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「いわしの頭も新人から」 名物編集長 |
「好きなこと」 こなせる編集部員 |
「訪問ありがと!!」 名物編集長 |
「えざき文庫ウォーカー」 名物編集長 |
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映画 |
2008/04/02 |
| 接吻 |
| ◎2006日本 |
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心を通わせてお互いの存在を理解し合う男と女の間で、「私はあなたの味方です」と言っている先から全く判っていない男。それと対比して、人を殺すことの罪深さに最も苦悩する者が誰なのかが逆説的に際立ってくるという描き方が秀逸だ。
何にも感じないお前らこそこそ死んでしまえばいいというほどの鈍器の衝撃に身を晒されている恐怖、鋭利な刃物の切っ先を突き付けられている身が震える思いに観る者は突き落とされる。マイクやビデオカメラを無遠慮に突き付けてくる輩の無神経さもきちんと描かれているさり気ないところにも深いものが感じられる。
このような知った風な言い回しの言葉での説明を寄せ付けない作品ではあるが、困難な題材がこれまで誰も遣ったことのない切り口で静かに無駄のない描写で撮られていることが驚異的だ。強いて挙げれば、サミュエル・フラーを想起させる。
あなたのことを判っているのは私だけですと言う一途な女性の姿に、特異な状況下でのストーカーを描くホラー作品なのかと思わせる滑り出しを見ると、弁護士=神父の為す術もない「エクソシスト」を連想したりもするが、一筋縄ではいかない本編を観ている最中はその世界にグイ〜ッと引き込まれ、そして唐突に訪れるクライマックスに驚愕し、観終わって時間を置いてじわじわと心に響いてくるものがある。
正義感や義務感を振り翳す弁護士が悪いのでもなく、何が良くて何が悪いのか決め付けることのできない何かがこの映画にはある。 |
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映画 |
2007/12/16 |
| 再会の街で |
| ◎2007アメリカ |
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9・11テロ事件以降、ハリウッドでは天変地異や宇宙人来襲や地球滅亡の危機を描くSF映画が多く製作、リメイクされ、その影響がコメディ映画にも現れてきている。
フランク・キャプラやジョージ・マーシャルの監督した1930年代、40年代に繋がる古き良き伝統をもつコメディ映画が、未曾有の深刻な問題に直面し、困難な障害をどのように乗り越えて描くことができるのか、笑いと悲しみが背中合わせのドラマだ。
昔であればジェームズ・スチュアートが演じているかもしれない、チャーリー・ファインマンという名前からして善人の役をアダム・サンドラーが好演。『N.Y.式ハッピー・セラピー』(03)も悪くなかったが、それとは正反対の押し殺した演技をしている。
心を閉ざしてTVゲームで魔物と戦う男の背負っている、忘れることのできない、思い出したくない、悲しみのひとつひとつが明らかにされていき、決して癒されることのない心の痛みが、話をすること、話を聞いてもらうことで、鎮められていく。
大学時代のルームメイト役のドン・チードルの演技が味わい深い。劇中に出てくるメル・ブルックスの『ブレージングサドル』(74)のコンビを彷彿させる二人のちぐはぐな遣り取りが笑って受け流すことのできない精神的なダメージの深さを見せる。
これは感動作として語ることだけでは済まされない厳しい映画だ。 |
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[c]2007「椿三十郎」製作委員会 |
映画 |
2007/12/02 |
| 椿三十郎 |
| ◎2007日本 |
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白黒からカラーに変わり、クリアな音響、聞き取りやすい台詞となって名画が甦った。巨匠の名画をなぞる森田芳光監督らしい筆遣いが優しい。
マカロニ・ウエスタンに影響を与えたオリジナル作のリアルな時代劇を追求した殺戮シーンの血の臭いが抑えられ、今の時代に見やすい形になっている。
三十郎が床板を足で抑えたり、侍女がボクシングのファイティングポーズでガッツを入れる等の小ネタが面白い。伊藤克信が出演しているのがいい。
ラストの決闘シーンは、脚本に「とても筆では書けない」とある、表現に自由が唯一許されている箇所であり、オリジナル作との大きな勝負所となっている。そこで生まれたメッセージ性を一味加えた、これまでに見たことのない決闘シーンは必見だ。
1962年1月1日封切のオリジナル作に合わせて、12月1日封切の正月映画としたところに製作者の思い入れの深さが感じられる。 |
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映画 |
2007/11/23 |
| ある愛の風景 |
| ◎2004デンマーク |
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兄と弟と美しい兄嫁の人間関係を軸とする物語の構成は映画に珍しくないが、今現在の戦争の痛ましい出来事を戦闘シーンの過激さだけではない切り口で描くことは意義深い。俳優の演技は自然であり、描写は巧みだ。音楽は心に沁みる。
はっきり決めつけた表現をしないで省略が多いのは、何処に真実があるのかを観客に考えさせる余白となっている。妻は浮気をしたのかしなかったのか、夫の妄想なのか、やたらにサスペンスな展開があるのも興味をそそられる。ミステリアスな妻を演じるコニー・ニールセンを舐めるように撮るカメラの視線が嫌らしい。
しかし、あの凄まじい撃墜でどうして助かるのかが信じられないという思いに囚われると、その後の展開に説得力が感じられなくなる。
また、監督の好みの問題だが、眼のクローズアップが多すぎるのが少し煩わしい。眼に力のこもった顔の表情を撮ることで十分気持ちは観客に伝わるはずのところを、クローズアップにして別の何かが見えるとは思えない。
ミカエルという天使の名前を持つ男が悪魔の行いをしてしまうという重いテーマに終わりはなく、心の傷は決して癒されることのないままいつまでも地獄が続きそうな予感に包まれた結末には納得できないもどかしさが残る。 |
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