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2008.5.19(月)更新
【動画・来日インタビュー】
「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」でサラ・ポーリーが監督デビュー
20代の人気女優は、なぜ長編1作目で老夫婦の愛を描いたか?
【動画・来日インタビュー】「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」でサラ・ポーリーが監督デビュー20代の人気女優は、なぜ長編1作目で老夫婦の愛を描いたか?
「死ぬまでにしたい10のこと」や「ドーン・オブ・ザ・デッド」、「あなたになら言える秘密のこと」などで、女優としても活躍するサラ・ポーリーが、本作で長編監督デビューを果たした。リスペクトするのは、「エキゾチカ」や「スウィート ヒアアフター」で組んだアトム・エゴヤン監督。「アトム・エゴヤンは、俳優としても監督としてもインスピレーションを受けた初めてのフィルムメイカー。この作品で言えば、直線的でない時間軸の使い方は、彼の影響だと思うわ」
【動画・来日インタビュー】「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」でサラ・ポーリーが監督デビュー20代の人気女優は、なぜ長編1作目で老夫婦の愛を描いたか?
ハリウッド嫌いで知られ、政治的にもリベラルなイメージが強いサラ・ポーリー。だが、実際に取材で会った彼女は、頭の回転こそ速いものの、むしろ小柄なカワイイ女性。穏やかで適確な語り口が印象的だった
【動画・来日インタビュー】「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」でサラ・ポーリーが監督デビュー20代の人気女優は、なぜ長編1作目で老夫婦の愛を描いたか?
すでに監督として短編は何本も手掛けているサラ。今回監督業に専念するために、女優業を2年間休業した! 本作では、アカデミー賞で脚色賞とジュリー・クリスティの主演女優賞の2部門にノミネートされた
【動画・来日インタビュー】「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」でサラ・ポーリーが監督デビュー20代の人気女優は、なぜ長編1作目で老夫婦の愛を描いたか?
弱冠29歳のサラが、アルツハイマーに侵された妻と彼女を見守る夫の夫婦愛と葛藤を見事に描き出した本作
【動画・来日インタビュー】「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」でサラ・ポーリーが監督デビュー20代の人気女優は、なぜ長編1作目で老夫婦の愛を描いたか?
主演は「あなたになら言える秘密のこと」で共演したジュリー・クリスティ。アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた他、ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞を受賞した
【動画・来日インタビュー】「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」でサラ・ポーリーが監督デビュー20代の人気女優は、なぜ長編1作目で老夫婦の愛を描いたか?
夫役にカナダ映画界のアイコン、ゴードン・ピンセント。妻の記憶から自分の存在が少しずつ消えていく哀しさを味わい深く切なく体現している。
■「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」は5月31日(土)より銀座テアトルシネマ他全国順次公開
(C)2006 The Film Farm/Foundry Films/pulling focus pictures Inc.
【サラ・ポーリー プロフィール】
1979年、カナダのトロント生まれ。両親が俳優で、幼い頃から子役として活躍。テリー・ギリアム監督作「バロン」(’88)、アトム・エゴヤン監督作「エキゾチカ」(’ 94)で注目される。続いてエゴヤン監督の「スウィートヒアアフター」(’ 97)でボストン及びシカゴ批評家賞助演女優賞を獲得。その後、「イグジステンズ」(’ 99)、「めぐり逢う大地」(2000)、「悪魔の呼ぶ海へ」(2000)に出演。本作の監督でもあるイサベル・コイシェ監督作「死ぬまでにしたい10のこと」(2003)で女性客の圧倒的な支持を受け、ジェニー賞(カナダのアカミデー賞)主演女優賞を受賞。その他の主な出演作は、「Re:プレイ」(2004)、「ドーン・オブ・ザ・デッド」(2004)、「アメリカ、家族のいる風景」(2005)、「あなたになら言える秘密のこと」(2005)などに出演。また1999年より監督業にも進出し、テレビ・ドラマも含めて5本の短編を手掛ける。本作で初の劇場用長編映画監督デビューを果たし、アカデミー賞脚色賞にもノミネートされる

【STAFF&CAST】
監督・脚本:サラ・ポーリー 原作:アリス・マンロー 出演:ジュリー・クリスティ ゴードン・ピンセント オリンピア・デュカキス マイケル・マーフィ(2006カナダ/ヘキサゴン・ピクチャーズ)110分
>> 公式サイト
予告編[アウェイ・フロム・ハー 君を想う]
サラ・ポーリー監督インタビュー(3分01秒) [アウェイ・フロム・ハー 君を想う]
>> 「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」上映スケジュール
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「この映画で一番大変だったのは
ジュリーを口説き落とすことだった」


 サラ・ポーリーと言えば、アトム・エゴヤン監督作「スウィート ヒアアフター」('97)の可憐な少女のイメージから、最近では「死ぬまでにしたい10のこと」(2003)、「ドーン・オブ・ザ・デッド」(2004)などで大人の女優としての存在感を発揮。すっかりカナダを代表する人気女優へと成長した。
 そんな彼女が長編映画を初監督した「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」が評判となっている。アカデミー賞でも、ジュリー・クリスティの主演女優賞と自身の脚色賞にノミネートされた。来日した彼女に話を聞いた。

  この映画では、カナダが誇る“短編小説の女王”アリス・マンローの「クマが山を越えてきた」を原作に、妻がアルツハイマーを患った老夫婦の切なくも美しい愛のドラマが綴られる。
「アリス・マンローは、日常生活の内に潜む側面、心の襞を捉えることに秀でた作家なの。文章も静かで内的。冷酷なまでの観察眼を持っていて、センチメンタリズムに流されることなく、人間の内面を描き出す。私はそこが大好きだし、この映画の原作にしても、“結婚の本質”をこれほどまで真摯に描いた作品を読んだことがなかったわ」

 ジュリー・クリスティが演じるフィオーナは、まさに彼女のために用意されたような役柄だ。
「本当に偶然で、ジュリーと共演したアイスランドの撮影を終えた帰路、飛行機の中で、雑誌に掲載されていたこの原作を読んだの。ジュリーの顔が浮かんでしょうがなかったわ。それから5年くらい頭の中で発酵させて、ジュリーを当て書きして脚本を書き上げたの。でも、出演してくれるよう彼女を口説き落とすまでに、1年近くもかかっちゃった。それが、この映画を作る上で最も苦労したことね」
「女優と監督を、バランスを
とりながら両立していきたい」


 フィオーナはアルツハイマーと診断され介護施設に入るが、夫のグラントと離れ離れになったことで彼の存在を忘れてしまう。面会が許されグラントが施設を訪ねると、フィオーナは車椅子に乗った別の男性を甲斐甲斐しく世話していた。
 これは40年以上連れ添った夫婦が直面する試練を描いた作品だ。初監督作に選ぶには、かなりチャレンジングな題材と言える。まだ20代の彼女が、どうしてそんなテーマを扱ったのだろう?

「ラブ・ストーリーとしての物語に惹かれたの。アルツハイマーという点で言えば、“記憶”というものが、人生の軌道においてどういう役割を果たすかということに、興味を覚えたと言えるけど。これまで映画が扱ってきた恋愛の形は、“始まり”を描いたものばかりだった。でもここには、最初の頃には持っていたはずの相手に対する幻想もなくなったけど、それでも2人には手で触れないような絆がちゃんとある。そういう愛を描くことは、とても豊かな試みだと思ったの。自分が若いから、より興味をそそられたんじゃないかな」

 若いポーリーを、クリスティをはじめ、グラントを演じたカナダの重鎮俳優ゴードン・ピンセットらがサポートした。それによって本作は、とても20代の監督が撮ったとは思えない、大人の悲哀や精神的な豊かさを獲得している。
「今回、人生経験の豊富な俳優の方たちと仕事させてもらったお陰で、たくさんのことを学ぶことができた。撮影前にリハーサルに時間をかけて、彼らの考えを取り入れて脚本も書き直したの。20代の身としては、そこまでオープンに60代の方々が語る話を聞く機会なんてめったにないから、60年生きて初めて浮上する問題を見る小窓を与えてもらった気分だった。それは、この映画を作った恩恵。大きな贅沢だったわね」
 もちろん“記憶”という主題を、セリフに頼らず、比喩や同じ映像の反復によってじわじわと見る側に浸透させる手際は、紛れもなく彼女の功績。初監督作にして、確かな演出力を感じさせる。

 現在、女優としては絶好調。ジャコ・バン・ドルマル、ビンチェンゾ・ナタリといった気鋭の監督たちが、こぞって彼女を起用している。そして、監督としても高い評価を得たサラ・ポーリー。今後はどちらに比重を置いていくのだろうか?
「上手くバランスを取りながら、両立していきたいわ。ただ、監督としてはまだ新人だし、スリリングな経験だけに出演することより時間もかかる。去年は演技の方に専念して3本出演したので、そろそろ1年くらい監督業に費やしたいわね。企画はいくつかあるんだけど、どれにするかまだ決めてないの。でも、この映画を撮ったことで、出演作を選ぶ際に今まで以上に自分が尊敬できる、学ぶことの多い監督の映画に出たいと思うようになったわ。もちろん俳優として彼らの役に立てるか、ということも考慮するけれど。例えば去年も大好きなドルマル監督の仕事ぶりを直に見ることができたことは、とても貴重な経験だったもの」

(取材・文/外山真也)



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