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| 右から・中江裕司監督、「ホテル・ハイビスカス」の父ちゃんで、今回は船長役を務めるという、沖縄民謡界の大御所、照屋政雄氏、さらにロケ地となる伊是名島から観光振興課の仲本吉光氏も同席。「島をPRする絶好の機会。映画が成功するよう、島を挙げて全面協力します」 |
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| 中江裕司監督作品では、毎回、音楽も重要なアイテム。「もちろん今回もいろいろ考えています。沖縄の民謡も使おうと思っていますが、さらにヨーロッパの古い時代のもの…オーケストラ以前のものも使ってみようと思っています」 |
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| 中江作品には「ホテル・ハイビスカス」に続いての出演となる照屋政雄氏。御歳69歳! 映画そのままに、チャーミングなキャラクターが魅力! ただ、ときに話が止まらず映画のストーリーにまで及びそうになると、中江監督から「ストーリーはまだ秘密で!」とストップをかけられる場面も(2度ほど) |
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| 東京から沖縄のとある島へと帰郷してくる女性、ゆり子役として出演が決定している柴本幸。2007年にNHK大河ドラマ「風林火山」のヒロインに大抜擢され、デビューを果たした新人女優。中江監督は「非常に存在感のある女優さん。彼女がどういう風に島の女の子になっていくのか楽しみです」と話す |
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「真夏の夜の夢」 ■2009年全国公開予定
【スタッフ&キャスト】
監督・脚本:中江裕司 原作:ウィリアム・シェイクスピア 脚本:中江素子 出演:柴本幸
【中江裕司監督プロフィール】
1960年京都府生まれ。1980年、琉球大学入学とともに沖縄に移住し、映画研究会で多くの自主映画を製作。「パイナップル・ツアーズ」の第2話「春子とヒデヨシ」(’92)でデビュー、1994年に「パイパティローマ」を監督。1998年の「ナビィの恋」はベルリン映画祭NETPAC賞を受賞、沖縄では18万人を動員し「タイタニック」抜いて記録的ヒットしたのをはじめ、全国的にも大ヒット。続いて仲宗根みいこ原作の「ホテル・ハイビスカス」(2002)、ドキュメンタリー「白百合クラブ東京へ行く」(2003)を監督し、昨年はBEGINの青春時代をモチーフにした「恋しくて」(2007)が公開された。また、那覇市の閉館した映画館を街中の劇場「桜坂劇場」として復活させ、劇場を運営する株式会社クランクの代表取締役社長も務める

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「シェイクスピアの描いた『真夏の夜の夢』を 現代で撮るなら沖縄しかないと思いました」

昨年、「恋しくて」(2007)で沖縄を大いに盛り上げたばかりの中江裕司監督から、早くも次の新作についての製作発表が行なわれた。沖縄を舞台に作品を撮り続けている中江監督だけに、次はどんな沖縄の表情を見せてくれるのか、沖縄県民だけでなく楽しみにしている人も多いと思うが、気になる新作のタイトルは「真夏の夜の夢」。なんと原作はウィリアム・シェイクスピア喜劇!
ご存知の方も多いと思うが、「真夏の夜の夢」は、妖精の仕掛けたイタズラで、若い男女が一夜の恋騒動を繰り広げる16世紀のアテネが舞台の物語。
沖縄の架空の島にその舞台を移し、失恋して帰郷した女性と妖精との友情を中心に、主人公の恋模様や島の人々の奮闘が描かれるそう。
「『真夏の夜の夢』は、お芝居には何度もなっているんですが、実は日本ではまだ映画化されたことはないんです。それがなぜかと考えると、原作で描かれているような、人間と妖精が共存して生きていく世界を、現代で描くなら沖縄でしか撮れないであろう、特に沖縄の離島でしか撮れないであろうということだと思うんです。それで今回の映画化を決めました」
「ナビィの恋」(’99)では粟国島、「恋しくて」では石垣島と、中江作品ではこれまでも沖縄の離島が舞台となっているものが多いが、今回撮影が行なわれるのが、沖縄本島の北にある小さな島、伊是名島。
実は「パイナップル・ツアーズ」(’92)でも伊是名島で撮影を行なった中江監督。今回は、「できれば伊是名島で撮りたくなかった」という話に、同席した伊是名島観光振興課の仲田吉光さんも苦笑い。その理由は?
「17年前に一度撮影しているわけですから、同じ島で撮るということで自分のモチベーションを上げられるのか心配だったし、新しい島で新鮮な気持ちで取り組みたいとも思っていたんですね。それで今回、この映画をやるという目線でいろんな島を周ったんですが、やっぱりね、伊是名は小さな島なんですが、どこにも負けない圧倒的な自然があったんです。だから改めて島を見て、これは伊是名で撮るしかないって思ったんですよね」 |
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「人は1人で生きているんじゃなくて 眼に見えないものと共存して生きているんです」

木の精キジムナーの存在が信じられている沖縄は、恋に泣き笑い、唄あり踊りありのドタバタ騒動が展開する、シェイクスピア原作の舞台にはピッタリかもしれない。出演者代表として同席した照屋政雄氏は、沖縄民謡の唄者として代表曲「チョンチョンキジムナー」でもおなじみ、もはやキジムナーの伝承請負人。
「キジムン(キジムナー)は木の命。喜怒哀楽がないから涙を落とすことも怒るということもない。時間もないから子供か大人かもわからない。私も今までは人に恋したり失恋したり、色々悩んだり、泣いたり怒ったりしていましたが、これからはキジムンのように人間的な喜怒哀楽を捨てて、そして喜怒哀楽を捨てたキジムナーが喜怒哀楽を唄うということでやっていきたいと思います」
と、キジムナーのことを話し出すと止まらない。ユーモアたっぷりな話っぷりは、「ホテル・ハイビスカス」(2003)のビリヤード好きでハートの大きな父ちゃんそのままだ!と思わず嬉しくなってしまう。
とはいえ、沖縄でさえ、今の普段の生活の中で、妖精や自然と人とが共存している世界を想像するのはむずかしい。だからこそ、この映画を通して伝えたいメッセージを中江監督はこう語る。
「人は当然他の人とも生きているわけですが、眼に見えないものたちとも共に生きているということを忘れ始めている、ひとりひとりが自分だけで生きているような時代になってきているんじゃないかと思うんです。東京でも、ここ最近は沖縄でもすごく感じていることで、僕はそれはよくないと思うんです。多分、シェイクスピアが生きていた16世紀のヨーロッパでも、人と妖精が共存していた時代なんじゃないかと思うんですよ。シェイクスピアに敬意を払いつつ、原作の世界を沖縄でどう撮るかが今回のテーマです」
今夏の撮影に向けて、監督曰く、“映画の成否がかかっている”主役の妖精は、一般の人からオーディションにて選出される。演技経験のない一般の人からその魅力を引き出す中江監督の手腕は、「ホテル・ハイビスカス」や「恋しくて」でも証明済み。脚本も途中段階だが、原作を読んだことのある方はおわかりの通り、「しっちゃかめっちゃかのファンタジック・コメディーです!」と中江監督。全面協力を約束した伊是名島の島民や島のキジムナーたちも巻き込んでの大騒動が繰り広げられるに違いない。真夏の沖縄から届く、一夜の夢物語の完成をお楽しみに! |
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(取材・文/ムービータイム:相川ゆきみ) |
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