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2007.10.23(火)更新
【合同インタビュー】
“憩い”と“癒し”たっぷりの極上の旅物語「めがね」。
小林聡美&もたいまさこ&光石研がその撮影裏話を語る!
【合同インタビュー】“憩い”と“癒し”たっぷりの極上の旅物語「めがね」。小林聡美&もたいまさこ&光石研がその撮影裏話を語る!
アットホームな雰囲気の中、荻上直子監督最新作「めがね」をアピールした3人。写真左からサクラ役のもたいまさこ、主人公タエコ役の小林聡美、宿の主人ユージ役の光石研
【合同インタビュー】“憩い”と“癒し”たっぷりの極上の旅物語「めがね」。小林聡美&もたいまさこ&光石研がその撮影裏話を語る!
南の海辺の町を訪れたタエコは、重いトランクを引きずりながら、小さな民宿にたどり着いた。宿の主人ユージ、常連客のサクラ、高校教師ハルナらのゆったりしたムードに巻き込まれ、タエコの心も次第にたそがれていく
【合同インタビュー】“憩い”と“癒し”たっぷりの極上の旅物語「めがね」。小林聡美&もたいまさこ&光石研がその撮影裏話を語る!
南の海辺の町を訪れる主人公タエコを自然体で演じた小林聡美
【合同インタビュー】“憩い”と“癒し”たっぷりの極上の旅物語「めがね」。小林聡美&もたいまさこ&光石研がその撮影裏話を語る!
「かもめ食堂」に引き続き、フードスタイリストの飯島奈美が料理を担当。キャスト陣も「料理がおいしくて撮影前より体重が増えてしまいました」(もたい)と、太鼓判を押していた
(C)めがね商会

【STAFF&CAST】
監督・脚本:荻上直子 企画:霞澤花子 撮影:谷峰登 音楽:金子隆博 歌:大貫妙子 美術:富田麻友美 出演:小林聡美 市川実日子 加瀬亮 光石研 もたいまさこ 薬師丸ひろ子(2007日活)106分
■銀座テアトルシネマ、名演小劇場ほかで公開中
>> 公式サイト

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>> 「めがね」完成披露舞台挨拶
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「かもめ食堂」のスタッフ&キャストが結集!
南の海辺町を舞台に贈る“憩”の物語


 大きなトランクを引きずり、たよりない手描きの地図を片手に浜を歩き、小さな宿ハマダにたどり着いた主人公タエコ。そこで起こるのは、いちいち不思議なことばかりだった。
 2006年に公開されロングランヒットを記録した「かもめ食堂」。そのスタッフ&キャストが荻上直子監督のもと再び集結。携帯電話の通じない南の海辺の町を舞台に、あらたな物語を生みだした。そこで前作に引き続き本作でも主演した小林聡美、不思議な存在感で謎の女性を演じたもたいまさこ、荻上監督作に初参加となる光石研にインタビューを敢行。立て続けにヒットを飛ばす荻上ワールドの魅力を撮影裏話を交えながら語ってもらった。
「タエコと私は正反対のタイプ!
ロケ地ではすぐにリラックスしていました」
(小林聡美)


「荻上直子監督の台本は、セリフで多くを語るのではなく、その行間から感じることが求められるんですけど、それがゆったりとした空気感につながっているような気がします」と脚本の感想を教えてくれた小林聡美。前作「かもめ食堂」では、客人をもてなす“かもめ食堂”の店主を演じた彼女だが、本作では南の海辺町を訪れる旅人タエコを演じている。
「タエコは、あんなに気持ちのいい場所に行ってもリラックスができない女性なのですが、私自身は、あぁいう場所に行くとすぐにリラックスできるタイプなんです。だからロケ地に入ったらすごくリラックスしてしまったんですけど、がんばって緊張感を保っていました(笑)」

 一方、荻上監督とは「バーバー吉野」(2003)以来、4度目の顔合わせとなるもたいまさこ。毎年、春になると海辺の町を訪れかき氷屋を開く。不思議な女性サクラを独特の存在感で演じきった。
「今回は『かもめ食堂』以上に何も起こらないお話なので、どんな映画になるのかが全然想像がつかなくて、どこから役の入口を見つければいいものかと困りました。撮影前の本読みをやった時に、監督が役の背景になるようなものを書いて下さったんですけど、私の欄には『サクラさんは謎の女性なので謎のまま』と書いてあったので、どうしたものかと(笑)。でも実際にロケ地に到着すると、いたるところからマイナスイオンが出ているような所で、一瞬にして気持ちが軽くなったんですね。その時に、サクラさんは“外人”なんだと(笑)。外人ならばここに居ても不思議はない。そう勝手に想像して演じていました」

 そして今回、荻上監督の作品に初参加となったのが、個性派俳優の光石研。タエコが訪れる旅の宿・ハマダの主人ユージを、自然体で演じた。
「僕は荻上監督の作品に参加するのは初めてだったんですけど、ロケ現場に行った時点でゆったりとした空気が流れていて、夜の撮影も1シーンだけだったんですね。だから、毎朝6時に起きて、朝ごはんを食べて働いて、昼ごはん食べて仕事して、夕方の5時には撮影が終わるという、規則正しい生活を送っていたんですね。それが、そのまま映画に反映されているような気がします。だから、これは絶対に監督やスタッフたちに仕組まれているんだと思いました(笑)」
「路線バスに乗るだけでたそがれられます。
ぜひこの映画でたそがれて下さい」
(もたいまさこ)


 ちなみに光石が撮影前、監督から言われたのが「ユージは普通のおじさんではなく、ちゃんと地に足のついたかっこいい人」という言葉。これが案外難しかったようで。
「眉を整えたり……はしませんでしたが(笑)、撮影現場が本当に素晴らしい空気感だったので、背筋を伸ばしてスクッとそこに立っていようとは思いました。要はハートの部分ですよね。大地にしっかりと立つ! そこをいちばん大切に演じました」

 いつもながら思うのが、荻上作品が醸しだす独特の空気感。「バーバー吉野」なら吉野ガリと呼ばれるマッシュルームカット。「かもめ食堂」ではヘルシンキ(フィンランド)という街そのものが持つ雰囲気とおにぎりのミスマッチ感。そして「めがね」では、美しい海を背景に踊るメルシー体操。1度観たら忘れられない言葉にできない味があるのだ。このメルシー体操、もたい談では、あのビリーズブートキャンプよりもハードらしい。そして、こんなエピソードも。
「実は特訓に特訓を重ねているんですよ」(もたい)
「私と光石さんの部屋の間にもたいさんの部屋があったんですけど、延々とメルシー体操の音楽が流れてきてましたよ」(小林)
「途中で夜は10時までにして下さいって言われました」(もたい)

 朝はサクラが考案したメルシー体操を踊り、シンプルだけれどもおいしい食事を食べ、“たそがれる”。それは忙しい毎日を送る人にこそ必要な時間なのかもしれない。そこで“たそがれ上手”を自認する小林ともたいのふたりにその秘訣を聞いてみた。
「緑の多い森や公園で犬の散歩をする途中、ベンチでぼ〜っとたそがれたりしてます」(小林)
「忙しくて旅行に出かけられない時は、普段は乗らない路線バスに乗って何も考えずにぼぉ〜っと外を眺めていると、それだけで旅に出たような気分になります。そう! この映画でそういう気分に浸ってもらえるといいですね」(もたい)

 海辺の宿ハマダに集う人々の交流を、おかしくも切なく描いた「めがね」。小林聡美をはじめ、もたいまさこ、光石研、市川実日子、加瀬亮ら実力派俳優たちが、物語の世界観を自然体に体現した1作。疲れた身も心もきっとほぐしてくれる極上の旅映画だ!

(取材・文/ライター 大西愛)
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