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2007年10月(第4号)
表ベスト
裏ベスト
選出作品一覧
宮城正樹's PROFILE
  みやぎまさき。映画&音楽分析・評論家。昭和★★年12月26日、滋賀県栗東市出身。O型。著書に「日活ロマンポルノ 愛の寓話vol.2」(東京学参 インタビュー執筆参加)、「ぴあシネマクラブ2008年版」(ぴあ 編集・校正・加筆修正)、「ぴあシネマ白書」(執筆などで参加)、「別冊宝島 音楽誌が書かないJポップ批評」(宝島社 レギュラー執筆で近作は「福山雅治」)。生涯の1本は「2001年宇宙の旅」('68)。好きな映画人は黒澤明。
 高校時代に2番館で観た2本立て、黒澤明監督「天国と地獄」('63)とマーティン・スコセッシ監督「タクシードライバー」('76)に完璧にブチのめされ、映画漬けの生活を夢見るように。武豊の家庭教師、テレビ「パンチDEデート」出演、深作欣二監督「魔界転生」('81)エキストラのバイトなどで映画館通いを続けた同志社大学卒業後は、「大阪日日新聞」記者、「レコード新聞」編集長を経てエンタ系の怪しい編プロ「宮城事務所」設立。現在は試写室通いの日々。
 「キネマ旬報」、「ぴあムービーランキング」「韓流ぴあ」などの「ぴあムック」、「別冊宝島 音楽誌が書かないJポップ批評」等で執筆。現在、東証一部上場の某大手企業のホームページをリニューアル中です。その中に映画紹介コンテンツを設けまして12月に立ち上げる予定。さて、「キネ旬」の最新号でフランス映画「輝ける女たち」 (2006)を分析しました。カトリーヌ・ドヌーヴとエマニュエル・ベアールが素晴らしい。

クリティック一覧
(50音順、敬称略)
秋本鉄次(映画評論家)
安藤智恵子(ライター)
稲垣都々世(映画評論家)
宇田川幸洋(映画評論家)
内海陽子(映画評論家)
馬場英美(ライター、エディター)
浦崎浩實(激評家=映画評・劇評)
江崎毅(MovieWalker編集長)
大森さわこ(映画評論家)
加藤久徳(映画ライター)
河原晶子(映画評論家)
黒田邦雄(映画評論家)
佐々木淳(フリーエディター&ライター)
塩田時敏(映画評論家)
品田雄吉(映画評論家)
ジャンクハンター吉田(文筆系会社経営者)
高崎俊夫(編集者)
高橋諭治(映画ライター)
高村英次(映画ライター)
滝本誠(評論家)
田中千世子(映画評論家)
暉峻創三(映画評論家)
轟夕起夫(文筆稼業)
永島浩(映画案内人)
永野寿彦(シネマ・イラストライター)
西脇英夫(映画評論家)
野村正昭(映画評論家)
増當竜也(映画文筆)
まつかわゆま(シネマアナリスト)
松島利行(映画評論家)
三留まゆみ(イラストライター)
皆川ちか(ライター)
みのわあつお(ポップ・カルチャー評論家)
宮城正樹(映画&音楽分析・評論家)
宮崎祐治(イラストレーター)
森直人(ライター)
山田宏一(映画評論家)
横森文(ライター&役者)
渡部実(映画評論家)
みのわあつお(ポップ・カルチャー評論家) 宮崎祐治(イラストレーター)

[2007年10月]宮城正樹の試写室ランキング
※2007年9月15日(土)までに開催された試写室上映作品からクリティックが選出。
※おすすめコメントの中には、内容について核心に触れているものが含まれている場合があります。
宮城正樹の2007年9月ベスト 宮城正樹の2007年11月ベスト
表ベスト
パンズ・ラビリンス
10/6(土)公開

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この作品を選んだクリティック

安藤智恵子  宇田川幸洋  馬場英美  江崎毅  ジャンクハンター吉田  高崎俊夫  高橋諭治  高村英次  滝本誠  轟夕起夫  西脇英夫  まつかわゆま  松島利行  皆川ちか  宮城正樹  森直人  横森文

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 先月分でも挙げたけど、今月分では1番上の位置に昇格。でもって、再プッシュだ!「オズの魔法使」('39)との比較編の追記では、「オズ」が現実をセピアで描き、夢の世界をカラーにしたのに対し、こちらは現実をグリーンを主にし、ファンタジー部は明るい画像にするという具合。さらに、ほかの映画とのシンクロを探してみると、ビジュアルは「メン・イン・ブラック」('97)のエイリアン系を少々ひねった感じ。ラビリンス内の追っかけは「第三の男」('49)の光と影や「シャイニング」('80)の雪中逃亡を思い出す。最後の方の、水溜まりに映る満月が印象的。

[c]2006 ESTUDIOS PICASSO,TEQUILA GANG Y ESPERANTO FILMOJ
タロットカード殺人事件
10/27(土)公開
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稲垣都々世  宇田川幸洋  大森さわこ  品田雄吉  田中千世子  野村正昭  松島利行  みのわあつお  宮城正樹  森直人

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 群像劇&複雑な犯人探し映画「オリエント急行殺人事件」('74)や「ゴスフォード・パーク」(2001)とは違い、探偵役2人に容疑者1人というシンプルなスタイルでいった、ウディ・アレン監督の英国ミステリー第2弾。犯罪映画「マダムと泥棒」('55)タッチのコメディ要素も入った。主演のスカーレット・ヨハンソンは、ウディ・アレンばりの早口トークを披露し続け、「断崖」('41)のイングリッド・バーグマンより恐怖感をクライマックスまで見せない役で、最後は会心の笑みでシメてくれる。「第七の封印」('56)的なライト・ブルーの死の世界観描写も心に残る。
ふみ子の海
10/13(土)公開
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松島利行  宮城正樹

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 21世紀の日本にもまだまだ美しい自然があることを認識させられた、美風景入り盲目の少女ドラマ。中越地震が発生する前の新潟ロケ映画という点にも驚かされた。ヘレン・ケラーを描いた「奇跡の人」('62)や、チャン・イーモウ監督「至福のとき」(2002)などに日本的な、例えば「はなれ瞽女おりん」('77)風のテイストを加えたような作品で、自然美を生かした多彩な名場面が連続して爽快な仕上がり。田畑のセピア・トーンと雪夜のブルー・トーンの対比、少女視点の海のイメージ・シーンなども効果的。高橋惠子は「奇跡の人」のアン・バンクロフト級だ。
大統領暗殺
10/6(土)公開
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馬場英美  浦崎浩實  轟夕起夫  西脇英夫  まつかわゆま  松島利行  三留まゆみ  宮城正樹

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 これまでの暗殺ものとなれば「JFK」('91)など、既に終わった実話系・実話検証系か、「ジャッカルの日」('73)など、フィクション系だったが、現役のブッシュ大統領を採り上げたのは映画史上初ではないか。しかもドキュ・ドラマ。冒頭から「ウエストサイド物語」('61)ばりの俯瞰移動撮影から地上へ降り立ち、容疑者関係者の証言の中へ。もっともらしい人々の証言をナレーションで入れながら、手持ちカメラによる揺れる映像が次々に現れる。裁判の様子を映さないアンチ裁判劇仕様や、ラスト15分で披露されるどんでん返しなど、ミステリーとしても最高!
サウスバウンド
10/6(土)公開
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江崎毅  宮城正樹  轟夕起夫

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 家族ドラマのファミリー・コメディの新しさを打ち出した傑作。どの辺が新しいかって言うと、「天然コケッコー」(2007)な田舎の子供たちの生活描写の中へ、元過激派夫婦自身をスクリュー・ボールにして描いた点だ。トヨエツが「犯人に告ぐ」(2007)の逼迫型とは違う、逼迫型のコメディ・ノリで演技した。個人的には、「俺たちに明日はない」('67)のボニーとクライドが死んでいなかったとして、その現在を示しているような感じ。森田芳光監督的には、「家族ゲーム」('83)に出ていた松田優作と阿木燿子が演じたキャラの20年後を示しているようで痛快!
裏ベスト
ヘアスプレー
10/20(土)公開

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馬場英美  河原晶子  品田雄吉  高村英次  田中千世子  宮城正樹  みのわあつお

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 反ミュージカルを目指した'87年ジョン・ウォーターズ監督版のリメイクだが、アンチどころか明朗快活なミュージカルの王道を走る快作。舞台の'59年から'60年といえば、ミュージカルの主流はビッグ・バンド系だったが、本作はノリノリのモータウン・サウンドを核に据え、ソウル・バラード、R&B、ツイスト、ルンバなど、終始ゴキゲンなサントラ(10月3日発売)が展開。レコード会社のモータウンができたのも’60年だし、シュープリームスがモデルの「ドリームガールズ」(2006年)なんかとシンクロする作品。朱・紫・青・橙などの多彩な色使いも効く。
★ごひいきポイント★モータウン・サウンドが大好きだから。

TM & [c]MVII New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.
クワイエットルームにようこそ
10/20(土)公開
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秋本鉄次  馬場英美  轟夕起夫  永島浩  野村正昭  宮城正樹  まつかわゆま  森直人   皆川ちか

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 簡単に言えば、シチュエーション or ナンセンス・コメディだけど本作は意味深いところあり。クドカンのセリフで映画タイトルを頻出させているが、精神病院内の群像劇「カッコーの巣の上で」('75)や女アル中系の「酒とバラの日々」('62)などをパロりつつも、そこへ「ケンタッキー・フライド・ムービー」('77)やら「モンティ・パイソン」シリーズ('75、'83)やらの要素を足して異種混合タイプを狙った感じだ。しかし、その流れも残り45分あたりから変化し、ヒロイン扮する内田有紀のマジ系女性ドラマへと転じる、凝った作りがOK。大竹しのぶが怪演を披露。
★ごひいきポイント★新しいコメディを目指す意気込みを買った。

[c]2007「クワイエットルームにようこそ」フィルムパートナーズ
自虐の詩
10/27(土)公開
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秋本鉄次  内海陽子  馬場英美  江崎毅  加藤久徳  轟夕起夫  皆川ちか  宮城正樹  宮崎祐治  松島利行

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 堤幸彦監督的には、「ケイゾク」(2000)や「トリック」(2002)で示したミステリー・コメディのミステリー部を外してコメに集中し、その2作で起用した中谷美紀と阿部寛を再登板させて、中谷美紀主演の「嫌われ松子の一生」(2006)へのアンサーを試みた1作。前半はナンセンス・コメで、後半の回想シーンあたりから人情コメへと転じる構成がお見事。「王手」('91)など阪本順治監督らが描く大阪・新世界の風情とは違い、より誇張を入れて映像の中に溶け込ませたところも魅力的。前半の阿部寛の食卓返しスローの連続は、本作の笑えるシーンのハイライトだ。
★ごひいきポイント★歌手時代から中谷美紀のファンだから。

[c]2007「自虐の詩」フィルムパートナーズ
この道は母へとつづく
10/27(土)公開
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安藤智恵子  河原晶子  永島浩  まつかわゆま  宮城正樹  宮崎祐治

この作品のおすすめコメント
 鑑賞前に僕が思い出していたのは、'76年に連続テレビ・アニメとしてオンエアされた高畑勲監督「母をたずねて三千里」や、その映画版「MARCO 母をたずねて三千里」('99)だった。だが、鑑賞後は…。むしろ本作のロシア映画の方が、少年の心理を観客に伝えるために多様な工夫が凝らされていた。タルコフスキー監督的な水溜まりショットや、窓辺でぼんやりする少年シーンを挟みつつ、本編の残り50分以降からロードムービーへと転じる。その途中のエピソードをわざと深みを持たせず描いているのも、少年の素朴感を出すためだ。ラストの母視点は新しい。
★ごひいきポイント★少年映画として新生面がある点。

犯人に告ぐ
10/27(土)公開
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江崎毅  品田雄吉  高橋諭治  野村正昭  松島利行  宮城正樹

この作品のおすすめコメント
 刑事ものとしては「踊る大捜査線」('98)的な上司への反抗部もあるが、どちらかと言うと、トヨエツこと豊川悦司刑事のイメージは、70年代のテレビ・シリーズ「太陽にほえろ!」のショーケンこと萩原健一を思い出させてくれた。ミステリー系なのに、ホラー系にも見える部分ショッカーや色褪せた感じの色彩映像が続いていく。メル・ギブソン主演の「身代金」('96)などの事件解決を目指すためのテレビ出演シーンがあり、テレビの現場は天井から思いっきり照明をかけているので、褪せた色彩感はそれとの対比効果を狙ったのだろう。助演の小澤征悦は次代の伊武雅刀か。
★ごひいきポイント★「太陽にほえろ!」をよく見ていたから。

今月公開の作品ではないけれど…
ミリキタニの猫
9/8(土)公開
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宮城正樹

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 有名人ではない実在の人物を捉えた、人間ドキュメンタリーの傑作。アメリカン・ドキュメントは、マイケル・ムーア監督作品以降、変わってきたと思うが、今までは余り市井の人物を描くことはなかった。だが、本作は、ムーア監督より先行していた原一男監督の「ゆきゆきて、神軍」('87)などの攻撃型とは違い、女流監督らしい癒やし系で撮った点に好感を覚えた。また、老人と猫のロードムービー「ハリーとトント」('74)のロードを人生に変換し、絵やモノクロ映像をタイトに挟みつつ進む点も分かりやすい。10月20日より大阪のシネ・ヌーヴォで公開。

[c]Lucid Dreaming, Inc.
さらば、ベルリン
9/22(土)公開
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宮城正樹

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 40年代映画へのオマージュをこれでもかってくらい捧げ、40's映画を完璧に再現したモノクロの快感作品。酒場シーンやアンチ・オマージュとも言えるラスト・シーンは「カサブランカ」('42)的で、地下道から妻が夫を訪ねるシーンの光と影や、オーソン・ウェルズ的な夫の存在などは「第三の男」('49)。さらに群集シーンは「天井桟敷の人々」('45)。ヒッチコック監督的音響効果も入った。女優のケイト・ブランシェットはマレーネ・ディートリッヒのスパイ役風だし、ジョージ・クルーニーはもちろん、「カサブランカ」のボギーことハンフリー・ボガート風。

[c]2006 Warner Bros. Entertainment Inc.
クローズド・ノート
9/29(土)公開
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宮城正樹

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 「めぐりあう時間たち」(2002)のように、2人以上の女性がシンクロする作りになった女性映画。最初は現代版「二十四の瞳」('54)タッチだが、本編のほとんどは手紙をノートに換えて創った「Love Letter」('95)へのオマージュで、エンディング30分前のサプライズ以降、再び「二十四の瞳」に戻って感動的。照明、肖像画含むセピアの色使いがうまいし、チャップリン監督的クイック・モーション・シーンも楽しい。演技的には、竹内結子が「サイドカーに犬」(2007)に続き子供を教育する役で、沢尻エリカも「手紙」(2006)に続き文章にこだわる役なのが面白い。

[c]2007「クローズド・ノート」製作委員会
2007年9月 表ベスト 2007年9月 裏ベスト 2007年9月 選出作品一覧
2007年8月 表ベスト 2007年8月 裏ベスト 2007年8月 選出作品一覧
2007年7月 表ベスト 2007年7月 裏ベスト 2007年7月 選出作品一覧
宮城正樹の2007年9月ベスト 宮城正樹の2007年11月ベスト
みのわあつお(ポップ・カルチャー評論家) 宮崎祐治(イラストレーター)
制作協力 れがある
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<中国映画の全貌2008>劇場招待券(5組10名様) [10月20日(月)受付け分まで有効]
「秋深き」東京試写会(10組20名様) [10月23日(木)受付け分まで有効]
第9回宝塚映画祭「エリザベス:ゴールデン・エイジ」招待券(3組6名様) [10月26日(日)受付分まで有効]

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