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2006.12.27(水)更新
【試写会イベント】
「Shall we ダンス?」の周防正行監督、渾身の社会派映画
「それでもボクはやってない」を、弁護士たちが大絶賛!
【試写会イベント】「Shall we ダンス?」の周防正行監督、渾身の社会派映画「それでもボクはやってない」を、弁護士たちが大絶賛!
待ってました! 寡作の作家ながらも手掛ける映画に駄作なし!の周防正行監督。今回は3年間裁判について取材&リサーチ&お勉強して脚本を手掛けたという職人魂に思わずパチパチ
【試写会イベント】「Shall we ダンス?」の周防正行監督、渾身の社会派映画「それでもボクはやってない」を、弁護士たちが大絶賛!
瀬戸朝香は、初の「否認事件(被告人が一貫して否認を主張する事件)」を手掛け奮闘する新人弁護士役。当日はスモーキー・ブルーのドレスで現れ、会場に華を添えていた
【試写会イベント】「Shall we ダンス?」の周防正行監督、渾身の社会派映画「それでもボクはやってない」を、弁護士たちが大絶賛!
なんと弁護士や司法修習生、法科大学院生らを招いた試写会を実施。やるね〜、東宝さんっ。専門家の方々も口々に周防監督に対して賛辞をしまくり
【試写会イベント】「Shall we ダンス?」の周防正行監督、渾身の社会派映画「それでもボクはやってない」を、弁護士たちが大絶賛!
その後のパネル・ディスカッションでは、映画の内容や2009年度に実施される裁判員制度についての熱い意見が交わされた。左から・早稲田大学法務研究科教授の四ノ宮啓氏、日弁連副会長・川副正敏氏、周防監督、裁判員制度実施本部副本部長の酒井幸氏、早稲田大学法務研究科教授・高野隆氏
【試写会イベント】「Shall we ダンス?」の周防正行監督、渾身の社会派映画「それでもボクはやってない」を、弁護士たちが大絶賛!
痴漢の罪に問われる被告人・金子徹平役に加瀬亮。苦悩する若者ってのは想像どおりのハマリ役。映画では、裁判のさまざまなトリビアが出てくる点も興味深い
【試写会イベント】「Shall we ダンス?」の周防正行監督、渾身の社会派映画「それでもボクはやってない」を、弁護士たちが大絶賛!
徹平を弁護するベテラン弁護士役に役所広司、同じく彼を弁護する新人弁護士役に瀬戸朝香
■「それでもボクはやってない」は1月20日(土)よりシャンテシネほかにて全国ロードショー
[c]2006 フジテレビジョン アルタミラピクチャーズ 東宝


STAFF&CAST
監督・脚本:周防正行
製作:亀山千広 音楽:周防義和 出演:加瀬亮 瀬戸朝香 山本耕史 もたいまさこ 役所広司 田中哲司 光石研 尾美としのり 田口浩正 清水美砂 竹中直人(2006/東宝)143分
>> 公式サイト
加瀬亮インタビュー(3分56秒) [それでもボクはやってない]
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「取材をしてみたら刑事裁判のあり方が、僕が漠然と支持していた裁判のあり方と違いました」
(周防正行監督)


 首を長〜くして待っておりました! 「Shall we ダンス?」('96)から11年、周防正行監督待望の最新作「それでもボクはやってない」がいよいよ1月20日(土)から公開される。寡作で知られる周防監督だが、それは無理もない。徹底的に取材をして脚本を書く職人タイプの監督だから、時間がかかるのだ。でも、仏門修行を描いた「ファンシイダンス」('89)、学生相撲を描いた「シコふんじゃった。」('91)、そして社交ダンスを描いた「Shall we ダンス?」と、出すものすべて傑作ばかり。
 そして今回の「それボク」(と、縮めて言うそうです)のテーマはズバリ“裁判”! しかも痴漢の冤罪事件をモチーフに日本の刑事裁判制度に物申す!という社会派映画である。そこで今回、なんと大胆不敵にも弁護士や司法修習生、法科大学院生らを招いた試写会を実施。さらに、著名な弁護士の先生方によるパネル・ディスカッションが開催された!

 まずは取材前に、会場にいらした弁護士さんや弁護士の卵の方々と、本編映画を共に鑑賞。興味深かったのは、意外なところで笑いなどのリアクションがあったこと。後からの舞台挨拶で「私ども弁護士から見ても驚くほどにリアルな描写の数々でした」と言っていたMCの弁護士をはじめ、先生方はみな絶賛していたが、映画は彼らから見ても実にリアルな内容に仕上がっていたよう。ところどころ失笑される部分もあったし。さすがは周防監督!

 そんないつもと違うシチュエーションで観た映画だが、もう満足度120%! 感想としては、ここまで“法”をちゃんと学び、日本の裁判制度に警鐘を鳴らす映画を手掛けた周防監督、やはりタダモノではなかったという印象。

 映画が終わった後は、周防監督と、新人弁護士役を好演した瀬戸朝香が舞台挨拶に登壇。まずは周防監督が雄弁に映画で伝えたかったことをスピーチ。
「4年前に東京国裁で逆転無罪をとられた方の痴漢冤罪事件の新聞記事がきっかけでした。それまでは刑事裁判なんてまったく経験したことがなかった僕が、彼らがどういうふうに裁判を闘い、どんなことを考えてたのかってことを取材し始めたんですが、その過程でその事件そのものよりは、そこで僕が感じた刑事裁判のあり方が、僕が漠然と指示していた日本の裁判のあり方と違ったことに驚いて。そこから、刑事裁判について3年間調べました。その意図は、『今、どんな裁判が行われているのか』と、そのことを伝えることでした」

 新人弁護士・須藤莉子役を演じた瀬戸朝香も緊張した面持ちでこう挨拶。
「今回、本当に素敵な作品に出ることができてすごく嬉しく思っております。今回役が難しくて考えながら演じましたが、とても勉強になりました。自分の中でも代表作というべき作品ができました」

 弁護士を演じてみての感想はこう。
「新人弁護士ってことでしたが、私の中で弁護士って、かっこよくてキリっとしてるイメージがありましたが、その辺は意識しつつ、とにかく自然体で演じようとしました。台詞に専門用語があったりして難しかったですが、新人っぽさを出しながらやりました。また、作品に入る前に裁判所で傍聴しました。今まで経験がなかったですが、その時、弁護士の方をよく見て参考にしました」
「ずしんと胸に来るリアリティー。現実をよくぞここまで描いてくださった!」
(裁判員制度実施本部副本部長・酒井幸氏)


 その後、パネル・ディスカッションで周防監督と共に登壇されたのは強面な感じの法のスペシャリストたち。早稲田大学法務研究科教授の四ノ宮啓氏、日弁連副会長・川副正敏氏、裁判員制度実施本部副本部長の酒井幸氏、早稲田大学法務研究科教授・高野隆氏らだ。

 彼らの感想は、周防監督に対する称賛の嵐となった!
四ノ宮氏「見ているうちに気がふさがっていきました。というのも私も刑事弁護士としてやってきて、同じような思いにかられたことがあったからです。日本の裁判の実際の姿を、とても抗弁に伝えようとしてる映画だと思いました」
川副氏「周防さんに俺たちの苦しみが分かってもらえた!」
酒井「ずしんと胸に来るリアリティー。現実をよくぞここまで描いてくださった! 当番弁護士の苦悩のシーンにはぐっときました」
高野隆氏「いろんな事件が脳裏をよぎり、息苦しさを感じました。25年間、私はいろんなところで裁判のグチを言ってきましたが、それをリアルに伝えていただけたことに感謝でいっぱいです。でも、私のようにあけすけに批判されることもあると思うので、これからの周防監督がそうならないといいなと思いました」
 パネリストの4人はどうやら本作の内容をかなり重く受け止めたようだ。

 また、折しも2009年に裁判員制度が始まるということでその話題も議論されたが、その点については、裁判員制度実施本部副本部長である酒井氏が「映画を観て、だから裁判員制度が活かせるんだと実感しました」と語っていたのも印象深い。

 最後にまた、周防監督から締めの熱血スピーチが。
「普通の人は、裁判がどう行われているかを知らないですよね。今後はマスコミも勇気を出して報道してほしいです。本当に公平な裁判が行われているのかを。そして冤罪の重さを自覚しないといけません。裁判制度によって、裁判をよりよいものにしなくてはいけないと思います」

 とにかく映画を観れば、日本の裁判のあり方についてかなり衝撃を受けること請け合い。また改めて、これから始まる「裁判員制度」についても深く考えさせられる内容なのだ。とはいえ、これまできちんとエンタメ映画を贈ってきた職人・周防監督作品だから、最初から最後まで、どっぷりと引き込まれる至高の作品に仕上がっていることも確か。これは、新春映画の中でもイチオシですぞ!

(取材・文/MovieWalker編集部・山崎伸子)



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