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山田宏一's PROFILE |
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やまだこういち。映画評論家。1938年9月13日、ジャワ島バタヴィア(現インドネシア ジャカルタ市)出身。A型(たぶん)。著書に「日本侠客伝──マキノ雅弘の世界」(ワイズ出版)、編著に「ユリイカ増刊/総特集 ジャン・ルノワール」(青土社)。生涯の1本は「ブロンドの恋」('65)(たぶん)。好きな映画人はミロス・フォアマン監督(たぶん、というよりもミロシュ・フォルマンとしてのチェコ時代)。 ぴあフィルムフェスティバルのパンフレットにダグラス・サーク小論を書きました。
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[2008年7月] 山田宏一の試写室ランキング
※2008年6月15日(日)までに試写が実施された作品からクリティックが選出。 ※おすすめコメントの中には、内容について核心に触れているものが含まれている場合があります。 |
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ダグラス・サーク特集〜かなしみのハッピーエンディング〜 巨匠ミロス・フォアマンの世界 |
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●ぴあフィルムフェスティバル スペシャルプログラム7/26(土)〜8/1(金)にて上映 |
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公式サイト

この作品を選んだクリティック

山田宏一

この作品のおすすめコメント
ともにぴあフィルムフェスティバルの特集回顧上映ですが、封切と同じあつかいをさせていただくことにします。新作をしのぐすばらしさであり、新作以上に新鮮な感動を与えてくれるにちがいないからです。映画には新しいも古いも関係なく、たぶん、幸福な映画と不幸な映画があるだけだという感慨にひたることができるでしょう。 ダグラス・サークの古めかしくも単純で美しいメロドラマに思わず涙を流してしまう幸福感に酔い、チェコ時代のミロス・フォアマン(ミロシュ・フォルマン)の、とくに「ブロンドの恋」にはそのみっともなさ、ドジな青春の狂奔ぶりに思わず吹き出しながら、その貧しくても豊かな若々しい息吹きに共感できるはずです。 個人的な思い出になりますが、私はたまたま'60年代半ばからパリに数年間滞在し、ちょうどチェコの新鋭監督として脚光を浴びていたミロス・フォアマンのデビューと戦前のドイツ時代('35年)からの長いキャリアがあるにもかかわらず映画作家としてまともに評価されたこともなく、ハリウッドで撮った'59年の「悲しみは空の彼方に」を最後に映画界から引退同然だったダグラス・サークの再評価の時期にぶつかり、パリのシネフィル(映画狂)たちとともに興奮しながら連日、シネマテーク・フランセーズやシネマ・ダール・エ・デッセーとよばれる名画座のダグラス・サーク特集に通い、ミロス・フォアマン監督の新作を見にカルチエ・ラタン(学生街)のロードショー館に走りました。 因みに、ダグラス・サークがいかに知られていなかったかということに関して、戦前のドイツ時代にはデトレフ・ジールクという名で映画を撮っていたのですが、ナチス・ドイツを逃れて戦後、ハリウッドに亡命してからはダグラス・サークと名のるものの、デトレフ・ジールクとダグラス・サークが同一人物であったことは長いあいだほとんどの人が知らなかったという事実以上に、こんな笑い話(といっても、実話)があります。'80年、カンヌ映画祭が、折りからのダグラス・サーク再評価の気運にのって、ダグラス・サークをその年の映画祭の審査員長に選び、ハリウッドに「ミスター・サーク、ダグラス」を招くべく電報を打ったのですが(そもそも、すでにダグラス・サークがハリウッドを去ってスイスにひきこもっていたことすら、カンヌ映画祭の実行委員たちが知らなかったのです!!)、さらにハリウッドに届いた電文の「ミスター・サーク」のSがKに打ち間違えられていたために「ミスター・カーク、ダグラス」となってしまい、これは俳優のカーク・ダグラス宛だろうということになり、カーク・ダグラスはそれと知らずに受け取って、よろこんでカンヌ映画祭事務局に快諾の返電を打ち、こうして'80年のカンヌ映画祭の審査員長はカーク・ダグラスになってしまったというのです。 |

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| ネコナデ |
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●6/28(土)公開 |
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作品紹介&上映スケジュール
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この作品を選んだクリティック

山田宏一

この作品のおすすめコメント
6月28日に封切られたばかりなので、しかも、たぶん、ヒット間違いなしのほほえましい小品なので、封切映画の新作として取り上げてもいいかと思います。 大森美香監督作品。原案・脚本は永森裕二。これはアイデアの勝利、企画の勝利でしょう。会社では鬼部長として恐れられ、嫌われている(その名も鬼塚という)強面の大杉漣が、ある日、可愛い子猫をひろってメロメロになるというだけの話なのですが、大杉漣でなければできない感じの役で、試写室も満員、映写後はみんなニコニコして出てきました。可愛らしい子猫は鬼塚トラという役名でエンド・クレジットに出てきて(じつはメスの子猫なのですが)客席は大爆笑。キャメラが子猫を追うのではなく、子猫にメロメロの大杉漣を追うところにこの映画の成功(まちがいなし!)の秘訣があると思われます。ネコナデ──もちろん猫撫で声のネコナデです。妻(原日出子)が素知らぬふりをして、ため息をつきながら夫の大杉漣の服についた子猫の毛をガムテープでふき取るさりげなく印象的なカットもあります。 |

[c]「ネコナデ」製作委員会 |
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