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2006.6.3(土)更新
【東京シネマのぞき見隊】(80)
“AV”+“ドキュメンタリー”+“在日”=映画「セキ★ララ」
国際映画祭やミニシアターが賞賛した“必見AV”の魅力に迫る!
【東京シネマのぞき見隊】(80)“AV”+“ドキュメンタリー”+“在日”=映画「セキ★ララ」国際映画祭やミニシアターが賞賛した“必見AV”の魅力に迫る!
AV女優志望の在日コリアン三世が生まれ故郷を訪ねる“ロードムービー編”と、中国人留学生の新人女優&在日朝鮮二世のベテラン男優との中華街デートを記録した“1日デート編”の2部で構成される「セキ★ララ」。松江監督曰く「固定観念をブチ壊す」のが、写真の中国人女優・杏奈ちゃん。ラストの彼女の行動は…まさに想定外!?
【東京シネマのぞき見隊】(80)“AV”+“ドキュメンタリー”+“在日”=映画「セキ★ララ」国際映画祭やミニシアターが賞賛した“必見AV”の魅力に迫る!
「あえて一般公開のタイトルを『セキ★ララ』にしたのは、AVと知ってもらいたかったから」という松江哲明監督。確かに「Identity」の方が、AVっぽくないですもんね…。「AVに在日ネタを絡めるあたり、確信犯的な部分もありますよ。だって在日三世の僕の特権でしょう?」と、またニャハハと笑う(でも目が笑ってません…)
【東京シネマのぞき見隊】(80)“AV”+“ドキュメンタリー”+“在日”=映画「セキ★ララ」国際映画祭やミニシアターが賞賛した“必見AV”の魅力に迫る!
トークショー終了直後のシネマアートン下北沢。気軽にサインしたり写真を撮ったりと、お客さんと気軽に話す松江監督をキャッチ。「セキ★ララ」公開期間中も、瀬々敬久監督や、園子温監督ら、連日豪華ゲストを招いてのトークショーが行われる予定だ
【東京シネマのぞき見隊】(80)“AV”+“ドキュメンタリー”+“在日”=映画「セキ★ララ」国際映画祭やミニシアターが賞賛した“必見AV”の魅力に迫る!
実はかなりのシネフィルでもある松江監督をよりディープに知りたい方は、公開初日より劇場限定で発売される公開記念冊子「松江哲明読本 裸々裸三昧」(800円)をどうぞ! なぜ“AV”なのか“セルフドキュメンタリー”なのか─。松江監督が、プロデューサーのカンパニー松尾氏や、ノンフィクションライターの藤井誠二氏相手に、より熱く!深く!語っています。(ちなみに、我々がインタビューしている横で、この冊子の最終打ち合わせが行われていたのです…)
【東京シネマのぞき見隊】(80)“AV”+“ドキュメンタリー”+“在日”=映画「セキ★ララ」国際映画祭やミニシアターが賞賛した“必見AV”の魅力に迫る!
この“超エロエロ”缶バッジは、映画館での前売券購入者に特典としてもらえるもの。計10種ありどれがもらえるかはお楽しみだそうだが、「レンタルビデオ屋でAV借りるドキドキと同じ、スリル感が味わえます」とは、配給(イメージリングス)のしまだ氏の弁。正直、バッジをつけて表は歩けません…!? (シネマアートン下北沢では、6月3日(土)以降、1個200円(予定)で販売)
【松江哲明監督プロフィール】
1977年、東京都生まれ。日本映画学校の卒業制作として監督した「あんにょんキムチ」('99)が、山形国際ドキュメンタリー映画祭を初めとする国内外の映画祭に出品し、数々の賞を受賞。その後も、「カレーライスの女たち」('03)や「童貞。をプロデュース」('06)といった数々のセルフドキュメンタリー作品を監督するなど、若手のドキュメンタリー作家として注目を集めている

<「セキ★ララ」公開スケジュール>
■6月3日(土)〜23日(金)
場所:シネマアートン下北沢
時間:連日21:00開映
※公開期間中、ほぼ連日(6月11日(日)・12日(月)・18日(日)・22日(木)以外)は、豪華ゲストを招いた松江哲明監督のトークショーを実施
※6月12日(月)・18日(日)・22日(木)は、<W杯をぶっとばせ!「童貞。をプロデュース」上映>実施

■7月1日(土)〜14日(金)
場所:PLANET studyo+1(大阪)
時間:連日21:00開映
※イベント上映あり 詳細は直接劇場へお問い合わせ下さい
※〜6月30日(金)エロエロ缶バッジの前売券特典あり
TEL:06・6377・0023(PLANET studyo+1)

>> 公式サイト
>> 「シネマアートン下北沢」上映スケジュール
>> Movie Walkerレポート【秘祭!奇祭!映画祭!!全国映画祭めぐりツアーズvol.9 山形国際ドキュメンタリー映画祭編】
>> Movie Walkerレポート【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】松江哲明監督インタビュー
>> 「PLANET studyo+1」
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国際映画祭で上映された“18禁”のアダルト作品
映画館で観ないと…モッタイナイ!!(ほど貴重)


 日頃、陽の目を見ることのないアダルトビデオ(以降、AV)ではあるが、何と一般公開が決定した非常〜に珍しい必見AVがある。とはいえ、セックスシーンが延々続く分かりやすいソレではなく、“在日”のAV俳優たちの素が垣間見えるドキュメンタリー仕立てだ。

 実はそのAV─「セキ★ララ」は、2005年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映され、ちょっとした騒ぎになったという経緯がある。当時は「Identity」という“18禁”と公表したAVタイトルで上映したにも関わらず、会場に入りきらないほどの入場者が殺到したのだ。
 「なぜAVなのか?」「なぜドキュメンタリーなのか?」「なぜ在日なのか?」 そんな「???」を解消すべく、6月3日(土)からの一般公開に先立って企画された、「セキ★ララ」の松江哲明監督特集に足を運んでみた─。
若い女性が席を埋めた松江哲明監督特集
AV俳優にカメラを向けた理由が明らかに…


 取材した5月27日(土)、「セキ★ララ」の上映館でもあるシネマアートン下北沢で上映されていたのは、松江監督の前作「あんにょんキムチ」('99)「カレーライスの女たち」('03)の2本。どちらも「セキ★ララ」同様、監督の主観的カメラで被写体を写すセルフドキュメンタリーなのだが、1作目の「あんにょんキムチ」では在日コリアン三世である松江監督自身とその家族を、2作目の「カレーライスの女たち」では自分の彼女や女友達に、カメラを向けている。自分に近しい人から離れて、(オーディションで選んだ見知らぬ)AV俳優たちに目を向けた「セキ★ララ」への疑問が、ますます膨らんでしまった。

 「AV俳優を選んだ理由? 僕、AVが大好きなんです。単純に、女の子が好きなんで。でも、AV業界にも在日は大勢いるのに、在日を扱ったAVがこれまでなかったんです。プロデューサーのカンパニー松尾さんから『とにかく好きなものを撮れ!』って言われた時に、コレだ!と」
 そう、この作品は伝説的AV監督、カンパニー松尾氏プロデュース。まずはAVありきの企画だったことに始まり、今回の一般公開へ至るまでの経緯を、当日トークショーゲストとして来場していた松江監督自身から存分に語ってもらおうと、上映終了後に接触。場所を映画館近くの飲み屋に移してからのインタビュー(もちろん、テレコの横には生ビールを置いて…)と相成った。
ドキュメンタリー作家が、AVを撮るコダワリ
じっくり聞かせてもらいました!


 「役者さんのプロフィールを見るでしょう? 当然、日本名で書かれているんですけど“外国人登録証”の記載があるんです。そこで、在日ってバレちゃうんですよ。別に本人も隠しているわけじゃないでしょうけどね」
 日本で生まれ育った、いわゆる“在日”の俳優さんをどうやって見つけたのか? 不思議に思って尋ねると、松江監督がそう教えてくれた。また、劇映画よりドキュメンタリー映画を撮る方が何倍も面白い!と断言する松江監督には、撮影で心がけているがあるという。
 「今回、在日のAV俳優さんだからというわけじゃなく、僕は被写体には人一倍、気を遣います。カメラで撮られるってことは、それだけ暴力的な行為だから。例えば、偶然“すごい画”を撮れたとしますよね。それが被写体にとって、絶対見られたくない映像だったとしたら─。僕、ためらわずに(編集で)バッサリ切りますよ」 
 …正直、私にとっては予想外の言葉だったが、自分の作品の後も“現実”で生きていく彼らに対して、傷つけることはできないと松江監督は言葉を続ける。
 「『ゆきゆきて、神軍』('87)の原一男監督のような突き進むパワーは、心からスゴイと思いますけど、僕には真似できない。監督として矛盾しているかもしれないけれど、作品がそんなに大事か?って僕は思う。そういう僕自身の心情を含めて、被写体と向き合って生まれてくる“必然性”みたいなものを撮りたいんですよね」

 ちなみに、松江監督は俳優として「花井さちこの華麗な生涯」('05)などのピンク映画に出演したこともあり、もちろん“濡れ場シーン”もバッチリ経験済み。AVを撮る上で役立っているのかと突っ込むと、「裸? 絡み? 全然抵抗ないですね。前張りがちょっと痛かったかな〜くらい」とニャハハと笑ってかわされた。…う〜ん。物腰は柔らかいのだが、手強い! 


  在日AV俳優のドキュメント─。私はてっきり、在日の彼らがAVに出演する理由が描かれるのだとばかり思っていた。しかしスクリーンの中の彼らは、「AVが好き」「セックスが好き」…そうあっけらかんとした笑顔のまま、服を脱ぐ。
 「AV俳優さんだって千差万別、色々な人がいますよ。今回は在日であり、AV俳優でもある。…そんな3人の男女をカメラに収めただけ。そうしたら、脚色じゃない彼らの本音が写るんです。これは、AVでしか撮れなかった。だから映画というよりアダルト作品として見て欲しいんです」 
松江監督はそう熱く語る。しかし、この作品はAVとしては全く売れなかった…のだそうだ。「もっと大勢の人に見てもらいたい」─だから松江監督は考えた。そして、約30分のセックスシーンを削った“ディレクターズ・カット版”の「セキ★ララ」が誕生したのだ。

 AVが国際映画祭で上映され、映画館で公開される。この珍事(!)に、普段AVを見慣れない女性にこそ足を運んでほしい。

取材・文/戸田美穂(ワークス・エム・ブロス)


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