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2008.3.3(月)更新
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(21)
「幽霊VS宇宙人」公開記念
豊島圭介監督インタビュー
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(21)
「幽霊VS宇宙人」公開記念
豊島圭介監督インタビュー
「やっとやりたいことができた」と語る豊島監督
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(21)
「幽霊VS宇宙人」公開記念
豊島圭介監督インタビュー
「幽霊VS宇宙人」(2007)
監督:清水崇 豊島圭介 脚本:清水崇 千葉雅子 出演:山中聡 高橋和也 宮下ともみ 山本彩乃 ハリセンボン 製作:シャイカー(2007/トルネードフィルム)106分
清水崇監督「ロックハンター伊右衛もん」(主演:山中崇、宮下ともみ)、豊島圭介監督「略奪愛」(主演:高橋和也、山本彩乃)の2編から成るオムニバス作品。3月8日(土)シネセゾン渋谷にてレイトショー
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(21)
「幽霊VS宇宙人」公開記念
豊島圭介監督インタビュー
「吸ってもいいじゃない」
「略奪愛」の主人公・森村宇宙雄 (もりむら・うつお)率いる“森村宇宙雄とトリプルゾンビーズ”、まさかのミニ・アルバム発売! ボーカル・森村宇宙雄を演じるのは、もちろん80年代一世を風靡した人気アイドル・グループ“男闘呼組”の高橋和也! 70年代フォーク・ロック風の名曲「吸ってもいいじゃない」は必聴!
(定価:税込1,800円/品番:BZCS-5015/発売日:3月8日)
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(21)
「幽霊VS宇宙人」公開記念
豊島圭介監督インタビュー
「張り込み」(2000)
監督:篠原哲雄 脚本:豊島圭介 出演:若林しほ 小市慢太郎ほか 製作:JRSS 79分
張り込みの刑事と団地主婦の危うい関係を描いたサイコ・サスペンス。華倫変の漫画原作を基に、豊島圭介が脚色。本作は「ラブシネマ」の第4弾作品として、製作・公開された。カルチュア・パブリッシャーズよりDVD発売中
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(21)
「幽霊VS宇宙人」公開記念
豊島圭介監督インタビュー
「天使のはらわた 赤い教室」('79)
監督・脚本:曽根中生 原作・脚本:石井隆 出演:水原ゆう紀 蟹江敬三ほか 製作:日活 79分
「この作品みたいに、いい女に恋をしてメチャクチャになるのとか、作りたい物の根底にあるのがこの映画なんですよね。一番最初の『悲しいだけ』っていう8mm自主映画のときはこれを解体・研究して脚本を作ったんですよ。田中登監督は他にも『ピンクサロン 好色五人女』('78)とか、何であんなにちゃんと女性の視点に立てるのかわからない」(豊島監督・談)ジェネオン・エンタテインメントよりDVD発売中
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「幽霊VS宇宙人」公開記念
豊島圭介監督インタビュー
「しとやかな獣」('62)
監督:川島雄三 脚本:新藤兼人 出演:若尾文子 伊藤雄之助 山岡久乃 製作:大映 96分
「この若尾文子、最高ですね。ああいう女に人生ボロボロにされたいっていうか(笑)」(豊島監督・談)…とまさに「略奪愛」のテーマにも通じる邦画の金字塔。若尾文子のクールな美しさが炸裂する!角川映画よりDVD発売中
【豊島圭介 プロフィール】
1971年静岡県浜松市生まれ。東京大学在学中から自主映画製作に入り、卒業後ロサンゼルスのアメリカン・フィルム・インスティテュート(AFI)の監督コースに留学。1999年夏、帰国後、中原俊監督作品・篠原哲雄監督作品など、商業映画の脚本化としてデビュー。ENBUゼミなどで脚本・俳優の講師などもしつつ、その後も監督作品を製作。監督・脚本作品に「悲しいだけ」(ぴあフィルムフェスティバル'94グランプリノミネートほか)、「明るい場所」、「幽霊VS宇宙人」シリーズ、「怪談新耳袋」シリーズほか。最近では4月2日〜テレビ東京で放送されるオムニバス・ドラマ「週刊真木よう子」にて福満しげゆき原作漫画を映像化! また、WOWOWのショート・ドラマ「紺野さんと遊ぼう」(原作:安田弘之/主演:吉高由里子)も待機中
>> 公式サイト
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 「怪談新耳袋 ノブヒロさん」(2006)をはじめ、清水崇監督(「呪怨」シリーズ)と共にホラー映画の秀作を放って来た豊島圭介監督の最新作は、その清水監督との共作オムニバス・シリーズ「幽霊VS宇宙人」。そして今回の豊島作品は、ミュージシャン・宇宙雄とその婚約者、そして宇宙人にしてファム・ファタール、メグの三角関係を描く官能的なSFメロドラマで、これまでのイメージをくつがえすことに成功した。今回はその公開を記念して、10年以上のキャリアを経て新たなステージに立とうとしている監督に現在の心境を語ってもらった。
「自分が『こうだ!』と思ってる
アイデンティティーが
壊れちゃうっていう瞬間がやりたい」


――このコーナーは本来、R−18作品を扱っているコーナーなんですが、そこに敢えて「幽霊VS宇宙人 略奪愛」を紹介させて頂こうかと。今回は作り込みもすごく、気合いを感じます。今までの“豊島圭介=ホラー”というイメージをひっくり返す官能的なメロドラマ、しかもSF!が誕生したと思いますが、豊島監督にとってもエポック・メイキングな作品になったのでは?
「最近やっと焦点が合って来た気がするんですよね。元々ね、昔撮った16mm作品の『明るい場所』('97)なんか、ジム・ジャームッシュ大好き!みたいなやつで。あれももう10年以上前で、当時そういう路線をやろうとしてたんだけど、アメリカで通った映画学校(AFI)がハリウッド映画を撮れる学生を育てようとするところだったんですよ。いきなり『ティン・カップ』('96)観て分析しろ、みたいな(笑)。それで戸惑ったりしながらもそういう方向性のものをやっていたら、ちょっと映画が分かんなくなっちゃって。それから長い旅が始まったんですよ。『いったい何がやりたいんだ、俺』っていう。それで商業的には清水(崇監督)と出会って、ホラーをやるようになったんですけど」

――一方でENBUゼミの卒業制作「シベリア」(2004)や脚本を手がけた「張り込み」(2000/監督:篠原哲雄)などの路線がありますが、実はそっちがやりたい方向だったんですか?
「そうですね。『張り込み』もロマンポルノ作品みたいな作風で、あれもテーマは『略奪愛』に近いですよね。張り込みをする刑事と称する男が、人を殺した女の顔をもう一度見たいっていう話。迷いつつも実録犯罪ものとかエロティックなものを描いて行きたいというのはあって。ただね、ホラー映画っていうジャンル・ムービーを撮り始めたのは大きかったですね。どういうものをどういう状況で、どういう風に見せて、どうお客の感情を誘導していくか。ホラーは当然怖がらせなきゃいけないし、コメディだったら笑わせなきゃいけない。ニューヨーク・インディーズのように何となく良い感じだったね、味だね、みたいなことで成立しない(笑)。そういうのが通用しないストレートな映画のあり方と、『怪談新耳袋 ノブヒロさん』の内山理名にせよ誰にせよ、女の人が『ぎゃー!』とか泣いたり叫んだりするのがこんなに面白いのかっていう2つの発見があったんですよ。女の人、いじめたいんですよねぇ。そこで追い込まれたときに見せる表情とか、自分が『こうだ!』と思ってるアイデンティティが壊れちゃうっていう瞬間がやりたい、っていうのもホラーを通じて出てきて。あと『天使のはらわた 赤い教室』('79)みたいに、ものすごい魅力的な悪女に恋をしてメチャクチャになるとか、あと田舎町にぶらっと男が行ったら、悪い女がいてその女には汚いおっさんの旦那がいて『このおっさん殺して』みたいなフィルム・ノワールがやりたいっていうのもあって。当然そういう企画は日本じゃ通りにくいけど『幽霊VS宇宙人』シリーズなら・・・。それで、悪い女っていったら宇宙人だろう、と(笑)」

――なるほど(笑)。日本の怪談で言えば「牡丹燈籠」みたいな感じでもありますよね。
「そうですね。端から見るとげっそりしてるけど本人は恍惚としているっていう。僕自身も『この人とはキスしないで欲しい』って人をあえてキャスティングして、主人公と同じく悶々とした気持ちでのぞみました(笑)」

――ヒロイン、“メグ”を演じた山本彩乃さんがエロ過ぎます。ホット・パンツもいいし、キスも情熱的。彼女自身が70年代ロマンポルノも彷彿とさせる顔といいますか。設定自体も70年代テイストがありますよね。
「ホット・パンツ、好きなんですよ(笑)。彩乃ちゃんは、今回キス・シーンのオンパレードだったんですけど『ハートが強い女になりました』なんて言ってて。彼女って70年代に活躍した女優・范文雀に似てるんですよね。70年代って、デザインとかファッションを含め分かりやすい時代だったと思うんですよ。俺は左、俺は右みたいな。その分かりやすさってストレートな情念に繋がっていったような気がして。高橋和也さんみたいな“気持ち”で芝居するようなタイプも活きる」

――高橋和也さんも素晴らしかったですね。憔悴メイクも似合ってますし、品があります。高橋さんの存在感で、不思議と洋画感が出た気がします。日本特有のじめっとした方向にいってないような。
「そうですね。高橋さんは『僕は器用じゃないから』って言ってて、わざとすかして笑かす方向ではなく、お芝居を一生懸命に過剰にやることが自然とおかしみに繋がっていくという。その辺の距離感をご自分も分かってる感じでしたね」


――脚本は「猫のホテル」の千葉雅子さんを起用してますね。
「千葉さんとの出会いは『怪奇大家族』なんですが、実際に『猫のホテル』の芝居が昭和テイストなんですよね。今回は千葉さんのおかげで、だいぶキャラクターが立ったと思います。女性視点なせいか、脚本では最初、マリコっていう宇宙雄(=高橋和也)の婚約者の目線が強くて、ラスト・シーンまでマリコが立っていて。実は、宇宙雄(=高橋和也)の映画になってないんじゃないかなと。それで撮影の2週間前くらいに彼が歌を歌うシーンを思いついて。しかもそれが映画の肝になったんですけど(笑)」

――いやあ、あのテーマ曲「吸ってもいいじゃない」にはうっかり泣きそうになりました。
「あの曲は何かうまく行った気がするんですよ。でも直井さんは劇中に出るカラオケ風のテロップはいらない派でしたよね(笑)」
――あそこでカラオケ風テロップが出て「ああ、コメディだったんだよな、これ」と思い直すぐらい真剣にドラマを堪能してたんで(笑)。でもそのあと熱唱する高橋和也さんのテンションはそれらを全て包み込んでくれてばっちり胸が熱くなりますよ!
「服を脱がなくても、こんだけ
エロいんだぞっていうのを観て欲しいですね」


――最後に「略奪愛」および「幽霊VS宇宙人」全体の見所などお聞かせ願えますか?
「テーマ曲『吸ってもいいじゃない』は調子に乗って森村宇宙雄(うつお)&トリプルゾンビーズ名義でCDも出しました。歴史、作ろうと思って(笑)。『幽霊VS宇宙人』本編自体はもう1本の清水君の『ロックハンター伊右衛門』共々、ジャンルでくくれない映画ができたと思うんでそこを楽しんで頂けたら。特に僕の『略奪愛』は服を脱がなくても、こんだけエロいんだぞっていうのを観て欲しいですね。『明るい場所』から10年、やっとやりたいことができたんで。これをきっかけに、これからもエロティックな映画、そして“女の人”を撮り続けて行きたいなと思います」

取材・構成/直井卓俊
(SPOTTED PRODUCTIONS)
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