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2006.11.6(月)更新
【動画・独占インタビュー】
ついに解禁! オダギリジョーがハーレムで拳銃をブッ放す
幻の怪作「HAZARD」の撮影秘話を園子温監督に直撃!!
【動画・独占インタビュー】ついに解禁! オダギリジョーがハーレムで拳銃をブッ放す幻の怪作「HAZARD」の撮影秘話を園子温監督に直撃!!
原作モノの映画化が多い中、オリジナルのストーリーを書けるのが園子温監督の強みだ。「物語の発想は、だいたい人に聞いた事実から始まりますね。例えば『紀子の食卓』の場合だとレンタル家族の話だったり……。いま書いている脚本も、自分の知り合いの実話がベース。『紀子の食卓』は家族の関係性の話だったけど、今度は家族を通しての個人の話になりますね」
【動画・独占インタビュー】ついに解禁! オダギリジョーがハーレムで拳銃をブッ放す幻の怪作「HAZARD」の撮影秘話を園子温監督に直撃!!
「自分のスタイルをデビューのときから決めちゃうと、息苦しくて死んでしまうのが分かっていたので、若いうちは自分のスタイルを作らないようにしようって決めてたんですよ。だから、1個誉められたら、誉められたところを捨てようと。誉められたことばっかりやってると絶対死んでしまうんで、若いころは人に誉められたところは排除して、嫌われたところだけで映画を作って、広げていくことを前提に作ってました。そういう意味では、やっと成熟したというか、身になってきたかなっていう気がしますね」
【動画・独占インタビュー】ついに解禁! オダギリジョーがハーレムで拳銃をブッ放す幻の怪作「HAZARD」の撮影秘話を園子温監督に直撃!!
主演は、オダギリジョー。「オダギリくんとはウマが合い過ぎちゃって。監督と役者に戻れなくなって、緊張感がないから、『時効警察』みたいなのなら一緒に作れるけど、『HAZARD』みたいな長編は、しばらく時間を置かないとやれないですね」
【動画・独占インタビュー】ついに解禁! オダギリジョーがハーレムで拳銃をブッ放す幻の怪作「HAZARD」の撮影秘話を園子温監督に直撃!!
■「HAZARD」は11月11日(土)よりシアターN渋谷ほかにて全国順次公開!
[c]HAZARD project
【園子温 プロフィール】
1961年、愛知県生まれ。17歳で詩人デビューし、“ジーパンをはいた朔太郎”と称される。「俺は園子温だ!」('85)が、ぴあフィルムフェスティバルに入選し、続く「男の花道」('87)でグランプリを受賞。ぴあスカラシップ作品「自転車吐息」('90)を監督し高い評価を受ける。その後「部屋」('93)でサンダンス映画祭審査員特別賞を受賞。「桂子ですけど」('97)など映画制作を続ける一方、街頭詩パフォーマンス「東京ガガガ」を主宰。4000人のパフォーマーを集め、渋谷のストリートで一大ムーブメントを起こす。また2001年には、衝撃作「自殺サークル」で話題を呼ぶ。その後「奇妙なサーカス」(2005)で第56回ベルリン国際映画祭でベルリナーレリーダーズ賞を受賞、カナダのモントリオールで開催されたファンタジア映画祭'06でも作品賞と主演女優賞を受賞。「自殺サークル」の続編「紀子の食卓」では、第40回カルロヴィヴァリ映画祭・コンペティション部門の特別賞賛賞(Special Mention)と、国際シネマクラブ連盟(FICC)によるドン・キホーテ賞(The Don Quijote Prize)を受賞。また、韓国で開催された第10回プチョン国際ファンタスティック映画祭コンペティション部門の観客賞と主演女優賞をダブル受賞。待機作に「気球クラブ、その後」、「エクステ」などがある

STAFF&CAST
原作・脚本・監督:園子温 出演:オダギリジョー ジェイ・ウエスト 深水元基 椋名凛 萩原明子 村上諭 石丸謙二郎  池内博之(2002/アンプラグド)103分
>> 公式サイト

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「“眠い日本でも眠れない日本”っていう未だに思っている意識を主人公に投影させています」

 「THE 有頂天ホテル」(2006)、「ゆれる」(2006)、「パビリオン山椒魚」(2006)など出演作が連続して公開、作品ごとにまるで違うキャラを演じ、圧倒的な存在感を見せつけているオダギリジョー。そんな彼が出世作「アカルイミライ」(2003)の後に主演、ニューヨーク・ロケでの決死の撮影に挑んだにも関わらず、諸々の事情で封印されていた幻の傑作「HAZARD」が、製作から4年の歳月を経て、ついに公開されることになった。
 監督は「自殺サークル」(2001)、「紀子の食卓」(2006)など常にセンセーショナルな野心作を発表している若き鬼才・園子温。自作がようやく公開される今の心境から、監督に訊いてみた。
「オダギリくんと1週間ぐらい前にお酒を飲んだときに『HAZARD』の話をしたけど、『自分の芝居は目も当てられない』って言ってましたね(笑)。確かに若くて青臭い。オダギリくんの芝居も僕の演出も青臭いから、お互いに恥ずかしくて。まぁ、この映画に関しては青臭い方がよかったですけどね。ただ、あれから4年の間に自分のタッチも怒涛のごとく変わったし、次の映画が僕の第1期の完成形になるってときに、粗野な『HAZARD』を見せることには少し戸惑いがありますね」

 映画は、日本で退屈な学生生活を送っていたオダギリジョー演じるシンが、ぬるい日本を抜け出して渡ったニューヨークで、危険と隣り合わせのリアルな生を獲得していくストーリーだ。
「以前のシナリオの回想シーンのためにアメリカでロケハンをしているときに、アメリカで全部撮りたいなって思い始めて。そのうちに、例えばゴミ山を見たときには、そのゴミ山をシンがアメリカで出会う男たちのアジトにしたらどんなストーリーになるだろう? とか、アイスクリームカーを見かけときには、アイスクリームカーで仕事をしているっていうのはどうかな? とか、ロケハンしながらストーリーが浮かんでいったんです」

 恋人との冷めた関係、退屈なクラスメート、希薄なリアル……日本で飛び出す前の鬱屈したシンの姿には、監督の心境も反映されている。
「それは“当時の”というより、今も変わらない原点の意識。大学のまったり感はすごくデフォルメされてるけど、自分にとってはあんなイメージなんですよね。あと、“眠い日本でも眠れない日本”っていうのは未だに思ってる意識だし、脱出願望が常にあるのも全然変わってなくて、そういうものは主人公に投影させています」

 オダギリジョーとは「なんだか、最初はダラダラと会ったんだよね」と当時を振り返る。
「例えば試写室で挨拶されて、お互いに『ああ、そうですか』って感じでした。なんとも普通で、あんまり決定的じゃない出会い方を重ねましたね。そのころのオダギリくんって、今と違って素朴な少年だったんで、そんなに強烈な印象はなかったんだけど、その迷いのある感じが逆に『HAZARD』の主人公にはいいなと思ったんですよね」
「オダギリくんに『死んじゃうかもしれないけど、よろしく』って言ったら、すごい怒ってたね(笑)」

 「HAZARD」を観た誰もが圧倒されるのは、ハリウッド映画でもなかなかお目にかかれない、ブルックリンやハーレムでの、スリリングで緊張感のあるバイオレンス・シーンだ。
「『HAZARD』って内容だし、より危なそうな場所で撮影しないと面白くならないと思って。すべてハザード的なるものを目指したかったから、全シーンを1テイクで撮っちゃうのがテーマでした。要するに、パンクバンドの勢いだけのファースト・アルバムみたいなものをやりたかったんですよ。だから周りもだいたいホンモノで固めて。悪徳刑事が出てくるけど、あれは最近まで刑事をやってた奴で、警官も全部ホンモノ。銃もホンモノを使ってるんですよね」

 中でも、オダギリジョー演じるシンが、クイーンズで黒人を撃ち殺すシーンには息をのむ。
「あそこはものすごく危険な地域なんで、ほとんどゲバ(ゲリラ)で、撮影に見えないやり方をしてたから、本当に日本人が黒人を撃ってるみたいだったんですね。でも、そのぐらい危険なことをやらないと全然ハザードにならないから。まぁ、僕はクレーンの上にいたけどね(笑)。実は、要所要所に私服警官を待機させてたんだけど、緊張感をなくすから、それはオダギリくんには言わなくて。『死んじゃうかもしれないけど、よろしく』って言ったら、すごい怒ってましたね(笑)」

 シンが出会うギャング・スターのリー(ジェイ・ウエスト)とタケダ(深水元基)が、雑貨店を襲撃するシーンもかなりエキサイティングだ。
「あのシーンでは、ブルックリンの1角を全部エキストラにしちゃったんですよ。散歩しながらカー・ジャックして、雑貨店を襲って飛び出していくまでを夜中に1シーン1カットで撮ったんだけど、あの10分ぐらいのシーンを100人ぐらいのエキストラを配してやったんだよね。だから、パトカーが通り過ぎるところも、ホンモノの警官に頼んだからタイミングがちょっと遅れちゃったけど、あれも仕込み。その前後はドキュメンタリーのノリだけど、車をジャックしたり、いろいろあるから、あのシーンだけはちゃんと準備して作ったんです。でも、2回もやったらみんな疲れちゃうし、テイク1で成功してよかったですね」

 緊迫した空気が映画を支配するムチャな演出は、帰国したシンが渋谷のスクランブル交差点に降り立つクライマックスでも冴え渡る(どんなシーンなのかは観てのお楽しみ!)。
「あそこもゲバだけど、エキストラはいなくて、オダギリくんとチーマーの役者以外はすべてそこにいた普通の人たちなんですよ。あのへんは、勝手知ったる渋谷ですから。ハチ公前は僕の聖地というか、『東京ガガガ』(渋谷のストリートに4000人のパフォーマーを集めて行った街頭詩パフォーマンス。一大ムーブメントを巻き起こした)でいつも暴れていた場所なので、僕はあんまり怖くないんですよ。逆に、もうちょっと何かいろんなハプニングが起きたらいいなと思ってて。警官がやってきて、『オマエら何やってるんだ!』って言ってパン!って殴られるところで終わるとか、そのぐらいでもいいって思っていたんだけど、期待してるとだいたい来ないんですよね(笑)」

 それにしても、この作品が4年前に公開されていたら、主演したオダギリジョーのその後も変わっていたに違いない。
「オダギリくんにとっても、公開されなかったことがひとつのバネになってると思いますね。まだ完成していない時期に、粗編した『HAZARD』をよく家で観てるって言ってたし、何かあったときには必ず『HAZARD』を観てるって言っていたんで、彼の中でも『HAZARD』が原点みたいなものになっているのかもしれないですね」

 それでは、監督自身にとっては『HAZARD』はどんな位置づけの作品なのだろう?
「本来なら『自殺サークル』の次の作品なので、『自殺サークル』から『HAZARD』っていうのは僕にとって分かりやすいんですよ。『自殺サークル』は初めての商業映画だったし、意識して商業映画的な普通のカット割りで撮ったんだけど、撮り終わった後にそれを全部捨てて、自主映画みたいな感触のものを撮りたくなったんですよね。だから、『HAZARD』では、それまで8ミリでやってきたことを全開させてみようっていうのがあって、やったんです。ヘソ曲がりなのかもしれないけど、『自殺サークル』みたいなやり方でステップ・アップしていくより、1歩歩いて2歩下がるみたいなのが好きなんですよ。でも、『HAZARD』をやったことで(気持ちが)軽くなったし、『HAZARD』があったから『夢の中へ』(2005)という映画に行けたし、『夢の中へ』があったからこそ『紀子の食卓』に行けたっていうのがあって。『HAZARD』は今に至る自分の技術の最初の1歩だったと思うんです。だから、もしかしたらお蔵入りになるかもしれないっていうその恐れが、自分の中で『HAZARD』を勝手に越えていかなきゃいけないっていう想いに変わって、毎回毎回頑張れたような気がしますね」

 あくまでもオリジナルの題材にこだわり、それを独自のやり方でスクリーンに展開させる園子温。旧作、新作が相次いで公開され、その比類なき才能で注目を集める異端の映像作家の動向から今後しばらく目が離せない!

(取材・文/イソガイマサト)


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