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| 左から・サミュエル・ボワダン、監督・脚本のブリュノ・デュモン、アドレイド・ルルー |
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| 3人はフランス映画祭で来日を果たした。監督、のっぽんさんですね! |
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| デュモン監督の作風は、常に演技経験のないキャストから、リアリティ溢れる演技を引き出すというもの。ヒロインのアドレイド・ルルーも、映画初出演ながらも、ナチュラルな表情を魅せている |
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| 本作は戦場で過酷な体験をする青年と、故郷の村で彼を待つ少女の物語だ。この青年役に、サミュエル・ボワダン。彼の寡黙な演技にもご注目 |
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| ■「フランドル」は4月28日(土)よりユーロスペース他にて全国順次ロードショー |
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【ブリュノ・デュモン プロフィール】 1958年フランス北部バイユール生まれ。哲学教師、広告業界、ジャーナリストという職を経て、80年代の終わり頃から、産業映画や教育映画などを撮り始め、約10年間で40本もの作品を手掛ける。長篇第1作「ジーザスの日々」('97)がプロデューサーの目に留まり、商業映画デビュー。この作品で97年カンヌ国際映画祭のカメラドール特別賞(新人賞)をはじめ、ジャン・ヴィゴ賞、アヴィニョン、シカゴなどの国際映画祭でも多数の賞を受賞。さらに第2作「ユマニテ」('99)では、99年カンヌ国際映画祭グランプリ、主演男優賞、主演女優賞の3冠を獲得。第3作「Twentynine Plams」(日本未公開)はアメリカで撮影された。常に素人を起用し、卓抜した演出力を発揮。また性や殺人、キリスト教的な主題に真正面から立ち向かう作家である
【サミュエル・ボワダン プロフィール】 B・デュモン監督の「ジーザスの日々」('97)で映画初出演。主人公のバイク仲間でミシュー役をその重厚な佇まいで見事に具現化。不良少年グループの中でも際立った存在として記憶に残る。本作では再びデュモンの声がかかり、2度目の出演となる。バルブの幼なじみとしてフランドルの土地で育ち、寡黙さのなかに痛切な孤独を感じさせるデメステル像を演じた
【アドレイド・ルルー プロフィール】 B・デュモンに見出され、本作でスクリーンデビュー。俳優の経歴はない。監督は、台本に書いたバルブのイメージから出発してアドレイドをキャスティングし、その上で、彼女自身の「内なる真実」と「感性」に導かれるように脚本を作り直した
STAFF&CAST 監督・脚本ブリュノ・デュモン 撮影:イブ・カペ 出演:アドレイド・ルルー サミュエル・ボワダン アンリ・クレテル(2005仏/アルバトロス・フィルム)91分

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「アメリカの戦争映画とは違うリアルで残酷な 戦場を描きました」(ブリュノ・デュモン監督)

淡々としながら鋭い人間描写でカンヌ映画祭グランプリを獲得した「ユマニテ」('99)から8年。ブリュノ・デュモン監督は、新作「フランドル」で2度目のグランプリという快挙を成し遂げた。 「フランドル」は、戦場で過酷な体験をする青年と、故郷の村で彼を待つ少女の物語だ。目をそむけたくなるような暴力シーンや、直接的な性描写など、時には見ていて不快になるほど赤裸々な場面の数々が、デュモン監督独特の冷徹なタッチで綴られる。
「アメリカの戦争映画とは違う戦場を描こうと思いました。アメリカ映画の中の戦争は、美的で洗練されていて、まるでオペラのようです。私は、戦争はリアルで残酷なものとして描きたかったのです」と監督は語る。
例えば、本作の戦闘シーンはすべて同時録音。ハリウッド映画などで多用される効果音は使われていない。 「音はすべて生録です」と監督は胸を張る。
監督がリアルさを追求するのは、戦闘シーンだけではない。キャストにはシナリオを渡さず、その自然な反応をカメラに収めることにこだわる。
「シナリオはもちろん書きますが、シナリオ通りに映画を撮ろうとは思っていません。私が期待しているのは、シナリオでイメージしたものと現実にカメラの前で起こることの断絶です。私の演技指導に対して、俳優たちが“それはイヤだ”と反論することもありますが、この関係こそが創造性(クリエイティビティ)であると考えます。ですから私は、俳優が操り人形になるというのには、まったく興味がないのです」 |
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「時々いじめられているように感じて つらい撮影でした(笑)」(アドレイド・ルルー)

プロの俳優ではなく、新人を好んで起用するデュモン監督。今回も、自ら町の裁判を傍聴したり、区役所でいろいろな人を見たりしながら、2年かけてイメージに合う人物を探したそうだ。
そして主演に抜擢されたのが、映画初出演のアドレイド・ルルー。まだ顔にあどけなさの残る、かわいらしい女の子だ。
「とても難しい役で、時々いじめられているように感じたり、つらい撮影でした(笑)。事前に覚悟はしていたけど」と、ルルーは笑う。
監督からシナリオを渡されないのはもちろん、演技についての打ち合わせやリハーサルもほとんどなかったのだという。 「完成した映画を見て驚いたでしょう?」と聞いたところ、 「確かにびっくりしたけど、それはシナリオを読んでいなかったからじゃなくて、編集の見事さに驚いたの」と、彼女はあっけらかんとしたもの。映画の仕事はこれからも続けていきたいのだそう。
一方、彼女の相手役を演じるサミュエル・ボワダンは、監督の長編デビュー作「ジーザスの日々」('97)にも出演した俳優。監督いわく“「フランドル」は彼のために書かれた作品”だとか。
「難しい撮影だったけど、いい経験になったし、よい時を過ごしたよ」とボワダン。すると、すかさず監督が「悪い時もね」とツッコミを入れるなど、息の合ったところを見せてくれた。
デュモン監督がルルーとボワダンを選んだ基準は、「役に入っていける心と体の用意ができる人」かどうか。 監督が言うには、映画で最も大事なのは「よいキャスティングをすること」。そして「映画を上手く撮るコツなどありません。ひたすら撮っていく。ひたすら仕事をこなしていくだけ」と言い切る。 うーむ。取材前は、難解な映画を撮る芸術家タイプかと思っていたけど、監督って実は職人タイプなのかも。
ちなみに舞台となったフランドル地方は監督の故郷でもある。麦の穂が黄金色に輝く美しい映像にも注目だ。
(取材・文/ライター清水千佳) |
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