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2007.12.11(火)更新
【単独インタビュー】
アダム・サンドラー×ドン・チードル共演の「再会の街で」で、
ふたりの男の魂の交流を描いたマイク・バインダー監督を直撃!
【単独インタビュー】
アダム・サンドラー×ドン・チードル共演の「再会の街で」で、
ふたりの男の魂の交流を描いたマイク・バインダー監督を直撃!
部屋に入ってくるなり、筆者のソニー製のテレコを見つけ、「ソニー配給の作品に、ちゃんとソニー製のテレコを持ってくるなんて、素晴らしいインタビュアーだ!」と冗談を言う、とても気さくでお茶目なマイク・バインダー監督
【単独インタビュー】
アダム・サンドラー×ドン・チードル共演の「再会の街で」で、
ふたりの男の魂の交流を描いたマイク・バインダー監督を直撃!
仕事や家族に恵まれ、幸せに暮らす歯科医のアラン(ドン・チードル)は、大学時代のルームメイト、チャーリー(アダム・サンドラー)とNYの街角で偶然にも再会する。9.11テロ事件で妻子を亡くし、殻に閉じこもった生活を送るチャーリーが心配なアランは、彼を社会復帰させようとする
【単独インタビュー】
アダム・サンドラー×ドン・チードル共演の「再会の街で」で、
ふたりの男の魂の交流を描いたマイク・バインダー監督を直撃!
悲しみと向かい合うことから目をそらし、TVゲームやバンドなど遊びに興じることで気を紛らわすチャーリーの絶望と孤独感を、コメディ俳優のアダム・サンドラーが見事に体現している
【単独インタビュー】
アダム・サンドラー×ドン・チードル共演の「再会の街で」で、
ふたりの男の魂の交流を描いたマイク・バインダー監督を直撃!
ふたりの男を時には支え、時には煩わす魅力的な女性陣を、ジャダ・ピンケット・スミス、リブ・タイラー、サフロン・バロウズらが演じ、物語に華を添える
【単独インタビュー】
アダム・サンドラー×ドン・チードル共演の「再会の街で」で、
ふたりの男の魂の交流を描いたマイク・バインダー監督を直撃!
■「再会の街で」は、12月22日(土)より恵比寿ガーデンシネマ、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
【マイク・バインダー監督PLOFILE】
1958年アメリカ生まれ。地元デトロイトでスタンダップ・コメディアンとしてキャリアをスタート。90年に初の脚本作が、「モナリザ・スマイル」(2003)など数多くの作品の製作や監督を手がけるジョー・ロスの目に止まり、「キャデラック 俺たちの1,000マイル」として映画化される。その後、「インディアン・サマー タマワクの英雄たち」(’93)や「ブランクマン・フォーエヴァー」(’94)などを監督する。そして、99年には「Sex Monster」(監督・脚本・主演/日本未公開)でアメリカ・コメディ・アーツ・フェスティバルの作品賞と主演男優賞に輝き、2001年に「The Search for John Gissing」(日本未公開)でサラソタ映画祭批評家賞を受賞するなど、高い評価を得る。2005年にケビン・コスナーを主演に迎えた「ママが泣いた日」で、監督・脚本・出演を務め、サンダンス映画祭で絶賛を浴びた。

【STAFF&CAST】
監督・脚本・出演:マイク・バインダー 出演:アダム・サンドラー ドン・チードル ジャダ・ピンケット・スミス リブ・タイラー サフロン・バロウズ(2007米/ソニー)124分
>> 公式サイト

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「この映画の本質は、
友情がもたらす癒しの効果なんだ」


 順調なキャリアと愛する家族に恵まれ、順風満帆な人生を送る歯科医のアランと、5年前の9.11テロ事件によって家族を失い失意の日々を送る元歯科医のチャーリー。大学時代のルームメイトだったふたりがNYの街角で偶然出会い、再び友情を育み、それぞれの人生を再生していく姿を描いた感動作が「再会の街で」である。本作は今年の第20回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、惜しくも賞は逃したものの、評価が高かった逸品である。

 主人公のアランを「ホテル・ルワンダ」(2004)でアカデミー賞ほか数多くの賞で主演男優賞のノミネートされたドン・チードルが、チャーリーを「50回目のファースト・キス」(2004)、「ロンゲスト・ヤード」(2005)の人気コメディ俳優アダム・サンドラーが演じており、ふたりの実力派俳優の演技合戦も見どころのひとつである。
 監督・脚本は、「インディアン・サマー タマワクの英雄たち」(’93)、ケビン・コスナー主演の「ママが泣いた日」(2005)などを手がけたマイク・バインダー。スタンダップ・コメディアン出身で、自らの監督作に出演することも多い才人である。今回、来日中のバインダー監督に映画について語ってもらった。

 本作は、監督自身が9.11テロ事件を実際に体験したことから生まれたと言う。
「たまたまテレビの番組に出るために、あの日、NYにいたんだ。番組に生出演している最中に、『ワールド・トレード・センターに飛行機が墜落した』というニュースが入ってきた。でも、その時はそれで終わったんだ。その後、街を歩いていたら、ワールド・トレード・センターが燃え上がっているのが見えて、初めてテロだということを知った。街では『あと8機襲ってくる』だとか、『第三次世界大戦が始まる』とかいろんな情報が飛び交っていて、人々は恐れて車の陰に隠れたり、逃げ惑ったりしていたよ。僕らも道をさまよっていて、灰で汚れた人や泣き叫んでいる人々とすれ違ったりしたんだ」
 一瞬にして全てが崩れ去る瞬間を目の当たりにしたんですね?
「そうだね。そしてそれから3年後に妻と子どもたちとNYに来て、同じ様に街を歩いていたらあの日のことがいろいろ蘇ってきたんだ。そして、未だにあの日のことを忘れられず、引きずっている人たちがたくさんいるんじゃないかと思い、この映画を思いついたんだ」

 本作ではそこにチャーリーとアランのふたりの男性の友情が絡んでくるが、どういう意図で、男同士の友情を盛り込もうと思ったのだろうか。
「ずっと前から男同士の友情、コミュニケーションについて何か作品を作りたいという思いがあったんだ。それがあって、今回この9.11テロ事件のベースと上手く組み合わさった。この映画の本質は、友情がもたらす癒しの効果なんだよ」
「原題の(元となった)『Love,Reign o’er Me』の
曲は、大人になりかけの僕にとって
特別な曲だったんだ」


 最愛の妻と3人の娘を失ったことからキャリアも捨て、深い悲しみから目をそむけ、子どもように自由気ままに遊ぶチャーリーを、アダム・サンドラーが見事な熱演で魅せる。コメディ俳優として人気を得ている彼だが、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞にノミネートされた「パンチドランク・ラブ」(2002)で挑んだシリアスな役に引続き、本作の自由奔放な様の中に癒えない傷の悲痛さを感じさせる演技は、彼の演技の幅広さを感じさせた。
 特に、冒頭のチャーリーがスクーターでNYの街を滑走するシーンがとても印象的である。明け方から夕暮れへ、そして夜へと移り変わる美しいNYの街の風景と対比して、ひとりで街をひた走るチャーリーの姿が浮き彫りになり、彼の孤独感をひしひしと感じられた。その事を監督に伝えると、
「まさに、感じてくれたようにこのシーンはチャーリーの孤独感を表しているんだ。チャーリーは誰もいないNYの街を走っているだろう。最初、この作品のタイトルを『エンプティ・シティ(空の街)』にしていたんだよ。でもスタジオ側がこのタイトルを嫌がったんだ(苦笑)。だから『マイク・バインダーはクール・ガイ』っていうタイトルにしようかとも思ったんだけど(笑)、結局は『Reign Over Me(原題)』にしたんだ」と語ってくれた。

 原題の「Reign Over Me」は、英国のバンド、ザ・フーのアルバム「四重人格」(’73)に収録されている「Love,Reign o’er Me(愛の支配)」からきている。この曲には監督の思い入れがたっぷり詰まっていると言う。
「若い頃、『四重人格』のアルバムが大好きで、なかでもこの曲が一番好きだったんだ。女の子に振られた時や家賃が払えなかった時なんか、この曲をヘッドフォンで聴きながらタバコでも吸っていると、嫌なことが全部忘れられたんだよ(笑)。大人になりかけの僕にとって特別な曲だったんだ」
 バインダー監督は、毎回、音楽に合わせて脚本を書くほど、作品での楽曲に対する比重が高い。そんな監督がこだわった70、80年代の楽曲が全編にわたって流れ、主人公たちの語り切れない心象を表している。そんな音楽の数々にも要注目である。

 美しいNYの街を舞台に、それぞれの孤独を抱えるふたりの男が、互いの存在と絆によって徐々に傷を癒していく「再会の街で」は爽やかな感動を与えてくれる。孤独とは、家族とは、そして友情とは自分にとって何だろうと、思い起こさせてくれる本作を、ぜひ大切な人と一緒に観てほしい。

(取材・文/MovieWalker編集部・石崎美智)



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