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↑“ビジュアル・モンスター”と呼ばれる新鋭ターセム監督の描き出す映像世界は美しいのひとこと
←サイコキラー、スターガーに扮するビンセント・ドノフリオら、脇を固める個性派俳優たちの熱演にも注目だ


美しく歪んだ犯罪者の精神世界に
ジェニファー・ロペスが入り込む!
シンガーとしても活躍中のラテン美女、ジェニファー・ロペス。「アウト・オブ・サイト」で大ブレイクを果たした彼女が、犯罪者の脳内世界に潜入する若き女性心理学者を演じたサイコ・ホラー。MTV界の大御所であるターセム監督が紡ぎ出す映像は、サイコパスの歪んだ精神の具現化だけに美しく奇怪で独創的。さらに「ドラキュラ」でアカデミー賞衣装賞を受賞したデザイナーの石岡暎子が、華麗かつ斬新な衣装の数々で作品世界に幅と深みを与えている。
若い女性ばかりを狙う連続殺人事件の容疑者スターガー(V・ドノフリオ)が、昏睡状態に陥っているのが発見された。心理学者のキャサリン(J・ロペス)は囚われたままの被害者を救出するため、スターガーの精神世界に潜入することを決意。脳神経交換システムを使って、スターガーのいびつなナイトメア・ワールドに飛び込んで行く。
監督:ターセム 製作:フリオ・カロほか 脚本:マーク・プロトセヴィッチ 衣装:石岡瑛子 出演:ジェニファー・ロペス ビンス・ボーン ビンセント・ドノフリオ
(2000米/ギャガ=ヒューマックス)109分・R-15指定
●丸の内プラゼールほか松竹東急系にて公開
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イマジネーション豊かな内的世界へと
導くハリウッドの異能たち
 それにしてもハリウッド映画は、どんなものでも視覚化してしまうことに長けているが、「ミクロの決死圏」のような“体内”という現実世界や、「エルム街の悪夢」のような“夢”へといざなうことはあっても、“心”の中をこれほどまでに美しく見せてしまった映画は画期的だ。しかもその心とは、深いトラウマを抱えた尋常ではないサイコキラーの闇の世界。CGを多用することなく、オペラのようなゴージャスな美術、色彩、衣装、そして音を駆使して、目をそむけたいはずの妄想空間を、イマジネーション豊かなアートに変えてしまった。そこで最も威力を発揮したのが、「ドラキュラ」でオスカーを受賞した石岡瑛子によるコスチューム。そのデザイン・センスは、思わず引き寄せられてしまいそうな悪の魅力の表現にマッチして、映画全体を決定づけるほどの印象を残している。

 メガホンをとったMTV出身の新鋭ターセムはインド出身。M・ナイト・シャマランといい、ブッダのふるさとから映画の都にやってきた異能たちは、ただ単に視覚的にビックリさせるだけじゃなく、映像エンターテインメントの手法を用いながら、ぼくらを内的世界へと導くための布教にやってきたかのようだ。

清水節●徳間書店刊の小説版「ザ・セル」解説文には、さらなるディープ・ネタあ り!(僕が書いてますけど)


サイコキラーの精神世界を
フランスのカルトアニメで暗示
ジェニファー扮する小児精神科医が、自宅で見ているTVに映し出されるのはフランスのカルトアニメ「ファンタスティック・プラネット」('73)。心を体から遊離させて瞑想にふける巨人族と、虫けら同然の扱いを受ける人間たちとの闘いを怪しげな映像で描くこのアニメは、女性たちを殺人房に閉じ込めたサイコキラーの精神世界を暗示しているのだ!
PROFILE
'70年米生まれ。「ミ・ファミリア」('95)で映画デビューし、「アウト・オブ・サイト」('98)で脚光を浴びる。最新作「ウェディング・プランナー」(6月公開予定)が全米で大ヒット中。シンガーとしても才能を発揮している
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ジェニファー・ロペス
(キャサリン・ディーン役)
さまざまな顔を見せる
魅力みなぎるスター
ミュージシャンにして女優という多才ぶりに留まらず、ジェニファー・ロペスが映画の中で見せる顔は実にさまざま。苦悩する女医がタイトなスーツに身を包んで精神世界にトリップすれば、そこでは囚われた妖艶な女王に! やがて、戦う女神や聖母のような姿へと変貌し、そのすべてに彼女ならではの魅力がみなぎっているのだから堪らない。
 


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