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2008.10.1(水)更新
【動画・独占インタビュー】
スカラシップ作品完成! 小林でび監督の短編「泥棒日記」は
鳥肌実が怪演ぶりをみせる“鉄仮面”ラブ・コメディなのだ
【動画・独占インタビュー】スカラシップ作品完成! 小林でび監督の短編「泥棒日記」は鳥肌実が怪演ぶりをみせる“鉄仮面”ラブ・コメディなのだ
左から・お人好しの泥棒を演じた伊藤淳二、鉄仮面美女を演じた伊藤久美子(現場での愛称は、イトクミ)、スカラシップ作品「泥棒日記」を完成させた小林でび監督。短編映画だからこそ、しっかりリハーサルをしたそうだ。「淳二さんとは舞台で共演したけど、イトクミさんとは初めてだったので、もう少し普段の表情を知りたかった。リハをやり、役者の素の魅力を知ることで演出プランは変わっていきましたね」とでび監督
【動画・独占インタビュー】スカラシップ作品完成! 小林でび監督の短編「泥棒日記」は鳥肌実が怪演ぶりをみせる“鉄仮面”ラブ・コメディなのだ
篠原哲雄監督の「地下鉄に乗って」(2006)、「クリアネス」(2008)などの商業映画の他、多くのCMに出演している伊藤久美子。「ヒロイン役ということは、特に意識してませんでした(笑)。今回、『泥棒日記』に出演したことで、今まで自分が気が付いてなかった自分の新しい一面を知ることができました。鳥肌さんの濃厚な芝居を間近で観ることができたのも大きな収穫でしたね」(伊藤久美子)
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劇団「晏かけ」を主宰するなど、舞台での活動を中心にしている伊藤淳二。2007年に小林でび監督と舞台で共演したことから本作の主演に選ばれた。「映像の仕事は初めて。でび監督はボクに張り切った演技は求めてないと感じたので、『よし、やり切ったぞ!』でもなく、『全然ダメだった…』でもない演技を心掛けたんです」(伊藤淳二)。ガツガツしていない、マイペースな個性派俳優だ
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特殊能力を封印するため、クレージーなご主人(鳥肌実)から鉄仮面を被せられた清楚な人妻・ミナミ(伊藤久美子)。仮面の隙間から覗く、つぶらな瞳が印象的だ。「スケバン刑事」(フジテレビ)の南野陽子以来となる、鉄仮面美女の誕生である。撮影初日に行なわれた犬吠埼でのロケでは、日焼けのせいで部屋に閉じ込められている設定に支障が出ないか、でび監督はかなり心配だったらしい
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ロケ先で演出中の小林でび監督。「プロデューサーからは演出に専念するよう言われたんですが、役者としてちょっとだけ出演しました。演出だけでなく出演するのも好きなんです(笑)」。授賞式会場で上映されるディレクターズカット版には、役者・小林でびの出演シーンがロングバージョンで収録されている
【動画・独占インタビュー】スカラシップ作品完成! 小林でび監督の短編「泥棒日記」は鳥肌実が怪演ぶりをみせる“鉄仮面”ラブ・コメディなのだ
東京ネットムービーフェスティバル2008特別企画部門作品「泥棒日記」。20分という限られた時間の中で、出会ったばかりの男と女の心情が刻々と変化していく様子が描かれたコメディだ。10月1日(水)より無料配信!
【小林でび監督プロフィール】
1966年、東京都出身。映画監督、役者、DJ。2000年ごろから映像作品を撮り始め、監督&主演作「シニミズハカセ」はPFF2005入選。「ムーの男」はゆうばり国際ファンタスティック映画祭2006にてトビー・フーパー監督を爆笑させ、オフシアター部門スペシャルメンション(特別賞)を受賞。「夏苗ちゃん」は東京ネットムービーフェスティバル2007にて優秀作品に選ばれた。その他、小田原映画祭2007で審査員特別賞を受賞した「恋は赤鬼」、「私はひきこもり」など様々な短編映画を自主製作。役者として井坂聡監督「g@me」(2003)、本田隆一監督「ウォーターメロン」(2005)、などに出演。三木聡監督の新作「インスタント沼」(2009年公開予定)ではヒロイン麻生久美子の同僚役で出演している

【伊藤久美子プロフィール】
1982年、東京都出身。女優、ファッションモデル。篠原哲雄監督「地下鉄に乗って」(2006)、「クリアネス」(2008)、高橋恵和監督「日本の自転車泥棒」(2006)などの映画に出演。雑誌モデルの他、花王ビオレやヘルシア緑茶などCMに多数出演。ヒラタオフィス所属

【伊藤淳二プロフィール】
1975年、千葉県出身。舞台俳優。演劇ユニット「劇団晏かけ」を主宰し、2002年からプロデュース公演を続けている。10月9日(木)〜13日(月)に劇団晏かけ第7回公演「なにしてあそぶ?」を北池袋アトリエ・センティオにて上演。映像作品への出演は、「泥棒日記」が初となる。好きな食べ物はバナナ

【STAFF&CAST】
監督・脚本・音楽:小林でび プロデューサー:千村利光 撮影:大森洋介 照明:深谷昌平 録音:永井重生 編集:高柴隆一 出演:伊藤淳二 伊藤久美子 鳥肌実 小林でび(2008)20分


「泥棒日記」インタビュー(7分42秒)

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「鳥肌さんはすごい存在感。でも主演の
2人が負けない演技で期待に応えてくれた」
(小林でび監督)


 “小林でび”という名前をご存知だろうか? PFF(ぴあフィルムフェスティバル)アワード入選作「シニミズハカセ」(2005)やゆうばりファンタスティック映画祭オフシアター部門でスペシャルメンション(特別賞)を受賞した「ムーの男」(2006)など独自のカラーの短編コメディで自主映画界をにぎわせている映像作家だ。「夏苗ちゃん」(2007)は東京ネットムービーフェスティバル2007の優秀作となり、見事スカラシップ権を獲得。書き下ろされた脚本は、10月1日(水)から配信されるネットフェス作品の、特別企画作品「泥棒日記」として完成した。

 小林でび監督作の多くは、冴えない男が不思議な魅力を持った女の子と出会う、いわゆる“ボーイ・ミーツ・ガール”の物語。でも、出てくる女の子は超能力者だったり、戦国時代の武将の生まれ変わりだったりとヘンテコな子ばかり。そんな女性たちに毎回振り回される男の哀愁が何ともキュートで切ないのだ。
 できたてホヤホヤの新作「泥棒日記」は、そういう意味で非常にでび監督らしい作品。気の弱い泥棒(伊藤淳二)が忍び込んだ先の一軒家には、清楚な人妻がひとり。しかし、その人妻は「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」の南野陽子ばりのイカつい鉄仮面を被っていた! なぜ人妻が鉄仮面を? そして泥棒の運命はいかに…。

 作品を完成させたばかりの小林でび監督、主演の伊藤淳二&伊藤久美子の3人が集まり、自主映画ならではの魅力と苦労を語ってもらった。でび監督、ボーイ・ミーツ・ガールなお話が好きですねぇ。
でび「出会ったばかりの男と女のビミョーな距離感が好きなんです、ハハハ。お互いのことをよく知らない同士が気を遣い合うのが面白いと思うんですよね。今回は男と女の出会いをしっかり描くことができたんですが、それは役者の力。役者に力量があることで物語がうまく展開したんです。今回、スカラシップ用に脚本を書こうと考えたときに、まず頭に浮かんできたのが昨年舞台で共演した伊藤淳二さんでした。彼にいちばん似合う役は何だろうと考えて、思い付いたのが“泥棒”だったわけです(笑)」
淳二「えぇ、ボクはよく『下着泥棒の役が似合いそうだね』と言われるんです(苦笑)」
でび「ハハハ。そんな淳二さんに泥棒になりきれない泥棒を演じさせれば面白いだろうなと思ったんです。で、そのオドオドした泥棒が忍び込んだ家に、誰がいれば面白いかを100〜200パターン考えた結果、鉄仮面を被った人妻に行き着きました(笑)。イトクミさん(伊藤久美子)は首筋がすっとしていて綺麗な方なので、鉄仮面を被せたら似合いそうだなぁと思い、キャスティングしたんです(笑)」
久美子「キャスティングの理由は、鉄仮面が似合う? 今、初めて聞いたんですけど(笑)」
でび「ハハハ、それだけじゃないですよ。淳二さんもイトクミさんも人間が人間として生きていく上での『うまく行かないなぁ』という切なさを表現できる役者だと思ったんです」

 本作ではヒロインのご主人役で、主演作「タナカヒロシのすべて」(2005)ほか長編映画出演の経験を持つ鳥肌実が出演。過激な演説芸でも知られる鳥肌の、嫉妬に狂う演技は大きな見どころ。しかし、強烈な個性を持つ鳥肌の起用は、一種の賭けだったのでは?
でび「確かに鳥肌さんのキャスティングは大きな賭けでした。最初はボクが主人役をやろうとしたんですが、プロデューサーから『監督は演出に専念して』と言われまして(苦笑)。じゃ、誰にしようか考え、鳥肌さんの顔が思い浮かんだら、もう他の役者は考えつかなかったですね。鳥肌さんの演説パフォーマンスを聞いていると、やっぱり人間の切なさを感じさせるんですよね。心配だったのは出番の少ない鳥肌さんが、この作品の美味しいところを全部さらってしまうんじゃないかということでした。でも、主演の2人が鳥肌さんの存在感に負けない、しっかりした演技を見せてくれたんです。『賭けに勝った!』と思いましたね」
「でびワールドは、ウソだらけだけど
その中に真実が隠されてるって感じ」
(伊藤久美子)


 鉄仮面の人妻という特異なキャラクターを演じた伊藤久美子。主演とはいえ、顔を見せるのは回想シーンとエンディングだけという設定に女優として不満はなかったのだろうか。
久美子「それは全然なかったですね。自主映画だということも、ヒロイン役ということも意識していませんでしたし、顔を見せないで演技するということは、逆に面白いんじゃないかと思ったんです(笑)」
でび「ヒロインということを意識してなかったと即答するあたりがいいですよね。主演の2人の肩の力の抜け具合が最高です(笑)。イトクミさんの場合、鉄仮面を被っているけど、目や口の空いた部分から、いろんなものがこぼれ出ていると思うんですよ。淳二さんの場合も、初めての映像作品で心が揺れ動いてる様が、いい意味でカメラに映っているんじゃないかな。そういう役からはみ出した部分って、観ている人に確実に伝わるもんだと思うんですよ」

 でび監督作品って、コント風のおバカ映画と思いきや、意外とディープな一面が隠されているようですね。
でび「いえ、ボクの作品は基本的にコントなんです(笑)。でも、そこに“人生”というものが加味されると、ドラマになると思うんですよ。その部分こそ、監督が役者と一緒に創っていくものじゃないかな。監督ひとりじゃ、どうにもならない。役者の力量次第で、コント的設定のものでもコントとは言い切れない何かが映像の中ににじみ出てくるんです」
久美子「へ〜、でび監督がそんなことを考えていたとは知らなかった。撮影現場では全然気が付きませんでしたよ(笑)」
淳二「ですよね〜。もっと早く、でび監督の演出意図を知っておくべきでした(笑)」
久美子「でも現場では知らなかったから、余計なことを考えずにやれてよかったのかもしれないですね。『ここで人間味を…』なんて考えて演技してたら失敗しちゃいますもんね」

 では、主演の2人がこの作品から感じた、小林でびワールドとは?
淳二「脚本はコントっぽいけど、でび監督が本当にやりたいことはそれから1歩も2歩も踏み込んだ人間の多面性なんだろうなぁと撮影を通して感じましたね。その人間の本質的な部分を、面白おかしく撮りたいんだろうなぁと」
久美子「でび監督の作品って、ウソだらけの世界。でも、そのウソだらけの中にちょっとだけ真実が顔を出すと、すっごく本物っぽく見えてきちゃう。それが、でびワールドなのかなって思いましたね」

 10月25日(土)のネットフェス授賞式では観客の前でのスクリーン上映もありますが、でび監督から最後のひと言をどうぞ!
でび「これまでは自分が主演兼監督でやってきたんですが、今回の『泥棒日記』でプロデューサーや助監督もいる現場を初めて経験しました。自主映画とか、商業映画だとか関係なく、ひとつの架空の世界をつくるのに様々な人の努力が集積されて、やっと実を結ぶんだということを実感できた現場でした。スタッフとキャストに恵まれましたね。その結果、これまでの自分の作品以上に、『小林でび作品』という刻印をガツーンと押すことができたように思います。無料配信で全国の人から観てもらえることも嬉しいですし、授賞式会場では配信版より3分長いディレクターズカット版が上映されるのも楽しみです。ぜひ、両バージョンを見比べてみてください」

 偶然、立ち寄った公園で四葉のクローバーを見つけたような、そんなささやかな喜びが「泥棒日記」には隠されているのだ。“小林でび”という名前、覚えておくとちょっぴり人生が楽しくなるかも。

(取材・文/ライター長野辰次)


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