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2006.12.19(火)更新
【動画・製作発表記者会見】
あれから2年、大ヒット映画のその後を描く
「パッチギ! LOVE & PEACE」の監督と出演者が撮影報告
【動画・製作発表記者会見】あれから2年、大ヒット映画のその後を描く「パッチギ! LOVE & PEACE」の監督と出演者が撮影報告
「『パッチギ!』をまたやるって言ったら、世間も今度はもっと高いレベルのものを期待するし、前作を凌駕する作品を目指そうとするという意味でのプレッシャーはありますよね」と井筒和幸監督。「でも今回は、ここにいる4人だけでなく、すべての人が役にすごくハマッていて、僕はすごく助かりましたよ。ハマってないと、イライラが続くだけたからね」
【動画・製作発表記者会見】あれから2年、大ヒット映画のその後を描く「パッチギ! LOVE & PEACE」の監督と出演者が撮影報告
「監督から『関西弁できるか?』って言われまして」と、オーディションのときのことを振り返ってくれた井坂俊哉。「関西弁一切できなかったんですけど、一応通過できました。でも、日本語の中でいちばん難しいんじゃないですかね(笑)」
【動画・製作発表記者会見】あれから2年、大ヒット映画のその後を描く「パッチギ! LOVE & PEACE」の監督と出演者が撮影報告
「キョンジャはすごくピュアで優しい子です」と中村ゆり。「でも、彼女自身が困難を乗り越えていく中で、誇りだったり、持たなきゃいけないプライドがあったと思ったので、そういう芯の強さを常に持って演じるようにしました」
【動画・製作発表記者会見】あれから2年、大ヒット映画のその後を描く「パッチギ! LOVE & PEACE」の監督と出演者が撮影報告
「今回の作品では、いろんなことが自分に突きつけられました」と西島秀俊。「きっと完成した作品をご覧になる方も、何かを突きつけられると思うんですけど、僕は自分の中にある価値観や思い込み、偏見を改めて考えるきっかけになりましたね」
【動画・製作発表記者会見】あれから2年、大ヒット映画のその後を描く「パッチギ! LOVE & PEACE」の監督と出演者が撮影報告
「難しい芝居のことは分かんないんですけど、髪型が当時スタンダードの七三だったんです。でも僕、ものすごいクセ毛なんで、上手く分けられなくて」と、意外な苦労話を披露してくれた藤井隆。「でも、テレビの仕事で『どうしたんですか、その髪型? 似合うわね』って言われたのは嬉しかったですね」


【STAFF&CAST】
監督:井筒和幸 出演:井坂俊哉 中村ゆり 西島秀俊 藤井隆 (2007/シネカノン)
■2007年5月よりシネカノン有楽町、渋谷アミューズCQNほか全国公開
>> 公式サイト

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「クランク・インしたころは、悔しくて悔しくて。監督にパッチギ(頭突き)を入れたくなりました」
(井坂俊哉)


 映画賞を総ナメにして大ヒットした青春映画「パッチギ!」から2年、その待望の続編「パッチギ! LOVE & PEACE」の製作発表記者会見が12月14日に行われた。
 前作と同じ井筒和幸監督のメガホンで10月にクランク・インした映画は現在撮影の大詰め。その多忙なスケジュールの合間を縫って、この日はシネカノンの李鳳宇エグゼクティブ・プロデューサー、井筒監督はじめ、一新したキャストの井坂俊哉、中村ゆり、西島秀俊、藤井隆が登壇。現場の状況、意気込みや手応えを語ってくれた。

 まず、李プロデューサーが「前作の仕上げのときに井筒監督と次回作の話をしていて、『パッチギ!』を超える企画はない! ということで合意したんです」と続編の製作に至った経緯を説明。
 すると、それを受けて井筒監督が現場の状況を報告。実はこの日、井筒監督の遅刻で会見は少々遅れてスタートしたのだが、それは監督の寝坊が原因だった。
「すみませんでした。でも、それぐらい『パッチギ!』の撮影はすごいエネルギーを使うんですよ。ほんの1シーンを朝方から夕方までじっくりやって、それでも撮りこぼすことがある。そんな日々がずっと続いていて、毎日睡眠時間も少ないし、痩せましたよ(笑)。ただ、自分が前回作ったものを乗り越えていくのが僕の昔からのテーマだけど、ここ十数年は一生懸命乗り越えてきたような気がするんですよね。今回も仕上がりの予想がついて、面白いものになると自負していますよ」

 映画は前作の1968年の京都から1974年の東京に舞台を移し、1作目で高岡蒼祐と沢尻エリカが演じたリ・アンソンと妹キョンジャの家族のその後を描くストーリー。前作を超える延べ300人の出演者、5000人を超えるエキストラを動員し、さらに韓国の若手俳優を起用しているのも見逃せない。だが、最大の話題は2200人の中からオーディションで選ばれ、新たなリ・アンソンとキョンジャを体現した井坂俊哉(NHK朝の連続テレビ小説「純情きらり」の高島キヨシ役でブレイク)と中村ゆり(『偶然にも最悪な少年』)だ。

 彼らには当然、厳しいことで知られる井筒監督の現場を初めて経験した感想が求められた。すると井坂が
「クランク・インしたばっかりのころは、本当に悔しくて悔しくて。監督にパッチギ(頭突き)を入れたいぐらの気持ちだったんですよ。でも、それが自分を超える意味でのパッチギ(“パッチギ”には“頭突き”のほかに“乗り越える”という意味も)に変わりました」。それに続いて中村も「私も井坂くんと一緒で、監督にパッチギを入れたいと思ったことが何度もありましたね(笑)。でもそれは、自分に対するイライラだったりもしたので、撮影中は自分自身にパッチギでした」

 1作目で沢尻エリカが数々の映画賞に輝いたこともあり、中村には「沢尻エリカを意識しないか? プレッシャーはないか?」といったお約束の質問も。でも、中村は
「正直あんまり意識してないんです。私が演じたキョンジャは、私にしか演じられなかったと思いますから」ときっぱり。
「ただ、役作りの点では、1作目の『パッチギ!』で沢尻さんが演じたキョンジャも自分の歴史の中に入ってくるものなので、何回も何回も観ました」と言うから、なかなかのものだ。
「テーマは愛と平和、そこに隠れている戦争や憎悪といった1作目から根底に流れているもの」(井筒和幸監督)

 また、井筒監督が「今回、最も重要な役」という新たな登場人物・野村を演じた西島秀俊は、「井筒組に初めて参加して、達成感をすごく感じています」と笑顔で撮影を振り返る。
「井筒監督とは、十何年前に『マークスの山』という映画で俳優として共演させていただいたことがあって、監督は死体役だったんですけど(笑)、ものすごい存在感があったんです。で、今回も僕にとってはすごく難しい台本だったんですけど、井筒監督が全部ご自分で演じてくださって、それが上手いのがイヤでしたね。でも、フィルムを廻し続けて、どれだけお金がかかってもOKが出るまでは絶対に途中で妥協しない井筒監督の姿勢は勉強になったし、なかなかない現場を経験させてもらったと思います」

 藤井隆も本作で新たに登場する元国鉄員に扮しているが、井筒監督とはテレビのバラエティで何度も共演している仲だ。
「最後に井筒監督とテレビでご一緒したのは、僕の番組にゲストで来ていただいたときで、前回の『パッチギ!』の撮影に入られるころだったんですね。で、今回お話を頂いたんですけど、島田紳助さんとか、井筒監督の映画に出ている吉本(興業)の先輩方がたくさんいらっしゃいますので、僕もそのひとりに選んでいただけたのがすごく嬉しくて、飛びつきました」
 そんな藤井さんから見た撮影現場の井筒監督は、テレビのときとは違ったのだろうか?
「テレビの現場でも、おっしゃることはすごく正しいですよね。撮影現場の井筒監督も厳しいですし、そこは同じ井筒さんでしたけど」

 そんな出演者たちの言葉を笑顔で聞いていた井筒監督が、最後に意気込みを語ってくれた。
「前回は高校生の恋や友情を描きましたけど、今度はそれから何年も経って、大人の物語になりかけています。大人になって抱える問題、大人になりかける中で味わうストレスや逆境を、さらなるリアリズムの中で、徹底的に追求してやろうというのが我々の意思です。舞台のベトナム戦争も終結し、ふにゃけた世界に入ろうとする74、5年を敢えて選んだのは、30年前が今の原型ができあがる時代だと思ったから。そして、我々が突きつけるテーマは、やはり愛と平和であり、その中に隠れている戦争であり、憎悪であり、1作目から根底に流れているものです」
 その一方で監督の別の想いも本作には込められているようだ。
「日本映画がどこかエンタテインメントで終わってしまえばいいんだって風潮が、最近はあるような気がしています。日本映画が久しぶりに洋画を抜いたってマスコミは言ってますけど、中身はどうなのか? この作品は、そういうことに対する僕らのメッセージでもあります。来年5月、6月には『パッチギ!LOVE & PEACE』とは違う日本映画がまたいっぱい登場することでしょう。それらに対して、僕らの映画がどうアプローチしてくのか? それをぜひ期待してください」
 その力強いコメントが頼もしい。来年5月の公開が早くも楽しみになってきた。

(取材・文/イソガイマサト)



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