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2008.2.1(金)更新
【製作発表記者会見】
“宇宙大怪獣ギララ”が河崎実監督によって40年ぶりに復活
小泉、安倍、福田、日本の歴代総理も、会見に駆けつけた!?
【製作発表記者会見】“宇宙大怪獣ギララ”が河崎実監督によって40年ぶりに復活小泉、安倍、福田、日本の歴代総理も、会見に駆けつけた!?
左から福田総理(渡部又兵衛)、安倍前総理(福本ヒデ)、小泉元総理(松下アキラ)、宇宙大怪獣ギララ、河崎実監督。「ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発」は、これまでの日本映画になかった社会風刺の効いた怪獣パニック映画になるに違いない。右端は、司会をつとめた“ものまね芸人”レイパー佐藤
【製作発表記者会見】“宇宙大怪獣ギララ”が河崎実監督によって40年ぶりに復活小泉、安倍、福田、日本の歴代総理も、会見に駆けつけた!?
怪獣映画、特撮映画をこよなく愛する河崎監督。「ギララは『ウルトラQ』『ウルトラマン』の特撮ブームに便乗する形で制作されたもの。『男はつらいよ・寅次郎真実一路』(’84)にも出演している、マニアには知られた怪獣です」とギララについて解説
【製作発表記者会見】“宇宙大怪獣ギララ”が河崎実監督によって40年ぶりに復活小泉、安倍、福田、日本の歴代総理も、会見に駆けつけた!?
ギララ襲撃によって地球が滅亡する日、総理ならどうする?という質問に、小泉元総理は「自衛隊を民営化して、総力戦で闘う」、安倍前総理は「お金はあるので昭恵と一緒に逃げれるところまで逃げます」、福田現総理は「自民党最後の総理かと思えば、日本国最後の総理になれるんですね、フフフフフ」と各総理になりきってアドリブ回答
【製作発表記者会見】“宇宙大怪獣ギララ”が河崎実監督によって40年ぶりに復活小泉、安倍、福田、日本の歴代総理も、会見に駆けつけた!?
松竹初の怪獣であり、最後の怪獣となっていた宇宙大怪獣ギララが、40年ぶりに復活! 記者会見で配られたプレス資料によると、「仮面ライダー」や「エイリアン」のギーガーにも影響を与えた…とあるが、本当だろうか? 今回のリメイクで、日活の「大巨獣ガッパ」(’67)より市民権を得ることができるか
【製作発表記者会見】“宇宙大怪獣ギララ”が河崎実監督によって40年ぶりに復活小泉、安倍、福田、日本の歴代総理も、会見に駆けつけた!?
多数押し掛けた各誌のカメラマンたちが「歴代総理は、ギララに踏み潰されてください」と要求し、急遽このような図に。やはり怪獣映画には既成体制を破壊したいという庶民の願望が宿るのかもしれない。30分の予定だった会見は、1時間近く続いた熱気のあるものになった
【河崎実監督 プロフィール】
1958年、黒澤明監督や現役時代の王貞治監督といったセレブ御用達の高級フグ料理店の息子として誕生。円谷プロの「ウルトラマン」シリーズを浴びるように観て育つ。明治大学在学中、巨大化した豆腐が東京を襲撃する8ミリ作品「フウト」(’77)が話題に。萌えブームを先取りした「地球防衛少女イコちゃん」(’87)で商業デビュー。「飛び出せ!全裸学園」(’95)は驚異の5万本をセールス。賞レースにからまない“無冠の帝王”時代が続いたが、筒井康隆原作「日本以外全部沈没」(2006)は第16回東スポ映画大賞・特別作品賞を受賞。名物バイヤー&宣伝マンの叶井俊太郎と組んだ主な劇場公開作に「いかレスラー」(2004)、「コアラ課長」(2005)、「ヅラ刑事」(2006)など。他人にバカにされても自分にとって“気持ちいい”作品を撮り続けていることから、「お金のないティム・バートン監督」「才能のあるエド・ウッド」とも呼ばれる。1月30日(水)には河崎監督のライフ・ワークである「電エース」の最新作「絶対やせる電エース 宇宙大怪獣ギララ登場! 宇宙怪獣小進撃」がリリースされる。

STAFF&CAST
監督:河崎実 脚本:右田昌万 音楽:福田裕彦 出演:松下アキラ、渡部又兵衛、福本ヒデほか ※その他の出演者は後日発表(配給/トルネード・フィルム)今秋公開予定
予告編[ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発]
製作発表記者会見(6分49秒) [ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発]
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マイナー好きな異能監督・河崎実が
メジャーの松竹で、ついに映画製作


 「いかレスラー」(2004)、「日本以外全部沈没」(2006)などのヒット作で知られる河崎実監督は、日本映画界において誰も真似できない特殊なポジションを築いている。河崎監督は、いわば“鏡の国”の王様なのだ。世間一般でマイナーだとかフェイクだとか蔑まされているものが、河崎ワールドの中に一歩足を踏み入れると、とたんにキラキラと輝きを放ち始める。ブレイクできないマイナーな芸人やアイドルたちは、希少価値のある宝石として尊ばれ、フェイクなB級怪獣たちは本物にはない偽者ゆえの美学・哲学を朗々と歌いだす。

 河崎監督が主演も兼ねた「電エース」シリーズの最新作「絶対やせる電エース 宇宙大怪獣ギララ登場! 宇宙怪獣小進撃」では、ドラマであるにもかかわらず松竹の幻の怪獣映画「宇宙大怪獣ギララ」(’67)を「プロジェクトX」ばりのドキュメンタリーとしてフィーチャリングしていた。河崎作品にはマイナーなもの、フェイクな存在への狂わんばかりの愛情が溢れている。

 インディペンデント・シーンで好き勝手に暴れ回っていた河崎監督が、なんとメジャーな映画会社である松竹で、そのギララを復活させることになった。タイトルは、「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」。
“危機一髪”ではなく、“危機一発”となっている部分に着目。これは、007シリーズの最高傑作と誉れ高い「007 ロシアより愛をこめて」(’63)の日本公開時のタイトルが、銃弾の“一発”とかけて「007 危機一発」となっていたこと(発案者は、当時ユナイトの宣伝マンだった水野晴郎氏)への敬意を表してのこと。過去のトリビアに対しても、時代を超越して愛情を注ぐところが河崎監督らしい。

 東宝のゴジラ・シリーズ、大映のガメラ・シリーズに対抗して、松竹が精力を傾けて製作したものの、ほとんど誰も覚えていない「宇宙大怪獣ギララ」は、どのようにして現代に甦るのか。河崎監督のことだから、真っ当なリメイクものになるわけがない。1月29日、東銀座の歌舞伎座を横目で見ながら、「ギララの逆襲」の製作発表が行われる松竹本社の会議室へと向かった。
ギララの標的は7月の洞爺湖サミット
3人の歴代総理が、映画デビュー?


 「ギララの逆襲」の記者会見に現れたのは、河崎監督に続いて、なんと小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫という日本の歴代総理大臣たち(のソックリさん)。これは会見から楽しいものになりそうだ。
河崎「松竹のギララは、東宝のゴジラや大映のガメラのようにメジャーになれなかった不幸な怪獣。40年の間、何人かの監督の手でリメイクが試みられましたが実現しなかった作品です。プロデューサーや脚本家たちと頭から血が出るほど考えました。私は『日本以外全部沈没』という便乗映画をヒットさせています。やはり、ここは便乗企画だろうと。今どき怪獣映画だけではお客さんは呼べませんから。今年は何かあるかなぁ…、あっ、そうだ! 洞爺湖サミットだ。サミット中にギララが現れて、各国の首脳たちが闘うというストーリーを思いつきました。サミットが映画になるのは、史上初の快挙なんです」

 相変わらずクレイジーだが、熱意はある河崎監督の挨拶に続いて、歴代総理たちが次々と慣れた手つきでマイクを握った。
小泉「鼻筋は通っていますが、話の筋は通っていない小泉です。今回はサミットが舞台の映画。私はね、歴代総理の中で一番サミットに出席してるんです。6回ですよ、6回。スーパー・サミットも入れれば、数え切れませんよ。サミットの思い出といえば、米国でのサミット。サミット終了後の記念撮影ではブッシュの横に並ぶために、ダッシュで歩きました。これが一番の思い出だね。福田さんは映画に出てる場合じゃないね。支持率だけでなく、観客動員まで下げるね。安倍くんは気の毒だったね、ボクから総理に指名されたばっかりにね」

安倍「不幸なギララに、不幸な私。ぴったりかと思います。今年はなんといっても洞爺湖サミット。私が会場を決めたんです。ホテルのセキュリティー対策は万全。関係者以外は絶対入れません。ということは私も入れないということです。私が決めたサミットなのに、私はそこにいることができないんです。私の再チャレンジは、この映画しかありません。途中で投げ出すかと思いますが、どーぞ安倍晋三をよろしくお願いします」

福田「福田でございます、フフフフフ。まぁ特徴がない、華がないと言われて4か月。何とかなるかと思えば、何ともなりません。一句つくりました。『ガソリンで ねじれ国会 火の車』。ま、私の父親はサミットに出ることができなかったので、サミット出席は福田家2代の宿願です。サミットに出席してから、国会は解散したいと思います。解散権は私にあるんですよ、フフフフフ」

 歴代総理に扮したのは、人気の社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」の松下アキラ(小泉)、福本ヒデ(安倍)、渡部又兵衛(福田)の3人。言い回しや声色だけでなく、本人以上に本人らしいコメントをするところはお見事。「ブロードキャスター」(TBS系)などのニュース・バラエティーに出演していた彼らだが、映画出演は初となる。

 3月〜4月に撮影し、6月には完成。7月7日から始まる洞爺湖サミットに合わせて、世界の要人を招待してのワールド・プレミアが予定されているとのこと。いったい、どんな顔ぶれが集まるのか?
河崎「フランス大統領のサルコジさんとかね。ま、それは冗談ですけど、宣伝プロデューサー(トルネード・フィルム代表の叶井俊太郎氏)が考えてくれていると思います。『日本以外全部沈没』のプレミアのときは、各国の大使館に招待状を送ったんです。どこの国からも返事はありませんでしたが、唯一フランス大使館だけ『出席できません』と返事がありました。さすが、フランスはジョークの分かる国ですね」

「政府がこの映画を問題視してくれれば、いい宣伝になるんですけどね」と不謹慎なことをニコニコ顔で語る河崎監督。しかし、河崎監督の作品には、権威主義、効率至上主義の人間が失ってしまったハートがしっかり息づいているのだ。
河崎「ボクはCGを使った映画が好きじゃないんです。怪獣映画の着ぐるみには、着ぐるみでなくては表現できない愛嬌と哀愁があるんです。怪獣映画は歌舞伎や文楽と同じような日本独特の伝統文化。命をかけて、この映画を撮りますよ」

 選挙中だけ砂糖菓子のように甘い公約を掲げ、当選後はころっと忘れてしまう政治家たちに比べて、実に誠実な言葉ではないだろうか。河崎監督、あなたは“鏡の国”の立派な王様です!

(取材・文/ライター長野辰次)



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