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| オーチャードホールの大会場を盛り上げたのは、7年ぶりの来日となったトム・ハン
クス。石原さとみから花束を渡され「アリガトー!」と日本語で返答 |
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| グランプリを受賞した「ウィスキー」のレベージャ監督(右)と主演男優アンドレス |
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準グランプリといえる審査員特別賞は、「ココシリ〜」のルー・チューアン監督
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| 「大統領の理髪師」のイム・チャンサン監督は、最優秀監督賞と観客賞のW受賞 |
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日本勢で唯一の受賞は、最優秀芸術貢献賞に選ばれた「ニワトリは〜」の森崎東監督
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| 授賞式の最後は審査団(後列)と受賞者とで記念写真。ルドワイヤン、さようなら! |
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●11/2更新
山田洋次ら審査団が選んだ東京グランプリは、ウルグアイのほろ苦人生ドラマ
映画祭最終日。渋谷オーチャードホールの最初の目玉は、クロージング作品「ター
ミナル」に主演しているトム・ハンクスの舞台あいさつ。スティーブン・スピルバー
グ監督は来年公開「宇宙戦争」の撮影のため来日キャンセルとなり、代わりに「プラ
イベート・ライアン」(‘98)以来の大ファンという石原さとみが花束を持って駆
け付けた。
石原「スピルバーグ監督って、どんな方ですか?」
トム「彼は天才。そんな人と3度も一緒に仕事ができて、僕はラッキーだね」
ちなみに2人の会話は英語です。イチロー、W松井に続いて、石原さとみよ、君もア
メリカ進出を狙っているのか?
夕方からは、各国の監督、俳優が続々と集まり、いよいよコンペ部門の授賞式。各
受賞作品は下のリストを見ていただくとして、最後に読み上げられたグランプリ受賞
作品は、「ウィスキー」。南米ウルグアイの作品である。ファン・パブロ・レベージャ
監督は「私たちのような小さな国に、このような大きな賞をいただきうれしく思いま
す。ウルグアイの映画制作状況は必ずしもよくありません。今回、映画制作に協力し、
映画祭に呼んでいただいた日本の多くの方に感謝します」と丁重なスピーチで喜びを
語った。
授賞式が終わり、夜はシアターコクーンでのグランプリ受賞作品「ウィスキー」の
アンコール上映。題名だけ聞いて、てっきりウィスキー蒸溜所に勤める職人のドラマ
かと思ってました。違います、小さな小さな靴下工場の物語です。
母親の介護と工場の経営に追われ婚期を逃したらしい初老の男・ハコボ(アンドレ
ス・パソス、渋い!)が主人公。ブラジルに移り、疎遠になっていた弟のエルマンが
母の墓参りに帰国することになり、平凡な日常が動き出す。弟に見栄を張るため、ハ
コボは工場に長年勤める独身女子社員のマルタ(ミレージャ・パスクアル、主演女優
賞!)に3日間だけ「妻のふりをして欲しい」と頼む。このマルタさん、見た目は菅
井きんさんを少し若くしたような地味顔なんですけど、妻役を頼まれてから美容室に
通ったり、口紅をひいたりとっても可愛らしい♪
若い男女による偽装結婚、疑似恋愛のドラマはそれこそ山のようにあるけど、登場
人物3人が人生の喜びも哀しみも経験し終えたような年齢に差し掛かっているのがポ
イント。劇中、説明的な台詞は少なく、彼らが感情をあらわにすることもない。名匠・
小津安二郎監督が現代に生きていたら、こんな作品を撮っていたんじゃないかな、そ
う思わせる枯れた味わい。熱海そっくりのうらびれたリゾート地も出てくるしね。
ウィスキーという言葉は劇中、2度使われる。どのようなシチュエーションで使わ
れるかは、この作品を観た人だけのヒ・ミ・ツ。
ということで、映画祭関係者のみなさん、賞をあげるだけでなく、優秀作品は日本
国内で劇場公開できるよう配給会社の方たちと膝を交えて話し合ってください。賞を
逃したけど、マケドニアの「ミラージュ」も日本未公開じゃもったいないっス。
それじゃ、また、どこかの劇場でお会いしましょう!
【第17回東京国際映画祭 受賞作品・受賞者】
●コンペティション部門
東京グランプリ「ウィスキー」(ウルグアイ)
フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール共同監督
審査員特別賞「ココシリ:マウンテン・パトロール(原題)」(中国)
最優秀監督賞「大統領の理髪師」(韓国)イム・チャンサン
最優秀主演男優賞「スキゾ」(カザフスタン)オルジャス・ヌスパエフ
最優秀主演女優賞 「ウィスキー」(ウルグアイ)ミレージャ・パスクアル
最優秀芸術貢献賞「ニワトリはハダシだ」(日本)
観客賞 「大統領の理髪師」
●アジアの風 部門
最優秀アジア映画賞「可能なる変化たち」(韓国)
コンペティション特別枠「花咲く春が来れば」(韓国)
●日本映画・ある視点 部門
作品賞 「樹の海」(瀧本智行監督)
特別賞 津田寛治(『樹の海』の演技に対して)
●黒澤明賞
スティーブン・スピルバーグ
山田洋次
(取材・文/長野辰次)
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