「現在の時を駆け抜けるのは 考えるよりも先に走って行っちゃうような子」 (細田守監督)

現在公開中で、当サイトの「見て良かった!TOP10」で1位(7/18〜7/24集計)を獲得するなど、早くも方々から高い支持を得ている「時をかける少女」。「ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」(2005)の細田守監督が、老舗の製作スタジオのマッドハウスとタッグを組み、筒井康隆の傑作SF小説を初めてアニメ化したことも話題。そこで、細田守監督と、主人公・真琴の妹、美雪役の声を担当した現役中学生の関戸優希を直撃! スマッシュ・ヒットを飛ばしているアニメ版“トキカケ”の魅力に迫った。
「時をかける少女」といえば、過去にも原田知世、内田有紀、安倍なつみなど、早々たる顔ぶれがヒロインに扮し、何度もテレビ・ドラマ化や映画化がされている作品。それだけに、今回のアニメ映画化はチャレンジだったのでは?
「映画化にあたって考えたのは、現代がどういう時代で、時間を飛び超える女の子はどういう子なんだろうということ。原作を含め、今までの主人公のイメージは、優等生で、おとなしく、なおかつ古典的な美少女なんですけど、現在作るなら、考えるよりも先に走って行っちゃうような子のほうが時を駆け抜けるんじゃないかと思い、設定やキャラクターを変更していきました。原作からかなり大幅に変えているので、筒井先生から『このシナリオは原作と全然違う・・・』と言われた時はドキドキしましたけど、『ところが良い』と(笑)。人を驚かせるのが大好きな筒井先生らしい茶目っ気たっぷりの返答をいただいて、おまけに『この作品は正当な2代目である』というお墨付きまで、本当に祝福された作品だなあと嬉しくなりました」 |
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主人公は、ひょんなことから時間を跳躍できるタイムリープ能力を身につけた女子高校生・真琴。カラオケを心ゆくまで歌ったり、大好物のプリンや鉄板焼きを食べるといったささやかな欲棒のために“力”を使うところが、なんだかかわいらしい。そして何よりもはつらつとした魅力に溢れている。
「現在の時代の子たちは、1980年代の中高生の子どもたちと比べても、見えないプレッシャーや、過酷な状況に置かれているような気がするんですけど、だからこそ、主人公みたいにバイタリティに溢れた子を、みんなが観たいんじゃないかと思って。未来っていうものに無条件に希望を持った子は必ずいると思うんですよ。そういうアクティブで、元気いっぱいの子を主人公にしたいと思ったんですよね。ほら、夏休み前って、無性に走りたくなるでしょう」 |
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真琴の声を務める仲里依紗をはじめ、石田卓也、谷村美月、関戸優希といったフレッシュな顔ぶれが、各キャラクターたちを躍動感いっぱいに表現しているのも見どころ。
「他の作品だったら固くなっちゃったり、ぎこちないと思うようなことも、この作品だと、むしろ初々しさや、フレッシュさに繋がるかなと。主演の仲さんもそうですが、今回は、全然お芝居の経験がない方々のほうに、可能性や、この映画らしさみたいなものをすごく感じたんですよ。仲さんの場合は、困ったシーンや悲しいシーンも、なんかワクワクしているように聞こえたんですけど。『真琴ってこういう子だろうな』と逆に教えられましたね。アフレコと言えば、関戸さんは、初めての上に冒頭のシーンから出番があったんですけど、どんどん良くなっていってました。アフレコの演出をやりながら思ったのは、中学生や、高校生の子たちが役者をやっているというよりは、もともと彼らは役者で、たまたま中学校や、高校に通っているんだという感じ。初めてなのに、みなさん作品に入りこんでくれて、それが嬉しかったし、選んで良かったなって思いました」 |
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アフレコは初体験!の関戸優希が 真琴の妹をキュートに好演

細田守監督の隣で、時に真剣な表情で、時に微笑みながら、話を聞いていた関戸優希。彼女が声を担当した美雪は、主人公である真琴の妹という役どころで、監督いわく美少女パートなんだとか。
「最初は不安でしたが、監督が、1シーン、1シーンで、細かい指示やアドバイスを下さったので、良かったです。難しかったのは、真琴が自殺すると勘違いして必死で止めるシーン。仲さんとの掛け合いのシーンで、映像とセリフのタイミングとかがなかなか合わなくて、何度も何度もやり直しました」
実際の彼女も兄がいるとのことなので、正真正銘の妹キャラなのだが、彼女の一生懸命さが、キュートな声とマッチ。理想の妹に仕上がっている。 |
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タイムリープ能力で、恋や日常のトラブルを回避してゆく真琴の姿が、爽やかなタッチで映しだされていく本作では、オリジナル版のヒロイン、芳山和子も真琴の叔母として登場。かつて時を駆けた少女と、現在の時を駆ける少女が登場する現代の物語。この夏は、映画館で“タイムリープ”体験するのも悪くない。
(取材・文/ライター大西愛) |