森ジブリ美術館で開催中の<アードマン展>をレポート!!
【東京シネマのぞき見隊】(79)
アードマン・アニメーションズの創設者に独占インタビューを敢行!
三鷹の森ジブリ美術館で開催中の<アードマン展>をレポート!!
アードマンの2人(中央がピーター、右がデビッド)と記念撮影を行なった宮崎駿(左)は終始笑顔。「展示物が美術館に届いたときは、サイズの大きさに驚きました。さすがはアードマンっていえるようなデザインや色使いは、見ているだけでワクワクできる!」と笑顔で語っていた
【東京シネマのぞき見隊】(79)
アードマン・アニメーションズの創設者に独占インタビューを敢行!
三鷹の森ジブリ美術館で開催中の<アードマン展>をレポート!!
入り口ではアードマンの代表的なキャラクター「モーフ」(右)が来場者をお出迎え。実寸大(?)のグルミットや、ヒツジ(「ウォレスとグルミット 危機一髪!」に登場)といったオブジェ。映画に使用した人形、世界中から集められた「ウォレスとグルミット」グッズが並んでいる
【東京シネマのぞき見隊】(79)
アードマン・アニメーションズの創設者に独占インタビューを敢行!
三鷹の森ジブリ美術館で開催中の<アードマン展>をレポート!!
これはアードマンの人形制作チームが使用している机を再現したもの。手作業で行なわれる人形制作に欠かせない道具や、作りかけの人形、人形の内部構造を知ることができる設計図などを見ることができる。作品に登場する人形たちの細かい部分を形作るプロの道具に興味津々
【東京シネマのぞき見隊】(79)
アードマン・アニメーションズの創設者に独占インタビューを敢行!
三鷹の森ジブリ美術館で開催中の<アードマン展>をレポート!!
ミュージアム・ショップの「マンマユート」や、カフェ「麦わらぼうし」ではアードマン・グッズや特別メニューを展開。写真はイギリスの定番メニューであるフィッシュチップス(鱈のフライ)をパンにはさんで食べる「イギリス生まれのフィッシュサンド」1000円。デザートなども用意されているので、この機会にぜひ!
【東京シネマのぞき見隊】(79)
アードマン・アニメーションズの創設者に独占インタビューを敢行!
三鷹の森ジブリ美術館で開催中の<アードマン展>をレポート!!
快くインタビューに応じてくれたピーター・ロード(左)とデビッド・スプロクストン(右)。実は2人とも「ウォレスとグルミット」のネクタイを締めているのだ!(写真だと小さくてわからないけど…)
「ジブリ美術館に来て僕らも美術館を作りたくなったよ」
(ピーター)
「僕らの仕事は長期にわたる頭脳労働。その過程をみて、楽しんでほしい」(デビッド)
【ピーター・ロード プロフィール】
アードマンで現役の映画監督として活躍しつつ、共同経営者兼クリエイティブ・ディレクターを務める。監督作は短編アニメ「アダム」('91)や「どっちが豚!?」('96)、長編アニメの「チキンラン」('00)など

【デビッド・スプロクストン プロフィール】
ピーターとともにアードマンを設立した共同経営者兼エグゼクティブ・チェアマン。現在はアードマンの管理・運営部門で屋台骨を支えている。イギリスのBBCで人気のアニメ「モーフの冒険」('81〜'83/監督:ピーター・ロード、デビッド・スプロクストン)など、数々の作品をピーターと共同で製作

<三鷹の森ジブリ美術館企画展示 アードマン展>
■〜2007年5月予定
場所:三鷹の森ジブリ美術館内
    1階 企画展示室
料金:大学生・大人1000円、中学・高校生700円、
    小学生400円、幼児(4歳以上)100円
※4歳未満は無料
来館方法:毎月10日(土・日・祝日の場合は翌平日)に       ローソンで発売される日時指定チケットで来館
休館日:毎週火曜日

※詳細は「三鷹の森ジブリ美術館」来場案内ページを
  ご覧下さい


>> 公式サイト
>> 「ウォレスとグルミット」公式サイト
>> 「三鷹の森ジブリ美術館」来場案内ページ
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「“ウチも負けてられない!”と思うくらい
素晴らしいスタッフが揃ったスタジオ」(宮崎駿)


 現在、三鷹の森ジブリ美術館(以下、ジブリ美術館)では<アードマン展>が開催されている。アードマンとは、「ウォレスとグルミット」シリーズなどで知られるイギリスのアニメーション・スタジオ、アードマン・アニメーションズ(以下、アードマン)のこと。このスタジオが手掛けた「愛してる…愛してない!?」('92/監督:ジェフ・ニューイット)や「どっちが豚!?」('96/監督:ピーター・ロード)といった初期の短編アニメを観てクレイアニメーションにハマッた私は、アードマンの創設者とスタジオジブリの宮崎駿がイベント開催を記念した対談を行なうことを聞き、さっそくジブリ美術館へと駆けつけた!
 会場に入ってまず驚かされたのが、100点を超える展示物。先日、第78回アカデミー賞の長編アニメーション部門を受賞した「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」で実際に使用された人形やセット、遊び心満載のオブジェを間近で眺めることができる。さらにアニメーション編集の体験コーナーや、貴重な原画・映像などを間近で見ることができる。眺めているだけでアードマンについて詳しくなれる、内容盛りだくさんの展示となっているのだ!

 この日の対談では、アードマンの共同経営者であるピーター・ロード&デビッド・スプロクストンがスタジオの歴史をコメント(なんと2人が初めてアニメーションを作ったのは12歳のとき)。友達同士だった彼らが40年にわたって一緒にアニメーションを制作し続け、今では200名以上のスタッフを抱える大所帯にまで成長したことについて彼らは「“面白いな”って思ってやっていたら、いつの間にか仕事になっていたんだ(笑)」と、こともなげに語る。彼らを“裏表のない誠実なクリエーター”と絶賛する宮崎駿は、アードマンに初めて訪れたときの思い出を次のように語った。
「ちょうど『〜野菜畑で大ピンチ!』の追い込み中だったんですが、スタッフたちのヨレヨレ具合がステキでした(笑)。まっすぐに作品を愛しているクリエーターが揃っているなって感じて、“ウチも負けてられない!”と思ったのを覚えています」
 アードマンのスタッフは、展示物の制作だけでなく会場の設営にも参加したという。「自分が心から作りたいと思うものを作り続けるのは本当に難しい。それを実現している彼らを見ていると、僕らも勇気づけられます!」とコメントしながら、宮崎はピーター&デビッドと笑顔を交わしていた。
「アカデミー賞は危険なアイコン」(デビッド)
「メジャーどころにお邪魔できたのは楽しかったけどね」(ピーター)


 さらに今回の取材中、ピーターとデビッドから直接コメントを得ることに成功。2人が歩んできた道のりや、仕事に関しての話を聞いた!
「僕らは本当にラッキーだったよ。ちょうどよいタイミングでBBCのプロデューサーに出会えたり、仕事をもらえたんだ。実力だけじゃなく、運もあったから今の僕らがあると思う」(ピーター)
「始めてから10年くらいは苦しい日々が続いていたんだ。趣味から仕事に変わってきて、お金を稼がないと続けられないようになってね。それでも、やめようと思ったことはなかったよ。だって、僕らはアニメ作りに夢中だったからね(笑)」(デビッド)

 “好きだ”という気持ちひとつで現在の立場を築き上げた2人。その強い思いが、アカデミー賞を受賞(スタジオとして4度も受賞! ※注釈)にもつながったのだろう。そこで今度は、イギリス人の彼らから見たアカデミー賞の印象について聞いてみた。
「同業者の評価によって受賞作が決まるというのは名誉なことだから、本当に嬉しかったよ。それと同時に、オスカーというアイコンは危険な一面も持っていると感じたね」(デビッド)
「一瞬で注目を集めるほどの賞だから、周りの反応も“オスカーを獲ったからスゴイ”という安直なものになってしまうんだ」(ピーター)
「1回だけ獲得して、そのまま消えてしまった監督も多いことを忘れてはいけないと思う。成功を約束されたような気分になってしまうと怖いよね」(デビッド)
「でも、(イギリスの片田舎で仕事をしている僕らが)主流の映画産業にお邪魔できたのは楽しい経験だったよ(笑)」(ピーター)

 イギリス人らしいジョークを交えて語ってくれた2人のコメントからは、目先の欲に惑わされず純粋に作品作りを楽しめる彼らの性格が垣間見えた。
 そんな2人が率いるアードマンの魅力が目いっぱい詰まった<アードマン展>。この機会に、ぜひとも彼らの作る“楽しい世界”に触れてみてほしい。

取材・文/武田将之(ワークス・エム・ブロス)

(C)Museo d'Arte Ghibli
(C)2006 Aardman Animations Ltd

※注釈:「快適な生活」('89)、
     「ウォレスとグルミット
      ペンギンに気をつけろ!」('93)、
     「〜危機一発!」('95)、
     「〜野菜畑で大ピンチ!」('05)



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