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2007.12.14(金)更新
【動画・完成会見】
激動の昭和を生き抜いた日本の“母”を描く「母べえ」が完成!
主演の吉永小百合、浅野忠信らが充実の撮影を振り返った
【動画・完成会見】激動の昭和を生き抜いた日本の“母”を描く「母べえ」が完成!主演の吉永小百合、浅野忠信らが充実の撮影を振り返った
母べえ役の吉永小百合。「子供のころから松竹・大船の映画に感じられる温もりが羨ましかったんです」と吉永。「それから時が経ち、こういう形で、昔の松竹の伝統を受け継いだ山田洋次監督の温かく哀しい映画に出演できて光栄に思っています」
【動画・完成会見】激動の昭和を生き抜いた日本の“母”を描く「母べえ」が完成!主演の吉永小百合、浅野忠信らが充実の撮影を振り返った
父べえ役の坂東三津五郎。「拘置所で2年間過ごす役だからプクプクしてるわけにいかなかったし、生まれて初めて4キロのダイエットをしました」と坂東三津五郎。「でも、監督から『エル・グレコのキリストみたいになってくれ!』と言われて頑張ったのに、現場で監督に『痩せたみたいだけど、どうしたの?』って言われたときはショックでしたね(笑)」
【動画・完成会見】激動の昭和を生き抜いた日本の“母”を描く「母べえ」が完成!主演の吉永小百合、浅野忠信らが充実の撮影を振り返った
山ちゃん役で新境地開拓の浅野忠信。「僕は山ちゃんのような(コミカル)な役はやったことがなかったので、監督に『なぜ僕なんですか?』って聞いたら、『だから君なんだよ』って言われました(笑)」と浅野。「でも、いろいろ勉強になりました。例えば僕はふだんボソボソ喋るんですけど、『台詞をきちんと言おう』って注意されて。基本ができていなかったことに気づかされて、新しい可能性が見えてきました」
【動画・完成会見】激動の昭和を生き抜いた日本の“母”を描く「母べえ」が完成!主演の吉永小百合、浅野忠信らが充実の撮影を振り返った
父べえの妹・久子役の檀れい。「『母べえ』という作品を通じて、私自身も知らなかった日本の優しい姿を知ることができましたし、毎日毎日勉強の日々でした」と檀れい。「出来上がった作品には本当に静かに、でも力強く、祈りのようなメッセージがたくさん込められていると思います」
【動画・完成会見】激動の昭和を生き抜いた日本の“母”を描く「母べえ」が完成!主演の吉永小百合、浅野忠信らが充実の撮影を振り返った
母べえの叔父・仙吉役の笑福亭鶴瓶は「撮影前に(山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』('77)に出演した)武田鉄矢さんから『現場でしぼられるよ』って言われてたのに、1度も怒られまへんでした。諦めてらっしゃったんですか?」と監督に質問した鶴瓶。すると監督が「鉄矢くんは現場で余計なことをいっぱいやるから怒ったんだよ」とその真相を明かした。
【動画・完成会見】激動の昭和を生き抜いた日本の“母”を描く「母べえ」が完成!主演の吉永小百合、浅野忠信らが充実の撮影を振り返った
左から・坂東三津五郎、次女・照美役の佐藤未来、長女・初子役の志田未来、笑福亭鶴瓶、吉永小百合、浅野忠信、山田洋次監督、檀れい、原作者の野上昭代
【動画・完成会見】激動の昭和を生き抜いた日本の“母”を描く「母べえ」が完成!主演の吉永小百合、浅野忠信らが充実の撮影を振り返った
昭和15年の東京を舞台に、戦争反対を唱えて投獄された父に代わり、幼い2人の娘のために懸命に生きた1人の母親と周りの人々との交流を描く感動作。
■「母べえ」は1月 26日(土)より丸の内ピカデリー2他にて全国ロードショー
[c]2007「母べえ」製作委員会


STAFF&CAST
原作:野上照代 監督:山田洋次 出演:吉永小百合 浅野忠信 檀れい 志田未来 佐藤未来 戸田恵子 笑福亭鶴瓶 中村梅之助 坂東三津五郎 大滝秀治(2008/松竹)132分
>> 公式サイト

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「今のお母さんは、子供を抱き締めること
が少なくなったような気がします」
(吉永小百合)


 大ヒット作「武士の一分」(2006)から1年、黒澤明監督作品の名スクリプターとして知られる、野上照代の自伝的小説を映画化した山田洋次監督の新作「母べえ」が完成。12月11日、都内で完成会見が行われ、山田洋次監督、主演の吉永小百合をはじめ、浅野忠信、檀れい、笑福亭鶴瓶、坂東三五郎ら主要キャストが出席した。

 映画は昭和15(1940)年の東京を舞台に、戦争反対を唱えて投獄された父に代わって、幼い2人の娘のために懸命に生きた1人の母親の姿を、母娘を支え続けた周りの人々との交流を交えて描いた感動作。112本目の出演作となる本作でヒロインの母べえを演じ、山田洋次監督と32年ぶりタッグを組んだ吉永は
「ラジオ・ドラマの『赤胴鈴之助』(’57)でデビューして今年で女優人生50年になります。監督には『男はつらいよ』シリーズで2回マドンナを演じさせていただき(『〜柴又慕情』(’72)、『〜寅次郎恋やつれ』(’74)の2本)その後も何度かお話はいただいたんですけど、実現できなくて。それでも最終回には絶対出るつもりでいたのですが、渥美清さんが亡くなられてそれもかなわず、残念に思ってました」と告白。
 すると、吉永の胸の内を聞いた監督は「いま、初めて知った」と驚きの表情。
 吉永も「松竹の方には伝えてあったんですけどね」と複雑な笑みを見せた。それだけに、今回の久しぶりの顔合わせは感慨深いものがあったようだが、最初はちょっとした戸惑いも。
「今回のお話をいただいたときに、『私のように歳をとった女性でいいのでしょうか?』と監督にお訊きしたんです。そしたら、『当時のお母さんはみんな疲れていたんですよ』とおっしゃられたので、それで出演を決めました。私は母親になった経験はありませんが、母べえを演じて、今のお母さんは子供を抱き締めることが少なくなったんじゃないのかな?って思いましたね」

 一方、父べえ役で「武士の一分」に続いて山田洋次作品に参加した坂東三津五郎は
「『武士の一分』で卑劣な男を演じている最中に父べえ役をいただいた。今回は(前回とは真逆の)高潔な役なので、山田監督が私のことをどう見てるんだろう?って思いました」とコメント。
「しかも吉永さんの旦那役で、なんて幸せなんだろうって思っていたら、幸せなのは最初だけで、後はずっと監獄の中だった(笑)」と嘆き、つめかけたマスコミを笑わせた。
 また、坂東三津五郎と同じように「武士の一分」に続いての山田洋次作品ながら、前作で演じた奥ゆかしいキャラとは違う、ハイカラでサバサバした性格の父べえの妹・久子を演じた檀れい。
「役の違いに関しては違和感はなかったですね。いろんな役を演じていきたいし、これもひとつの挑戦。監督の下で、今回もいろいろ勉強させてもらいました」
「吉永さんは照べえを叱るシーンで
『こら、鶴べえ!』って間違えたんです」
(笑福亭鶴瓶)


 吉永の撮影時の面白エピソードを暴露したのは、変わり者の母べえの叔父・仙吉を演じた笑福亭鶴瓶だ。
「吉永さんが(原作者の野上照代にあたる次女の)照べえを叱るシーンで『こらっ、鶴べえ!』って2回も間違えはったんですよ。浅野さんも見ていたし、嘘と違いまっせ。でも、怒られてほんま嬉しかったてすわ(笑)」

 すると母娘だけの家族を支える父べえの教え子、“山ちゃん”こと山崎徹を演じた浅野忠信も撮影中のかけがえのない想い出を披露。
「僕が海で溺れるシーンは本当に寒くて身体がカチコチになったんですけど、吉永さんが助けに来てくれたときは本当に嬉しくて。(実際は泳ぎが上手いのに)身体を任せて、そのまま助けてもらおうかなって、ずうずうしくも考えちゃいました(笑)」

 そんな楽しいエピソードが連続して和やかな会見になったが、それでも最後は山田洋次監督が本作に込めた想いを語ってビシッと締めた。
「今から60数年前に、日本人だけでも200万人以上、世界中では2000万人以上が戦争で死んだというのに、未だに戦争はなくならない。イラクやアフガニスタンでは毎日人が死んでいる。僕たちはもっともっと、戦争のとばっちりを受けて死んだ普通の市民の人生に関心を持たないといけない。その人たちの人生を想像すれば、戦争はなくなるはずだから。今回、僕は戦争の映画を撮るつもりはなく、お茶の間の映画を撮ろうと思っていました。でも結果的に、お茶の間の向こうに戦争が見えてるってことが、できあがった映画を観て分かったような想いがありますね」

 つつましくも賢く、健やかに生きる家族の物語に浸りながら、映画が伝える、戦争が引き起こす悲しみと繰り返してはいけない人間の愚行を肌で感じ取ってほしい。
(取材・文/イソガイマサト)



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