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「おぎたつ」 名物編集長 |
「ほめられて育つ」 新人編集デスク |
「食指の動くまま」 新人副編集長 |
「TIME WAITS FOR EVERYONE」 名物編集長 |
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[c]2007 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED |
映画 |
2008/04/19 |
| つぐない |
| ◎2007イギリス |
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 | 比類ない美しさ |
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このレビューはネタバレ要素が含まれています。
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評価9点(10点満点)
悲恋に終わるだけに、想像も含めて二人が一緒にいるシーンは比類なく美しい。 戦場で悲惨な状況にありながらロビー(ジェームズ・マカヴォイ)がセシーリア(キーラ・ナイトレイ)を想うシーンが延々と続くが、アンソニー・ミンゲラの「コールドマウンテン」よりはるかに感情移入できる。
視点が錯綜し、最後には真の主役といえるブライオニー(シアーシャ・ローナン、ロモーラ・ガイ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ)の視点で固定されるわけだが、違和感は無く、成功していると言える。
少年少女時代にうそをつき好きな人の運命を変えてしまい、終生それが心に引っかかり、作家になった後つぐないをしようとする、という物語の構造は最近見た「君のためなら千回でも」と同じである。 上の階級の者が使用人に酷いことをし、つぐないの内容も自己満足的な色彩が強い、という点も共通している。 両方とも原作がありそれぞれ高い評価を得ているようだ。どちらかが影響された、ということは無いだろうが、ここまで似ているというのも面白い。 現代は「償い」の時代だということだろうか。
同じシーンを別な視点で繰り返し見せるという手法はベルイマンの「仮面/ペルソナ」を思い出させるが、成功していると思う。
キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ、シアーシャ・ローナン、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、みな好演。 一人ロモーラ・ガイだけぱっとしなかった。
ヴァネッサ・レッドグレーヴの演技は特に素晴らしい。最近でも「ヴィーナス」、「いつか眠りにつく前に」と70歳を越えて引っ張りだこで、記憶に残る演技をしている。 この人、生きかたも含めて何か好きだ。若いときの作品ももっと見たいし、自伝とかあったらぜひ読んでみたい。
ジョー・ライト監督は第1作「プライドと偏見」では、若々しく躍動感溢れる演出がハッピーエンドの作品に実に効果的だったが、今回の苦渋に満ちた悲劇的な作品ではそれにふさわしい演出をしていて、豊かな可能性を感じさせる。 今回は恋する二人を描くシーンが息を呑むほど美しく、それが悲劇の余韻を深くしていて出色である。
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映画 |
2007/12/23 |
| やわらかい手 |
| ◎2006イギリス.フランス.ベルギー.ドイツ.ルクセンブルク |
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評価9点(10点満点)
素晴らしい。冒頭の俯瞰ショットから一気に引き込まれてしまう。
おばあちゃんが主人公でありながら、余計な感傷は排されていて、むしろ雰囲気はハードボイルド。そこがユニークで、面白い。 ちょっとジーナ・ローランズの「グロリア」も思い出してしまった。年増女が体を張って子供を助けるという点でも共通している。
素人の未亡人が風俗の世界で才能を開花させ、自信を持つに至る状況を上手く描いている。
いろんな男がいく時の情況を、真上からの視点で見せているが、笑える。 男なら、もし自分がされたならどういうリアクションをするだろうかと思い、女性なら男の反応のヴァリエーションを興味深く見るのではないだろうか。
また、テニス肘ならぬ○ニス肘というのも笑える。
ハードボイルドでありながら、ユーモアもあるこの雰囲気が実にいい。
マリアンヌ・フェイスフルはど素人から風俗で自信を持つにいたる難しいマギー役を好演。 60近い年齢だが、どこをとってもその姿は絵になる。 ヘロイン中毒、3度の離婚、2度の自殺未遂とすさまじい人生を送ってきたらしいが、そこを潜り抜けてきた強さがどこからか滲み出ているような気がする。だから絵になるんだろう。
ミキ役のミキ・マノイロヴィッチも好演。風俗経営者というダークな雰囲気の中にチャーミングな部分も見せていて、感心した。
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映画 |
2007/12/23 |
| サラエボの花 |
| ◎2006ボスニア・ヘルツェゴビナ.オーストリア.ドイツ.クロアチア |
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 | 生きることと起源 |
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評価9点(10点満点)
今ある自分はどこから来ているのか。
自分の起源をたどったときに誇りを持てなかったとき、人は一体どうすればいいのだろうか。
父のいない母子家庭であっても、父がシャヒード(殉教者)であるのか敵であるのかでは、子供にとって天と地ほどの差があるということだ。 自分の存在自体を否定したくなるような状況。このような中でどうやって生きていけばいいのだろう。
楽しみにしていた修学旅行に、坊主になっても行き、バスの後ろから母を見るその眼差しに、答えはあるだろう。
ボスニア紛争から10年。この紛争では、敵の民族の子を生ませ、所属民族までを辱め、後世に影響を残すことが作戦として組織的に行われたということである。 2万人の女性がレイプされ、各地に収容された女性は連日多くの兵士にレイプされたとのことである。その一人としてエスマを描いているわけだ。
レイプ自体は思い出したくもない。トラウマになっている。しかし、生まれてきた子を見たとたん、美しい、宝物だと思った。
だから、起源を問う必要は無いのだろう。そして人を愛せる心が最も大切なのだと言っているのだろう。
ヤスミラ・ジュバニッチ監督は33歳。 同世代に李相日、西川美和、グロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクがいる。まさに注目すべき世代である。
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[c]2007「自虐の詩」フィルムパートナーズ |
映画 |
2007/11/19 |
| 自虐の詩 |
| ◎2007日本 |
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 | 友情の弁当 |
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評価9点(10点満点)
ラストの熊本さん(アジャコング)との再会シーンが素晴らしい。
この作品は、大阪、気仙沼、東京パートに分かれているが、気仙沼が一番いい。
犯罪者の娘としていじめられる主人公と彼女を励ます熊本さんとの交流の描き方が出色である。 熊本さんは、黒人との混血という設定のようだが、その出自と貧乏ということから差別されていてもへこたれず、温かい心を持ち、たくましく生きるというキャラクターを丸岡知恵さんが好演している。
見送りの際の弁当の中身に感動した。 熊本さんが用意できる、精一杯の最高のおかず(さんまとか)の乗ったその弁当は、心がこもっていて実においしそうだった。 弁当の中身が心を表している稀有な例だと思う。
このエピソードがあるからラストの再会シーンにやられるのだ。
大人になった熊本さん役のアジャコングは、キャリア18年のプロレスラー。 父は黒人の米軍人で、幼少時本国召還されてしまい、以来父とは生き別れで母子家庭で育ち、中学卒業まで深刻ないじめにあっていたそうだ。 まさに熊本さんそのものである。だから説得力があったのだ。 このキャスティングが生きている。
ちゃぶ台返しのシーンではタンゴがかぶさるが、それが実にマッチしている。 音楽:澤野弘之がいい。
東京パートのイサオと大阪のそれとが、時の経過はあったにせよあまりに違うことに違和感がある。幸江についても同様である。 SとMが逆転しているようにも見えるが、いまひとつ説得力を持たない。 原作はどうあれ、東京パートは、いらないのではないだろうか。 そのほうがすっきりするような気がするが。
阿部寛と中谷美紀は好演している。
阿部に関しては、日本の俳優としては、そこにいるだけでスター性を感じさせる数少ない一人だと思う。 二枚目でありながら、それにとどまらないものを志向しているのが見て取れ、これからの可能性を感じる。
中谷美紀の演技を見るのもほとんど初めてと言っていいかもしれないが、やはり上手いと思った。 この人は役柄に対して結構知的にアプローチするような気がする。 彼女の著書「インド旅行記1」(幻冬社文庫)を読んだが、その印象は間違っていなかったと思った。文章力もあり、彼女のスターらしくない飾らない人柄も感じられ、好感を持ってしまった。
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